読書マラソンWEB版

『はなちゃんのみそ汁』著:安武信吾・千恵・はな 出版社:文芸春秋

2016年度全国学生委員会・執行役員 石塚勇稀

福岡県立大学
久鍋杏奈

虎一筋。必死のパッチの19年-もがき続けた野球人生

『はなちゃんのみそ汁』著:安武信吾・千恵・はな 出版社:文芸春秋

この本は、今年の1月に映画化されているのでご存知の方も多いかもしれません。
がんのために33歳でこの世を去ることになった安武千恵さんと娘のはなちゃんをつなぐ1つの約束のお話です。千恵さんは、25歳の時に乳がんを発症しました。抗がん剤での治療を続ける中、副作用のため、子供を身ごもることは絶望的と言われていましたが、奇跡的に1つの命を授かります。ただ出産には、母子ともに大きなリスクが伴います。そんな中、実父の「死ぬ気で産め」の言葉で出産を決意し、産まれたのが、はなちゃんでした。
様々な治療を続け、命を紡ぎ続ける千恵さんですが、いずれは遺して逝ってしまうことになるはなちゃんが1人できちんと生きていけるように厳しくしつけました。そして1つの約束を結びます。それは、「毎朝、自分でみそ汁を作ること」でした。

私はこのお話を読んで、食の持つ力の偉大さを感じました。と同時に、食べることを通じて千恵さんがはなちゃんへ伝えたかった事が伝わってきて涙が溢れました。
何気なく口にしている食べ物が自分の身体を作るものだという意識が欠けていると思いました。
以前、食育のセミナーで講師の方に「最近、貧血がひどいんですよね・・」と相談したところ、「最近甘いものたくさん食べてない?野菜を食べんといけんよ」の一言。甘いものを控え、野菜を意識して摂るようにすると、驚くほどに貧血は良くなりました。まさに「生きることは食べること」だと痛感した瞬間でした。
社会に出る一歩手前の大学生である今だからこそ、自分の食生活を見つめ直し真剣に考え、正しく食を選択することができるようになる必要があると思います。この本は大学生のうちにぜひ読んでほしい1冊です。

福岡県立大学
久鍋杏奈