読書マラソンWEB版

『元素生活』著:寄藤文平 出版社:科学同人

津田塾大学 池上味花

表紙

『元素生活』著:寄藤文平 出版社:科学同人

元素の世界は、とても面白い。「元素生活」を読み終えて、私は最初にそう思った。この本では、独自のキャラクターと表現方法を用いて、118個の元素を一つ一つ分かりやすく紹介している。どの元素も個性的で、絵を見ているだけでも飽きなかった。各元素の紹介文も、思わずくすりと笑ってしまうような内容で、抵抗無く読むことが出来た。

 私が特に印象に残っていることは、私達の生活には世界中の元素が集まっているということだ。つまり、物を作るために様々な元素が世界中から集まって、そうして現代の私達の生活を形作っている。普段何気なく使っている物もたくさんの元素から出来ていて世界と繋がっているのだと思うと、少しわくわくした気分になる。私は日頃、身近な物の性質や成り立ちは気にしたことが無かったし、多くの大学生もそうなのではないかと思う。しかし、元素にはこれだけ世界が凝縮されているのだと思うと、たまには自分が使用している物を構成している元素について考えてみるような時間も、これから先の世界や日本、身近な人々の生活を考えていくにあたって必要なのではないだろうか。特に、今世界では原発問題が重視されているので、その問題の中心となっている元素について改めて学んで考えることは大切だろう。

 「化学が大好き」という人はもちろんのこと、「高校の頃は化学が苦手だった」という人もどちらも楽しめる内容になっていると感じた。私は、もともと化学は嫌いでは無く、興味深い話ばかりで夢中になって読んでしまった。そして、この本をきっかけに、今後は少しだけ元素を意識して生活してみようかと思えた。きっと、今までは見えていなかった、新しい発見があることだろう。

津田塾大学 池上味花