この物語をすごく簡単に言うと、主人公の理帆子は父親の失踪や母親の病気などの相次ぐトラブルで心が麻痺していく理穂子が、ドラえもんの世界が織りなす『SF(少し不思議な世界)』に触れて、成長する物語です。
この物語でドラえもんという物語は理帆子の人生そのものを象徴していいます。理帆子という女子高生が成長する物語の魅力は一言では表しきれません!だからこそ皆さんには、ぜひ読んでほしいと思います。最初バラバラだったピースが、最終章でピタッとはまるような伏線が貼られており、特に最終章は面白いと感じる瞬間だと思います。
僕も一度読んだだけではまだまだこの本の魅力を感じきれていません。この本の最後にある解説で名瀬英明さんも『私たちヒトは文字を読み言葉をしゃべる。だからこそ物語は栄養源、ごはんと同じ。辻村深月さんの小説は、一度知ってしまったらまた味わいたくなる。』と、おっしゃっています。何度も何度も読むことで深い魅力を味わうことができるスルメの様な作品です!ぜひ皆さんも手に取って、味わってみてください!!
明治学院大学 長田 遼太