読書マラソンWEB版

『十二国記 月の影 影の海』著:小野 不由美 出版社:講談社、新潮社

福井大学 加藤 隼也

表紙

『十二国記 月の影 影の海』著:小野 不由美 出版社:講談社、新潮社

今回紹介する「十二国記」シリーズは、一言でいうと現代とは違う異世界で起こる物語、所謂ファンタジー系に近いかもしれない。本シリーズは出版当初、ライトノベルという体裁で出版されたため、「ライトノベルかぁ〜」と思い、気になったけど読まれなかった方もいるかもしれません。ですが、本シリーズはそんなイメージを吹き飛ばす重厚な世界設定や力強いテーマが散りばめられており、その世界観にグイグイと引き込まれることでしょう。

さて、「月の影 影の海」は本シリーズ最初に刊行された本であり(その前にもこのシリーズの物語繋がっている作品が出ているが)、主人公の陽子が異世界に流れ着いた後、様々な人と出会い裏切られながら成長していく物語である。簡単に紹介すれば、このようなどこにでもありそうな紹介になってしまう。しかし、元の世界に帰りたいと願っていた主人公が出会った人々に裏切られ、人を信じれなくなる。しかし、ある人との出会いにより人とのつながりや自分自身の正体についても明らかになる。とてもここだけでは説明しきれないことばかりなので、ぜひとも読んでいただきたい。また、「十二国記」シリーズの世界観についても本書では主人公も読んでいる側も手探り状態から始まり、そこから静かに明かされる世界観、十二の国と十二の王、その王を選ぶ麒麟と呼ばれる存在など、が描かれている。この本を読んだあなたもきっとこの世界観に感動し、さらに続く「十二国記」の世界観に胸を躍らせることでしょう。

福井大学 加藤 隼也