読書マラソンWEB版

『モモ』著:ミヒャエル・エンデ 出版社:岩波書店

奈良県立大学 青山友紀

表紙

『モモ』著:ミヒャエル・エンデ 出版社:岩波書店

いかに無駄をなくすか、いかに効率よく生きていくか。忙しない現代社会を生きるあなたはそういったことに縛られていませんか?


『モモ』が出版されたのは1973年ですが、まさに今の時代にもグサッと刺さるものがあります。


物語の舞台はむかしのイタリアを思わせるようなどこかの国です。この国のまちでは、「時間どろぼう」に時間を盗まれた人々が「時間がない」「ひまがない」と忙しく生活し、効率や便利さだけを求め、人々の心はだんだんと荒んでいきます。そんな中で主人公のモモは心の荒んだ人々を救っていきます。しかしその方法はただじっと話を聞くだけ。モモが話を聞くだけで人々の心は解放されて、あたたかくなってゆくのです。私はそんなモモに尊敬の念と強い憧れを抱きました。


この本を読んで私は「自分が大切にすべきものを持とう」と思いました。どんなことがあっても、自分の心によりどころがあると、救われるものです。


私たちも、毎日があまりにも忙しいと、何が大切なのかわからなくなり、何のために働いているのか、何のために生きているのか、と悲しくなる時があります。『モモ』は「小学5,6年以上」と書かれた児童向けの本ですが、ぜひ大人に、時間どろぼうに時間を盗まれたなと感じた時、一度立ち止まって、この本を読むことをおすすめします。

奈良県立大学 青山友紀