読書マラソンWEB版

『嫌われる勇気』著:岸見一郎 古賀史健 出版社:ダイヤモンド社

2017年度全国学生委員会・執行役員(龍谷大学卒)
中村真悠

表紙

『嫌われる勇気』著:岸見一郎 古賀史健 出版社:ダイヤモンド社

 この本の題材である「アドラー心理学」は私の卒業論文のテーマにもなり、この本もその研究を終えてから読もうと考えていた一冊でした。また、刑事事件をアドラー心理学を用いて解決する、本と同名のドラマでも有名になったかと思います。
 本の中身は難しい理論がならんでいたり、教科書的にアドラー心理学を教えてくれたりするわけでなく、また、難しい言葉も出てこない、二人の登場人物による会話で構成されており、大変読みやすいです。
 生きていく中でおそらく誰もが感じたり、出会ったりする経験や体験から「自分はどう生きたらいいのか」ということについて気づきを与えてくれます。
 ですが、アドラー心理学自体、主人公の「青年」が述べているように「厳しい」ものであり、「劇薬」です。出てくる事例やそれに対するアドラーの考えへの反発も青年に思わず共感してしまいそうになります。しかしそれに対するアドラー心理学の切り替えしが見事で笑ってしまいそうになる。しかし笑って読んでいるだけでは何の解決にもならない。そこにまでアドラー心理学は迫ってきます。
 複雑そうに見えているこの世界を、少しずつ紐解くことを助けてくれる。ではどうすればいいのかまでは教えてくれません。しかし、これを読み終えた時、不安ではなくこれから生きることにワクワクするのではないでしょうか。

「世界はどこまでもシンプルである」
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」

 キーワードとなる言葉はたくさん出てきます。しかしすべてを覚える必要はありません。
 自転車は乗れるようになっても「自転車の乗り方や構造」まで常に記憶して意識している人は少ないようにアドラー心理学は実践することで意味ある心理学です。

 ぜひ続編の「幸せになる勇気」も読んでいただければと思います。

2017年度全国学生委員会・執行役員(龍谷大学卒)
中村真悠