読書マラソンWEB版

『新しい学力』著:齋藤孝 出版社:岩波書店

福島大学
小島 望

表紙

『新しい学力』著:齋藤孝 出版社:岩波書店

卒業論文の素材探しをきっかけに、この本に逢いました。自分も学びを受ける側であることと塾講師として学びを与える側になったことで、現在の教育への問題意識と未来の教育をどうするかを考えながら読み進めました。読み終えて思ったことは2つです。

1つ目は、学びは与えられるわけではないことです。今まで、与えられていると思っていた学びでしたが、塾講師で教えているうちに子供たちに「気付いてほしい」と思うようになりました。自分の内側から気付きや問題意識が生まれる方が、記憶にも留まるし成長のためになるはずです。実際、生徒が抱いた問題が解決されたときに本人は楽しみつつ、すごく納得していました。これが「学び」なのだと感じました。学校は学びに気付く機会でしかなく、私たちには自ら学ぶ姿勢が必要なのです。

2つ目は、問題解決型の思考の大切さです。今になればわかりますが、自分で問題意識をもち、理想に向かうために何をすればいいのか、根拠は何かなど、自分で論理的に考える力が重要です。今は、その力が社会で求められる時代です。正しく言えば、そういう力がないと社会を生き抜けないという問題意識が広がったということでしょう。そんな中で「教育は与えられるもの」という考え方でいいのかということが議論されているだけです。その結果、アクティブラーニングという手法が広まったり、学習指導要領の大改訂によって、英語教育の早期化、プログラミングの必修化などで騒がれているのだと感じます。

読み終えて、大学生活でもそうですが、社会に出てからも学ぶ機会はあるし、親になれば子供の教育を考える必要もあります。教育問題は、学校問題ではなく、私たちが暮らす社会の問題だと私は思います。皆さんで考えていきましょう。

福島大学
小島 望