読書マラソンWEB版

『原発危機と「東大話法」ー傍観者の論理・欺瞞の言語ー』
著:安冨 歩 出版社:明石書店

明治学院大学
佐伯 大樹

表紙

『原発危機と「東大話法」ー傍観者の論理・欺瞞の言語ー』著:安冨 歩 出版社:明石書店

著者である安冨歩は、東京大学東洋文化研究所教授でありながら東京大学を初めとした政府の考え方を批判している。この本では、原発事故に関連した政府発表の仕方、専門家の考え方について、欺瞞に溢れていることを明らかにし、なぜそのような欺瞞が作られているのかについていくつかの実例を元に紹介している。私はこの本を読み終わった際、そりゃそうだろう」と思ってしまった。なぜなら、東大話法は自分に都合の良いように情報を集めたり、表現を変えるなどのことであり、自分自身が普段からそのようなことをしているからだ。しかし、それ自体は悪いことではなく、今の社会で生きていく上では仕方ないことであることも同時にわかった。例えば、ゼミでの議論の際に、自分の主張に都合の良い論拠が自然に多く集まってしまい、反対要素は集めにくいことがあった。日常会話でも、自分の正当性を保つために同じようなことをしていた。一方で、他人が同じような話法を使っていても、信じていた。結局、お互い様な状態になっていた。しかし、この本を読むことによって、ニュースや新聞を通して得た情報を「本当にそうなのか?」と自分で調べることができるように少しなってきた。情報が得やすい時代、他人とたくさん議論できる大学生活だからこそ、考えるべきことがたくさんあるんだと思い知らされる一冊でした。

明治学院大学
佐伯 大樹