読書マラソンWEB版

『クジラの彼』著:有川 浩 出版社:角川文庫

松山大学
河野 真由子

表紙

『クジラの彼』著:有川 浩 出版社:角川文庫

人気シリーズ「図書館戦争」の著者である、有川浩の短編恋愛小説。

『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2か月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦(クジラ)乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラな彼との恋愛には、いつも7つの海が横たわる。表紙作「クジラの彼」をはじめ、自衛官たちの恋愛を描いた短編6つが入っている。

タイトルと表紙に惹かれて購入したけれど、短編なのでさらっと読めた。
本を読むまで自衛隊のイメージは、災害現場、海や山の救助シーンが真っ先に思い浮かぶ危険と隣り合わせな職業。彼らの家族や、恋人の存在まで想像できなかった。。。自衛隊員には、恋人よりも守らなければならないものがある!燃え上がる恋と自分の中で守らなければならないルール、両方を同時に守るためにお互いの立場を尊重し合う様子は、読んでいてキュンキュンしつつ心苦しさを感じた。

そして、この小説に出てくる女の子は強くてかっこいい。でも、傷ついたり不安になったりすることもある。その中で、男性のかける言葉や心情が細やかに描かれていて心がほっとしたりキュンとしたり、、、。言葉のひとつひとつに人間性は出てくる。言葉ひとつで相手に魅力を感じることもあるし、「そんな風に言ってしまうのか」とがっかりしたり。言葉の力を考えされされる本でもあった。

恋愛模様も楽しかったし、自衛隊の裏事情も垣間見れて、そういった意味でも楽しめた。
恋愛って甘酸っぱいな〜って思いながら、ひとりでニヤニヤしたい人におすすめ。

松山大学
河野 真由子