読書マラソンWEB版

『藤本杏はご機嫌ななめ-彼女のための幽霊-』著:吉野 茉莉 出版社:KADOKAWA

室蘭工業大学
大園 章宏

表紙

『藤本杏はご機嫌ななめ-彼女のための幽霊-』著:吉野 茉莉 出版社:KADOKAWA

自分がこの本を手に取った理由、それは作者が室蘭出身ということ、である。結果としてその選択は正しかった。と思う。

この本の内容を平たく並べると、東京から北海道に引っ越してきた高校生の少女が生徒会執行部に所属し、幽霊事件を解決するお話、となる。しかし、その中で登場人物の思考や行動に対して想像を膨らませることのできる内容が多く、楽しませてくれる内容になっている。
(今の自分には到底考えられない)高校生らしい活発さ、考え方。それがこの本の一つの魅力なのは間違いないと思う。
高校生らしい微妙な距離感もまた一つ魅力だと思う。時間が経つにつれて距離感は縮まるものの、いわゆる『超えられない壁』のようなものを感じるときがある。それがもどかしさだったり、心をくすぐる要素でもある。宣伝っぽくなってしまうが、この要素については、この本自体の続編があるので、それも合わせるととても楽しめると思う。

さて、最初に話したこの本を手に取った理由についてだが、実はこの高校の舞台がどうやら自分の母校っぽい、ということに気がついたとき、正解だったなぁ、と思った。
この本の中での描写はとても丁寧にされており、細部までわかるからこそ、深く想像できるシーンが多い。これは間違いないと思う。

高校生らしい青春を再び感じられる、そんな1冊。自分はそう思っている。

室蘭工業大学
大園 章宏