読書マラソンWEB版

『キャスターという仕事』著:国谷裕子 出版社:岩波新書

福島大学 小島 望

表紙

『キャスターという仕事』著:国谷裕子 出版社:岩波新書

この本を手にしたのは、国谷裕子さんの存在を別で知り、国谷裕子さん自身の考え方を知りたくなったという理由でした。

本書では、NHKの某報道番組でキャスターとして社会に対して問いを発信し続けた23年間について苦労や葛藤、挑戦などが綴られています。

私がこの本を読んで共感したことは3つあります。

1つ目は、報道は簡略化されやすいということです。報道の危うさとして、視聴者に寄り添い簡潔にしすぎることで事実や本質が削がれる危険があるようです。今の報道番組は視聴率のために分かりやすさを重視している可能性がないでしょうか。如何に、その本質を相手にどう読み取ってもらうのかは、限られた時間の中での報道では困難だと感じました。それは、直接話をするときも同じかもしれません。

2点目は、人にインタビューするときの心構えです。著者は入念に準備し、しつこく聞くこと、聞くべきことを聞くことを徹底したと述べています。私も普段誰かに尋ねる機会が多くあります。しつこいことは、人の気分を損ねる場合もあります。しかし、人の真意・想いを聞き取り、より多くの人に伝えるには、しつこく聞き取ること、聞くべきことを聞くことは大事だと感じました。

3点目は、言葉は人に大きな影響を与えるということです。言葉には力があることを、国谷さんから学びました。それは良くも悪くもです。励ますこともできれば、結果として死に追いやることもできてしまいます。真実にも嘘にもなり得ます。しかし、人に伝える方法としての「言葉」は凄く大切だと思います。だからこそ、普段なにげなく使う言葉や誰かに伝える時の言葉は大切にしていきたいと感じました。

この本を読んで、誰かに希望を与えられる人、社会のあるがままを伝えられる人になりたいと感じました。

福島大学 小島 望