読書マラソンWEB版

次の震災について本当のことを話してみよう 著:福和伸夫 出版社:時事通信社

はこだて未来大学 稲船美成恵

表紙

次の震災について本当のことを話してみよう 著:福和伸夫 出版社:時事通信社

小学生の時、台風の影響で家が半壊して避難生活を経験しました。決して規模は大きくありませんでしたが、私にとって大きな衝撃でした。自然の恐ろしさを感じました。その後、東日本大震災のときに、そのことを思い出したものの、自分に起こるかもとは考えずにいました。そして大学3年生の秋、胆振東部地震が起きました。大規模な停電が起きて、あわてふためいた自分に対して、どうして対策していなかったのだろうと疑問がわきました。いつの間にか、災害に遭うことはもうないと思っていたことに気付いた時に、この本に出会いました。

この本は、著者の東京出張の話から始まります。住んでいる名古屋から新幹線で向かう時、富士山が見えると緊張したり、東京駅ではなく必ず品川駅で降りたりと、「今災害が起きたら」の視点で行動しているからこその考えが書かれていました。「地震は必ず来る」と断言していました。私ははじめ、その言葉をぼんやり捉え、そんなに気を張っていたら疲れてしまうなと思いました。しかし、後述される地震の歴史や、東京や大阪の地盤について知るうちに、「必ず来る」という言葉をどれだけ理解していなかったかを痛感しました。

災害に対して、「いつ起こるかわからないから」「自分一人ががんばってもしょうがない」「考えるのが面倒」という考えを、少しでも持ったことのある人はぜひ読んでみてほしいです。自分のこととして考えて備えず、根拠なくみんなが言っていることをうのみにして、被害を受けたときに誰かのせいにする人ばかり。そんな最悪な状況にならないために。



はこだて未来大学 稲船美成恵