読書マラソンWEB版

『アントキノイノチ』著:さだまさし 出版社:幻冬舎文庫

奈良県立大学
四方 遼祐

表紙

『アントキノイノチ』著:さだまさし 
出版社:幻冬舎文庫

生命の重さ。

主人公は学生時代の経験から心の風邪をひいてしまった少年。
父の紹介で就いた職は「死人のあとかたづけ」をする仕事。遺品の整理だけではない。死後数か月経ってから見つかった人の部屋を掃除することだってある。

主人公の今と記憶が交互に描かれるストーリー展開は、ページをめくる手のスピードをどんどんアップさせる。
読者の我々は、生命と向き合う仕事を通して心の病と向き合う主人公を通して様々なことに考えを巡らせる。
自分のものなのに時に扱い方が分からなくなるゆらゆら揺れる心のこと、自分の生命、あの子の生命……

読み終えた今、なんだかうまく言葉に出来ないけれど心に栄養をもらった、そんな気持ち。

奈良県立大学 四方 遼祐