読書マラソンWEB版

『珈琲店タレーランの事件簿』著:岡崎琢磨 出版社:宝島社

秋田大学大学院
大久保 詠一郎

表紙

『珈琲店タレーランの事件簿』
著:岡崎琢磨 
出版社:宝島社

私が初めてこの本を手に取ったのは、高校二年生の冬、修学旅行で京都に行った後の時期でした。舞台は京都府京都市の中心部、近くには鴨川が流れ、静かな市街地を通り過ぎた先、苔の生い茂る小さなトンネルを抜けた先に、この小説の舞台となる「珈琲店 タレーラン」があります。主人公は、タレーランのコーヒーに魅了された青年、そして何とも美味なコーヒーを淹れる、タレーランの女性店員。店を訪れる客を発端に、主人公2人は様々な謎や事件に巻き込まれ、女性店員の持ち前の推理力によって全てを解決していきます。

綺麗な情景描写で描かれる京都の風景は、読んでいる私たちの意識をも京都に連れて行ってくれる様で、修学旅行で一度訪れただけにも関わらず、京都が恋しくなったのを思い出してしまいます。

頭脳明晰な女性の見事な推理、その推理と淹れられるコーヒーの味に魅了され、次第に人としての女性にも惹かれ始める男性、伏線たっぷりの様々な謎、謎に包まれていた女性店員の明らかになる過去など、読んでいる私たちを常に新たな不思議へと案内してくれます。

ぜひ、皆さんも本書を手に取って、自分のお気に入りの喫茶店で、コーヒーを飲みながら、一緒に謎解きをしてみませんか?

秋田大学大学院 大久保 詠一郎