学生・院生からのおすすめ本

『最後の言葉』著:重松清 出版社:講談社文庫

宮城大学大学院
須藤 宙美

表紙

『最後の言葉』
著:重松清
出版社:講談社文庫

ISBN
9784062757874

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 自分の中で戦争は身近ではなく戦争について考えることはほぼありませんでした。しかし、学校での研修や近年も海外で戦争が起こっていることを耳にするようになったことがきっかけで、読みました。
第2次世界大戦の際に日本兵が遺した手紙や日記、手帳などワシントンの国立公文書館に保管されていたものを、その手紙や日記、手帳などを書いた日本兵の家族に届けるという内容でした。この本に出てくる日本兵の方で自分と同年代の人の日記もありました。まだ、これからやりたいことがたくさんあったと思うのに戦争のせいで命を落としてしまうのはあってはならないことだと感じました。また、保管されている手紙の中には家族の元へ届かなかったもの、保管できなかったものもあると思います。
戦後70年以上経って日本では戦争を経験した人は少なくなってきています。戦争が起こっていない日本で暮らしている私は今の生活が当たり前だと思っていました。しかし、海外では戦争している国があったり、核を保持している国があったりします。実際に戦争を経験した方から話を聞く機会は減ってきてしまいますが、この本には日本兵の日記や手紙、手帳に書かれていたこと、遺族の方の話などが書かれています。これから戦争が起こらないために、戦争・平和とは何なのか、日本兵の方たちはどんな想いで戦争に行っていたのかを知ること、考えることができると思います。

宮城大学大学院 須藤 宙美

表紙