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『本日もいとをかし!!枕草子』著:小迎裕美子/清少納言 出版社:株式会社KADOKAWA

金城学院大学大学院
山口 朝香

表紙

『本日もいとをかし!!枕草子』
著:小迎裕美子/清少納言
出版社:株式会社KADOKAWA

ISBN
9784040663739

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「あてなるもの。(中略)削り氷にあまづら入れて、新しき金椀に入れたる。」
―上品なもの。削った氷に蜜をかけて、新しい器に入れたもの。
これは『枕草子』に登場する、現代で言うかき氷の表現です。「春はあけぼの…」で知られる『枕草子』ですが、それ以外の部分には何が書いてあるか知っていますか?
ドキドキした出来事、失敗談、好きなもの、嫌なことなど平安時代に生きる清少納言の日常が毒舌を交えながら語られています。急いでいる時に限って人が訪ねてくるのが憎らしい、まだ先だと思うモノほどなまけがちになってしまう…なんて話は、現代に生きる私たちも「あるある!」と共感してしまうのではないでしょうか。
『枕草子』が執筆されたのは、清少納言が仕えた定子が政権争いに敗れ、没落していく最中だったと言われています。しかし『枕草子』にはつらい現実は書かれておらず、面白可笑しく日常を綴っています。暗闇の中でも光を掬いとる、そんな清少納言の強さが私は好きです。
今回紹介した作品は『枕草子』をコミックエッセイとしてわかりやすくまとめています。1000年以上前の人も同じ気持ちだったんだと思うことも多くあり、クスっと笑える内容が盛りだくさんです!ぜひ一度読んでみてください。本日も「いとをかし!!」

金城学院大学大学院 山口 朝香

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