第3回 学生の生活リスク講座 ワークショップ

日時・会場

開催日時:
2018年 9月 24日 (月・祝) 
13:30〜18:00

会  場:
大学生協杉並会館 地階会議室

開催趣旨

 本講座では、学生をめぐる様々な生活リスクについて取り上げてきました。
ワークショップとしては、2016年に「大学生活の中に潜む様々なリスクに”気づいていく”」をテーマにブラックバイト・キャンパスハラスメント・カルト・消費者トラブル・ネットトラブルなどへの理解を深めました。
2017年は「大地震発生とその対処」をテーマにキャンパス・アルバイト先・自分の部屋でそれぞれ地震に遭ったと想定し、刻々と状況が変化する中、どのような判断をするのか・どのような行動をするのかグループごとに討論し寸劇で発表しました。
第三回のワ―クショップとなる今回は、テーマを「新入生がスムーズに大学生活を送るための教材を作ろう」に設定しました。
生徒から「学生」へ、子どもから「大人」へなる「新入生」を対象にどんな提案をするのがよいのか・できるのか、先輩大学生を中心に階層を越えて、考え話し合い、作り出していくことを目指します。

 一人でも多くの新入生がトラブルに巻き込まれることのないよう、また巻き込まれそうになるキケンを跳ね返すためのサポートを考えていきます。

プログラム

  • 主催者挨拶  寺尾善喜(大学生協共済連)
  • 基調報告   奈良由美子(放送大学教授)
  • ワークショップの説明
  • グループワーク1
  • グループワーク2
  • 発表
  • まとめ

当日の様子

開催挨拶・講座基調報告

冒頭、大学生協共済連合会の寺尾専務の主催者挨拶に続き、「学生の生活リスク講座」プロジェクトメンバーの奈良由美子先生(放送大学教授)から「学生の生活リスク講座の目指すもの」の説明がありました。先生の「学生の生活リスクは大学生活4年間の問題だけではないこと」「学生と一緒に大人もリスクリテラシーを高めよう」という問題提起とともに、この間「学生の生活リスク講座」をからわかってきたことや、この間の実践について話がありました。

 「新入生が学生の生活リスクを【じぶんごと】化しやすいのは先輩学生からのアドバイスであること」について触れ、「是非リアリティを感じられるような言葉で、あるいは形態でみなさんの体験を・考えを伝えてほしい」と呼びかけがありました。

グループワーク1〜自分が新入生に伝えたいテーマを考えよう。

 以上を受けて、三菱総合研究所の元田謙太郎氏からワークショップの進め方の提起があり、3つに分かれて「グループワーク1」を行いました。

 「グループワーク1:自分が新入生に伝えたいテーマを考えよう」では、学生を中心に、大学に入学してからの自分や友人の体験などについて出し合いました。初めての一人暮らしで心細かったことや、東京暮らしを始めるなかで「ポジティブに生活しよう」とネットを通じて知ったサークルの集まりに行ったら「ねずみ講」のグループだったという例や、SNSで“乗っ取り”にあった例や、Facebookで公開されている写真から情報を辿っていくと、大学名や卒業した高校だけでなく、通学経路や週末の予定などもわかってしまいとても怖い思いをした話なども出されました。

 参加者それぞれが自分の体験を話し、また他の参加者の経験を聞くなかで、自分が新入生に伝えたいことを意識化することができたワークとなりました。

グループワーク2〜新入生に伝えたいことを教材にしよう。

「グループワーク2:新入生に伝えたいことを教材にしよう」では、自分の「伝えたいこと」を1つに絞り、6つのテーマでグループを作って共同作業で教材を作成しました。完成後はそれぞれのテーマで新入生に伝えたいポイントを発表しました。

A:ネットトラブル 
教材名 リスク神経衰弱ゲーム  5名(学生 2名、社会人 3名) 

B:ひとり暮らし
教材名 その時、君はどうする?(ひとり暮らし編)  7名(学生 4名、社会人 3名)

C:自然災害
教材名 その時、君はどうする?(自然災害編)・仮想ハザードマップ  8名(学生 5名、社会人 3名)

D:アカデミックハラスメント
教材名 「君の卒論には単位を与えられない」そんな時に君はどうしますか?  6名(学生 3 名、社会人 3名)

E:ブラックバイト
教材名 「アルバイトを決めるとき。続けているとき」君はどうする?  6名(学生 3名、社会人 3名)

F:怪しい勧誘
教材名 「キャッチアンドセールス」ゲーム  8名(学生 6名、社会人 2名)

参加者からの感想 〜学生だからこそ伝えていきたい〜

とても楽しい時間を過ごすことができました。2時間半、怪しい勧誘についていろいろ話をすることが出来ました。僕は実際に経験したことがある側で、それについていろんな人にやはり熱をもって伝えていかななければと思いましたし、聞くときも僕はその人がどんな風に遭ったのかっていうのを実際にちゃんと事細かく聞くことで、他の人にも伝えられるなというのを感じました。学生だからやる事というのは色々あるなと思ったので、学生だからこそ皆に伝えていきたいなって思いました。
(Mさん:学生)

私は幸いにも自分でトラブルに遭ったことがなかったのですが、思い返してみたら、友達がなんか勧誘受けていたみたいな記憶があり、本当に他人ごとにしていたなと思いました。皆さんのいろんな話を聞いても、例えば同じ宗教勧誘でも手法が違ったりだとかして、あっち側が考えている事って本当に怖いことなのだなと思いました。

  他の班の発表とかを見ていても、やはりいろんなところにいろんなリスクが潜んでいて、それをいちいち常に毎日気を付ける事ってなかなか難しいと思うのですが、神経衰弱ゲームであったりとか、ロールプレイングだったりとか、そういう面白いゲーム的なのを通して知ることができるのはすごく大切なことだなと思いました。
(Sさん:学生)

まとめ(奈良由美子先生:学生の生活リスク講座PJメンバー・放送大学教授)

 大学生の皆さんが経験を出し合うことにより、新入生の身近なリスクに気づくプロセスを学べたと思います。対処方法についてもオーソドックスな手法と教材もありましたが、新しいカード形式のゲームを作ったグループが複数ありました。カードゲームに共通しているのはカードの組み合わせから、さらに議論が発展する種が出来る事です。想定外の事が起こるのがリスクです。あり得ないと思われる組み合わせでも本当にリスクになるかも・起こるかもと思わせる仕掛けも良く作られていました。

 参加したみなさんはこのプロセスを通じて親入生に伝えたいことをしっかり見つめメッセージにしました。同時にリスクを【じぶんごと】化しました。

 今日作った教材とプロセスを大切にしていきましょう。そして自信をもって新入生にバトンとして渡していきましょう。