「高校生×大学生座談会」(2024年開催)
自分に合った勉強の仕方と今しかない高校生活

大学選びで重要視したこと

小林さん:
大学選びのときに一番重要なことをお聞きしたいです。

石田さん:
僕はやりたいことが決まっていなかったのですが、大学選びでは可能性を最大限に残すことを重要視しました。その中で東京大学が、これから見つかるかもしれない「自分のやりたいこと」の実現可能性が一番あると感じ選びました。自分のやりたいことが最も実現しそうな大学を選んでほしいと思います。

佐藤さん:
私は言語学をやりたくて、学部からできそうな東京大学を選びました。やりたい学問が一つあることはモチベーションになるので、すごく大事だと考えています。例えば本を読んでいて、興味のある学問が一つでも見つかると、将来的にプラスに働くと思います。興味のある本を読んでも見つからない場合は、興味のない分野の本を読んでみることも一つの手です。現代文などで解いた問題を読んでみると、意外と「面白そう」というものが転がっていて、「こういう学問があるんだ」「こういう学部があって、こういう大学があるんだ」と道ができることもあります。入学後の4年間は結構長いので、学問への興味はモチベーションにつながります。

吉澤さん:
振り返ってみると、あまり良い大学の選び方ではなかったと思います。法学部や経済学部などに漠然として興味があり、その中で偏差値の高い大学を何となく選んで受けました。早稲田大学の政治経済学部と慶應義塾大学の経済学部ですごく迷いましたが、キャンパスや大学生活の雰囲気、就活の強さなどをいろいろと考え、最終的にはどちらが「自分に合っていそうか」「楽しそうかな」という観点で早稲田大学に決めました。

橋本さん:
大学生活は人生の中のたった4年、その先の就職のほうがずっと長いので、就職を軸に考えました。大学のホームページなどで就職実績を見て、「偏差値はここの大学のほうが高いけれど、就職実績はこちらのほうが高いな」というふうに調べていきました。ただ、数学がすごく苦手で、4年間耐えられるかを考えたときに「好きなことをやりたい」と思い、経済学部と商学部は受けませんでした。

太田さん(司会):
私は「情報系を学びたい」という思いがあり、それができる学部や研究室がある大学を選びました。新しいことが好きで、情報系を学んでおけば、将来働くときも役立ちそうだなと思ったからです。その中で早稲田大学の他に慶應義塾大学や明治大学などと迷ったのですが、慶應義塾大学は入試の小論文が得意ではないと思ったので外しました。明治大学は合格したのですが、早稲田大学と比べたとき、私は周囲に引っ張られやすいので、周りのレベルが高い大学に行ったほうが自分のためになると思い早稲田大学を選びました。
先ほど「本を読んで興味がある分野を探す」というお話がありましたが、「行きたい分野が決まっていない」「迷っている」人は、大学のパンフレットで「どんな学部があるのか」を調べてみるのもいいと思います。私自身、興味のある分野が明確ではなかったのですが、パンフレットを見る中で、面白そうな研究をやっているところが多いと思ったのが早稲田大学の人間科学部でした。大学では研究をしたり、その分野で有名な先生の授業を受ける機会もあるので、先生や研究室を調べることも大事だと思います。

太田さん(司会):
こちらから高校生の皆さんに質問です。
大学選びの一環として、高校生の皆さんはオープンキャンパスに行きましたか。

加藤さん:
行きました。自分の知りたい分野を中心に研究をしている学部があったので、行って良かったです。

野口さん:
僕は行きました。

小林さん:
すでに行った大学も、これから行く大学もあります。行った大学は「意外と駅から遠い」などの気付きもありました。

太田さん(司会):
オープンキャンパスは行ってみて分かることがあります。私も実際に行ってみて、すごくきれいな建物でテンションが上がったり、体験授業などで「大学はこんな感じなのか」という気付きがありました。ぜひいろいろなものを吸収してほしいです。

ここで、一つ質問が届いています。「公募推薦を使ってみたいのですが、論文や面接対策にはどの程度時間がかかるのか、またその手段を教えていただきたいです」とのことです。高校の校長先生から推薦してもらうものだと思いますが、私の友達の話では時期が早く、経験のある先輩が少ないので、「学校の先生や校長先生と面接をする」と言っていました。学校の先生以外に頼れるところはなかったようです。まずは学校の先生に相談し、早めに動いておくに越したことはないと思います。

高校時代にやっておけば良かったこと

原口さん:
大学生の皆さんは、高校時代にやっておけば良かったことはありますか。

太田さん(司会):
高校時代にやっておけば良かったのは数学です。数学はもともと好きな科目でしたが、先生との相性などもあり、高校2年の終わり頃から苦手になりました。長期休みや土日などに数学の問題を解く中でつまづいたとき、しっかり向き合って解決するところまでやっておけば良かったなと思っています。数学に限らず、とりあえず問題集を1周解こうとすると必ず簡単な問題が紛れていて、そこが解けて満足した気になってしまうことがありました。苦手になる前に、少しずつでも向き合って進んでいけると良かったです。
また、何をやればいいか、苦手な範囲が広すぎて迷ったときは、「この単元なら絶対に解ける」というものを一つでもつくっておけるといいと思います。テストは満遍なくいろんな単元から出てきますが、自分の得意な単元の問題で「これなら解けるはず」と思えると心が楽になります。私はそれができませんでした。

吉澤さん:
社会をもっと早くから勉強しておけば良かったと少し後悔しています。僕が本格的に勉強を始めたのは高校3年からです。それまでは学校の先生に「高校2年のうちは国数英を固めておこう」と言われていたのですが、受験を終えて振り返ると、社会を何か一つでも早めにやっておけばもう少し楽になっていたと思います。

太田さん(司会):
私も「高校2年生のうちは、国数英をやっておく」と言われていましたが、理科や化学などの範囲が終わるのは高校3年の冬頃で大変だった記憶があります。国数英に限らずどの科目も早めにやっておけるといいですね。

石田さん:
僕は時間管理です。受験期は9時~21時まで「これとこれをやろう」とざっくりとしたスケジュールで勉強していましたが、分からない問題があったときに考え込んで何時間も使ってしまうことがありました。1時間や30分などで別の科目に切り替えたほうが、成績はもっと良くなっていたかもしれません。自分の得意・苦手を考慮して、科目ごとに時間を割り振ることも大事だったのではないかと思います。

太田さん(司会):
私も考え込んでしまうことがありました。難しい問題を固執して考えすぎて、気が付くと2時間経っていることも。自分に合ったやり方があると思いますし、粘り強く考えるのも大切ですが、ある程度で割り切って答えを見て理解をし、改めてもう一度解き直したほうが効率良く勉強できることもあります。

橋本さん:
特に後悔はしていません。
唯一あるとすれば、高校3年の7月まで部活をやっていたのですが、早めに引退して受験勉強に切り替えておけば良かったなと思います。

佐藤さん:
大学生になった今、やっておけば良かったのは、英語のスピーキングとライティングです。入試ではスピーキングはほとんどなく、ライティングも英作文が少しある程度で、あまり力を入れてきませんでした。大学生になると、毎回のレポートや授業内のディスカッションなどで苦しむことがあります。入試だけではなく、その先もあることを考えながらやっておけば良かったなと感じています。

大学生から高校生へのメッセージ

太田さん(司会):
高校生の皆さんには、部活や学校生活の行事などを目いっぱい楽しんでほしいです。大学生になると、クラスという概念がほぼなくなり、毎日同じメンバーと会って遊ぶことが少なくなってしまうので、高校の友達は大事にしてほしいと思います。
勉強に関しては、英単語や古文単語などは早めにやっておいたほうがいいです。理科や社会、世界史などは後になっても積み重ねができますし、高校3年で頑張れば何とかなります。でも単語は早くにやった者勝ちです。

石田さん:
僕は上京して一人で生活しています。高校生の頃は「自分のことは自分でできている」つもりでしたが、いろんな人にお世話になっていたのだと実感しました。受験は「つらいもの」というイメージがあると思いますが、その土俵に立てていることが幸せなことだと最近感じました。大学生からしたらうらやましくて、「受験をもう一回したいですか」と聞かれたら「絶対にしたい」と今なら答えると思います。貴重な機会なので頑張ってほしいです。応援しています。

佐藤さん:
高校の3年間はすごく大切です。大学に入った今でも高校の友達とよく遊ぶので、今の人間関係を大切にしてほしいと思います。それに、受験勉強に限らず高校時代にやってきた本を読むことや、趣味や部活などが生きる機会が多いです。日々の生活を大事にして、人間関係を大事にしながら受験に臨んでほしいです。

橋本さん:
受験は、分かりやすい偏差値で見てしまいがちです。周囲の人から「そんなところを受けるの?」「偏差値はいくつ?」などと言われる場面が増えてきますが、何が一番大事かを見失わないことが大切だと思います。
私は就職価値で大学を選びましたが、それが正解ではありません。同級生の中には、学びたいもので選ぶ人や偏差値で選ぶ人、家からの距離で選ぶ人もいて、何が正解かはその人次第です。自分の中で何が大事か、どうなりたいかを、周囲に惑わされずに目指せるのがいいと思います。自分を見失わないように頑張ってください。

吉澤さん:
高校時代に当たり前だった、毎日同じ友達との学校生活や部活、体育祭・文化祭、学校行事などは大学ではほとんどなくなります。高校生の今しか楽しめない学校生活や遊びを全力で楽しんでほしいと思います。
勉強に関しては、受験は本当に長くて途中でしんどくなるときもあります。もちろん合格が目標ではありますが。どんな結果かにかかわらず「やり切った」と思えるかどうかが大事だと思います。そう思えるような受験生活にしてもらいたいです。応援しています。

太田さん(司会):
高校生の皆さん、たくさん質問をしていただいてありがとうございました。ぜひ今日の話を参考にして、高校生活を楽しみながら受験勉強も頑張ってください。
大学生の皆さんも、本当にありがとうございました。

2024年8月18日開催


全国の新入生応援サイトを見つける