「Campus Life」vol.65

「プランの構想と見直し」


全国大学生活協同組合連合会
生源寺 眞一 会長理事
(福島大学食農学類教授・
食農学類長)

ごく短時間に圧縮されたかたちでしたが、勤務地の福島大学では入学式を行うことができました。新入生の皆さんにとって、同じ学年の仲間と顔を合わせることが何より大切ですから、本当によかったと思います。そんな若者たちに対して祝意と歓迎の挨拶を述べました。食農学類長の立場から約百人の新入生に向けて発信したわけですが、全国の大学生へのメッセージだとの気持ちもありました。

自分なりのプランを構想してみること。それも日単位や週単位だけでなく、1学期あるいは1年間といった中長期のプランづくりが大切だと申し上げました。さらにプランを考えるだけではなく、月日が経過した時点で振り返ってみる。ここがポイントだとも強調した次第です。結果的には、計画どおりに進まなかったこともあるかもしれません。と言うよりも、若い皆さんですから、プランの見直しの必要な場合が少なくないはずです。見通しが甘く、練り直しを余儀なくされることや、逆に余裕が十分にあって、さらに高水準のプランにレベルアップすることもあるはずです。

大学生としての生活には、出会いの連続という面があります。人との出会いだけではありません。新たな知見やアイデアに接する機会も想像以上に多いのです。そして、新たな出会いがプランの見直しにもつながるわけです。大胆に申し上げれば、日々育ちゆく若者にとって、プランの構想と見直しは自分自身の成長の軌跡となる取り組みでもあるのです。

全国大学生活協同組合連合会
生源寺 眞一 会長理事
(福島大学食農学類教授・食農学類長)

「Campus Life Vol.65 with~after コロナの学びを支える ─心身の健康が礎にある─ に寄せて」


全国大学生協連 学生委員会
2021年度全国学生副委員長
菅野 瑞貴

新型コロナウイルス感染症の拡大は、人と人とのつながりを分断し、あるいはその形を変えさせるインパクトをわたしたちの生活へ与えました。今もなお多くの人が「新しい生活様式」の中でさまざまな困難と闘いながら、日々を懸命に過ごしています。さて、大学生はどうでしょうか。「人と話す時間がとても短くなった」「誰とも会わず一人でいるのがつらい」このように感じている大学生がいることは事実ですし、その数は決して少なくありません。大学生協の学生総合共済が加入者へ提供しているサービス「学生生活無料健康相談テレホン」にも、学生の多様な不安や苦悩が寄せられています。環境の変化が原因で心身の健康に影響をきたしてしまう、思い描いていた大学生活を送れなくなってしまうといったようなことは、実際に起きていることなのです。

「友達なんていなくても生きていけるよ」「大学は学ぶ場所なのだから勉強に力を入れなさい」といった声もインターネット上では聞こえてきますが、果たしてそれだけが真理なのでしょうか。人と人どうしのコミュニケーションがもたらすものは大きいです。誰かの声が、ほっと心を落ち着けてくれたり、刺激や励みになったりすると思います。そうして、ふさぎ込んだ気持ちが少し晴れたり、下を向いていた顔がちょっとだけ上がったりする、そんなきっかけを、わたしたちは大学での生活やそこで出会う人々との間に求めていたのかもしれません。一人でも多くの大学生がより豊かなキャンパスライフを送るためには、「心身の健康が必要不可欠」です。いまこそ、それを支えるコミュニティーやつながりをつくる取り組みを、大学と大学生協が手を取り合って進めていけることを強く願っています。

全国大学生協連 学生委員会 
2021年度全国学生副委員長 菅野 瑞貴


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