院生座談会 後悔のない、進学のために

院生座談会 〜院生活の裏側を教えます!〜

大学3年生のころになると、就職か大学院進学か、一つの決断をしなければなりません。進学を決めた方々は、何を考えてその決断をしたのか、また院に進学してからの生活はどのようなものなのか、お話を伺うため、院生座談会を行いました。

〈司会〉

  • 梶原 泰斗さん 京都大学理学研究科物理学専攻 M2

参加者

  • 楊井 希未さん 大分大学大学院 工学研究科 工学専攻 M2
  • 佐藤 航さん 山形大学大学院 地域教育文化研究科 臨床心理学専攻 M2
  • 矢間 裕大さん 大阪大学大学院 工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻 M1
  • 加藤 奈那子さん 岐阜大学大学院 教育学研究科 心理発達支援専攻 M1
  • 松山 実由規さん 富山県立大学大学院 工学研究科 電子・情報工学専攻 M2

はじめに―自己紹介

梶原さん:
はじめに皆さんに自己紹介をお願いしたいと思います。氏名と大学名と研究科、大学院進学の動機を伺えたらと思います。

楊井さん:
楊井希未です。大分大学の工学研究科に所属しています。研究テーマは、椅子に座るのに疲れたときバランスボールに座ると、それだけで疲れが少し減ったりしますが、そのとき体に掛かる負荷が違う理由を研究のテーマにしています。
学部3年生のときは、就職か進学か迷いながら就活をしていました。4年生になるタイミングで研究室を考えていたときに、第一希望の研究室に通ることが確実になったので、その時点で就活を止め、進学に切り替えました。

佐藤さん:
佐藤航です。よろしくお願いします。
心理学専攻ではありますが、山形大学地域教育文化学科臨床心理学専攻という、教育学部に近い分野を学んでいます。学部生のときは教育の中の心理を学び、今はそこから範囲を伸ばして研究しています。なので、小学校と幼稚園の教員免許は持っています。
研究内容は、育児がテーマです。育児におじいちゃん、おばあちゃんが関わると、良いところも悪いところもあります。さまざまな問題もありながら、でもやっぱり育児のサポートとして、おじいちゃん、おばあちゃんは大事、ということをテーマにしています。
院に進学した理由は、臨床心理士という資格を取るためでもあります。もともとは学部生のときから教員を目指していて、いじめなどの心理に強い先生になろうとずっと思っていました。先生になる勉強をしていくにあたって、クラス全体を見なければいけない担任の先生にはできないような、もっと専門的で、個別に支援ができるような人になろうと考えて、資格を取るために進学しました。

矢間さん:
矢間裕大と言います。よろしくお願いいたします。
大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻の都市再生マネジメント領域というところで、都市計画などの研究をしています。都市計画の中でも、ビジネスエンジニアリング専攻というのは、いろいろな学問を超えてまちづくりを研究していこう、いろいろな工学技術と経営学を融合させて研究しようという専攻なので、工学部の都市計画はハード面が多いんですけど、私は基本的にはソフト面のまちづくりを研究しています。例えば、交通需要をどのように管理するか、自分の研究であれば、まちづくりに市民が参加する動機、市民団体がつくられる理由などを研究しています。
進学を決めたのは、大学4年生のときです。もともと自分は法学部だったので、あまり進学する気はなく就活をしていました。その中でたまたま受けた、まちづくりの授業がハード面からソフト面、そして法律も含めていろいろなことを考えていく学問だと思いました。そして、まちづくりは、すべての人に関わるテーマであり、魅力的な学問だと感じました。そこで自分がいろいろやれたら面白いだろうなというイメージができたので、大学4年生の4月に進学することを決めました。
実際、自分のやりたかったことができているので、進学して良かったと思っています。よろしくお願いします。


岐阜大学大学院 教育学研究科 心理発達支援専攻 M1
加藤 奈那子さん

加藤さん:
岐阜大学教育学研究科心理発達支援専攻特別支援教育コースの加藤奈那子です。
もともと特別支援学校教員養成課程という教育学部の課程にいたので、特別支援学校の教員免許と、小・中・高の数学の教員免許を持っています。
もともと学部4年で発達障害、中でも特に学習障害、文字の読み書きがちょっと難しい子どもたちにとって、耳で聞くだけ、目で見るだけ、耳と目と両方からの情報刺激があるという3パターンの中で、どれが一番理解できるのだろうというような研究をしていたので、その続きを研究テーマにしようかと思っています。
ただ、最近、教授がポジティブ心理学というものが面白そうだとおっしゃっているので、乗りかえるかもしれません。
私は教育学部にいたのですが、一般就職を考えたり、やりたいことも自分の中ではっきりしていなかったので、大学院にいる間にいろいろ視野を広げて、自分にできること、やりたいことを見つけられたらと思っています。試験も2次試験でぎりぎり入らせてもらったので、少し特殊かなと思いますが、よろしくお願いします。

松山さん:
富山県立大学工学研究科電子・情報工学専攻の松山です。
私も就職と進学で迷っていたときに、進路担当だった今の研究室の先生に、相談したところ、「進学するようだったらロケット関係のことをやらせようと思っていたのに」と言われて、それは進学するしかないなと思って、進学しました。

梶原さん:
ありがとうございます。他の人の自己紹介の中で何か気になった点などありますか。

楊井さん:
矢間さんは、学部から院へ上がる際に研究室と研究テーマを変えているということですが、学部で学んだことと全然違う分野の院試は、どんな感じなのかお聞きしたいです。

矢間さん:
そうですね。法学部と今いる工学研究科は、まったく違いましたね。試験は、いくつかの科目があって、一つ目の専門科目は都市計画でした。これは、自分がこれから勉強することだと思って、前向きに勉強することができました。もう一つの科目は、他の人は化学や物理で受けるのですが、自分は科学技術基礎論という、日本や世界の科学政策の比較のような科目で受けました。例えば Society4.0とか5.0とか、科学技術政策はどう変化したのか論じなさいみたいな問題など、科学技術政策議論に近い入試だったので、なんとかなったのかなと思います。
ただ、試験の情報はやっぱり少なかったので、サークルや学生委員会で出会った工学の人から情報を聞いていました。

佐藤さん:
そのエネルギーは、どこからくるんですか。

矢間さん:
エネルギーは、「面白い」「学びたい」という気持ちですね。法学自体は面白かったのですが、都市計画をちょっとかじってみると、これは面白いというか、自分が今まで勉強してきたことも、新しく学ぶことも、そして自分は大学生協を引っ張ってきたので、そういうところでやってきたことも、全部つながっている学問だなと思ったからです。なので、ここを極めると自分のやりたいことがあるのではないかという気持ちがありました。ただ本当に最後の最後は、もう気合です。