研究室の使い方は文理それぞれ。アルバイトも息抜きに

梶原さん:
では次に、1日の内どのくらい研究に時間をかけているか、オフの日はどういう過ごし方、ストレス発散をしているかなど、皆さんの生活についてお聞きしたいなと思います。

加藤さん:
研究に割いている時間は、今はほとんどないですね。授業の課題を優先していると、自分の研究以外の論文を読んだりすることも多く、探したり読んだりで時間が取られてしまっているという感じです。
基本的に授業はお昼以降にあることが多く、朝はゆっくり起きて大学へ行き、空き時間があったら課題に取り組んでいます。
私は実家から大学に通っているので通学に2時間かかります。電車の移動時間に論文を読んだり、ときにはパソコンを開いて課題に取り組んだりしています。落ち着いて課題や論文に取り組む時間は、なかなか取れていないですね。
遊びやストレス発散も最近はできていませんが、大学院に入ってから、毎週水曜日に友達と一緒に大学の周りを散歩しています。もともと私は運動が好きで、ずっと定期的に運動をしたいと思っていたので、それがストレス発散になっているかなと思います。

佐藤さん:
研究は、論文を読んだりしていますね。自分の研究計画はつくり終わったのですが、書類の申請をしています。人を対象に研究をされている方は倫理申請というものを提出する必要があるんです。倫理的問題がない研究をしていますよという書類を、1カ月、2カ月かけて作成して、その申請が通ったので、あとはもう研究をする段階ですね。
ここ最近は、アンケート調査に時間を割いています。心理学を研究する方は、大学生や青年期を対象にする場合が多いのですが、私は育児なのでお母さん方なんです。だから、調査するのも大変で、知り合いの育児を始めたお母さんに連絡したり、図書館や子育て支援施設、地域のスーパーなどに、アンケートを置かせてもらえないか、交渉をしています。そういったことに、半日ほど使っていますね。
あと、非常勤で週2日心理士をやっています。その準備が結構大変で、分からないことを調べたり、その勉強をしていたりします。あとは、子どもと遊びながら子どもの成長を見守る「プレイセラピー」というのを授業でやろうと思い、その本を読みながら生活していますね。


大阪大学大学院 工学研究科
ビジネスエンジニアリング専攻 M1
矢間 裕大さん

矢間さん:
1日のスケジュールでいうと、午前中にオンライン授業がまとまってあることが多いので、午前中に家で授業を受け、お昼ご飯を食べて、午後から大学に行くような形ですね。大学に行ってからは、少人数の授業を受けたり、研究室のミーティングに参加したり、そういうのが1日のスケジュールとしては、よくあります。
研究室では、神戸や大阪、梅田をテーマに研究することが多く、感染対策をしながら大阪・神戸に足を運んで実際に街を見て、課題を洗い出し、議論することを行っているので、外に出ることも結構多いですね。
ストレス発散方法は、研究室に集まっているときに人と話すことが一番大きいのかなと思っています。いろいろ本音で話せるので、研究室の人と話すのは大事なのかなと。あと、いっぱい街を見なさいというのが、うちの研究室のモットーのようになっているので、いろいろな場所へ行き、いろいろな街を見ることが、ストレス発散の一つになっているかなと思っています。
研究とは関係ないですが、塾講師のアルバイトをやりながら院生生活を送っているので、それもある意味息抜きの1つになっていると思います。

楊井さん:
研究室には、だいたい朝10時くらいに行きます。正直家にいても、研究室に行っても、やることは変わらないですね。研究室に行ったときは、大学が山に建っているので、息抜きに周りを歩いたり、海をどうしても見に行きたいからと車で30分、40分くらいドライブしたりすることもあります。
ストレス発散では、研究でPC画面を見続けると目が疲れるので、電子機器に触れないように心掛けて、近くのスーパーに行ってみたり、あとは本を読んだりしています。

松山さん:
私は、研究する分野で、基礎の部分が全然できていないことが見えてきたので、その部分に関する学部の講義の聴講をさせてもらっています。その講義が9時からなので、それに合わせて学校へ行き、講義後は研究を進め、4時半から6時半は購買でアルバイトをして気分転換。その後研究室に戻りご飯を食べて、研究室で過ごし、だいたい11時、0時ころに帰っています。
研究室でものをつくっていると言っても、ハンダで回路を作成するのがメインなので、あるアーティストさんのライブDVDを流しながら、BGMにして作業しています。

佐藤さん:
私の場合、研究室で研究なんてしたことがないですよ。文系だと分かってくださると思いますが、研究室は先生に自分のものを見せに行く場所ですね。研究は家や別の部屋でやっているので、そんな夜中までいるのはすごいなと思います。先生と一緒の空間に私はいられないです。

松山さん:
先生の部屋は別ですよ。先生の私室があって、学生の居室があるような形です。

梶原さん:
文系・理系でも研究室の使い方は違うんですね。

矢間さん:
先生とのコミュニケーションは、どれくらい取っていますか。
私のところも院生と先生の部屋は別です。実際、一番の指導教官である先生は、忙しく、そこまで多く話せていない状況です。皆さんは、どれくらいの頻度で研究室の先生と話すのか気になりました。

松山さん:
私の研究室の先生は、部屋にいるとき、いつもドアを開けています。たぶん私たちが話し掛けやすいようにしているのだと思います。それを見て「先生~」って話し掛けています。教授なのですが、気さくな方なので、「先生」って呼んでいます。回路をつくっているときに、おかしなことが起きていたら、すぐ見てもらえるので、私の性格に合った良い先生ですね。

佐藤さん:
私の指導教官の先生は、学部長なので、本当に話していないですね。月に1回、院生のミーティングにいらっしゃるくらいです。自分の研究で分からないことがあったときにはメールをして、1カ月後ぐらいに返信があるくらい、とても忙しい方ですね。

加藤さん:
研究の話にかかわらず、先生とお話するのは週に2回くらいですかね。入学当初は、研究計画書や取りたい授業の申請のために、ゼミの先生の許可が必要だったので、結構研究室に通ったなという感じがあります。
週に1回、ゼミとは別に担当教員の授業があるので、その授業の終わりに呼ばれて、「奈那子さん、最近こういう研究を見つけたんだけど、どう思う」と話しかけられたりと、短時間ですけど週2回くらい話しているような印象です。
私も研究室は先生の部屋という印象ですね。基本は報告などの機会にしか行かないです。院生がいるのは院生室という名前の別の部屋です。
あと私のコースは一人しかいないので、結構広い部屋を一人で満喫して使っています。

梶原さん:
やっぱりコミュニケーションが取りづらい研究室もあるんですね。加藤さんのお話を聞いていて、毎週会う時間をつくるのは、大事かなというのは思いました。

矢間さん:
私は、大学院に行くと先生と話す機会が増えると思っていましたね。でも、意識的に機会を自分からつくらないと、あまりないというのは学部生のときから知っておくと良いですよね。