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前例のない危機に直面しても、あきらめない!
地域生協との連携で「共同の力」を発揮し、大学生を支援。

―広島大学生協 吉山功一専務理事にインタビュー―

新型コロナウイルス感染防止策等に追われ、大学が今まで体験したことのない大変な新学期を迎えた中、広島大学生協では広島県生活協同組合連合会との連携を得て、お菓子などの励ましのプレゼントを組合員に配布するという支援を行いました。

【参加者】

広島大学
消費生活協同組合
吉山 功一
専務理事

インタビュー
全国大学生協連
全国学生委員会
矢間裕大
(全国学生委員長)

インタビュー
全国大学生協連
全国学生委員会
四方 遼祐
(中国・四国ブロック担当)

―広島大学における学生・院生の様子を見ていて、新型コロナウイルスの影響で大変だと感じることや、例年と大きく違うと感じていることを教えてください。

吉山:
先日の緊急アンケートにもありましたが、大学構内に入れず自粛を呼びかけられ授業もオンラインのみという状況で、多くの学生が不安やストレスを感じています。中には自粛生活で生活が不規則になり、昼夜逆転して心身のバランスを崩した学生もいます。どの大学でも1年生が心配とは言われますが、学年問わず生活が一変することで異変を感じている学生は多いことと思われます。そういう学生は、今までもそうでしたがこの状況下でさらに見えにくくなっています。
今回の取り組みに関しても、生協に弁当を買いに来る学生には励ましのプレゼントを渡すことができたのですが、来ることもできないような状況に陥った学生に対しては、未だアプローチができていないのが現状です。
また、就職活動においては、今回の事態で企業も対応を変えてくる中、うまく対処できていない学生も確かにいます。
大学でも学生のそのような状況を懸念しており、6月の中旬から始まる第2ターム(4学期制の第2学期)では対面式授業の再開が検討されています。

矢間:
組織部や学生委員会というコミュニティがあるので見える部分もあるかと思いますが、表に出てこない学生も非常に多いと思われ、大変心配なところです。就活についても、未だ学生が動けていない、待たされている状況なので、メンタル的に大変なのだろうと思います。

―地域生協・広島県生協連(県連)と連携して、生協のお店を通じた学生支援の取り組みを行ったとお伺いしました。具体的にどのような経緯で、どのような取り組みを行ったのか教えて下さい。

吉山:
多くの新入生がミールカードの申し込みをしてくれており、生協は大学が入構禁止になった後も食堂での弁当販売は続けていました。一方で連休中帰国も帰省も自粛して自室で一人暮らしを続けている学生が相当数いるということが分かっていました。この連休に生協が休業すると、恐らく多くの学生が地域の様々なお店に行くようになり、それは学生自身にも地域の方々にも感染リスク拡大につながり得ると思われました。
大学からも学生の食生活の確保と感染リスクを減らすという意味で、ぜひ連休中も弁当の販売をしてほしいと頼まれました。
また、4月より毎日、池の上学生宿舎に住む寮生に弁当の出張販売を行っていましたが、こちらにも連休中の販売継続をということで、5月の4、5、6日の3日間、大学会館食堂と学生宿舎のある山中会館の2カ所で営業することになりました。
当時、弁当の販売と並行して、店舗閉店のため大量に抱える在庫食品の消費期限が迫っており、これを活用できないかと思っていました。そこで、弁当を買いに来る学生に応援メッセージとともに商品をプレゼントすることを考えるに至りました。
当地では、もともと大学生協と地域生協とが一堂に会する会議などの場があり、相互に協力し合うつながりを培ったという土壌がありました。それで、広大生協が県連から受けた支援金で在庫を県連に買い取ってもらうかたちで、商品を学生にプレゼントするという仕組みを整えました。県連にも快諾をいただき、県連事務局の方をプレゼント配布のサポートに派遣してもらえることになりました。
当日は県連からの励ましのメッセージカードを全ての商品に付け、2カ所の販売所で合計700人にお渡ししました。


―実際に取り組みに参加した学生組合員の反応や様子を教えて下さい。

吉山:
商品をテーブルに並べ、学生に「好きなものを一個取ってください」と声をかけたら、みんな楽しそうに選んで持ち帰ってくれました。何人かが「非常に嬉しかった」とツイートしてくれたので、やって良かったと思っています。
また、今回消費期限が迫る商品を何とか活用したいという思いがあったので、結果的に食品ロスを減らすことになり、SDGsの取り組みにもつなげられたと思います。

四方:
学生がツイートしてくれたのは嬉しいですね。

吉山:
今回は「いいね」が100以上ついたので、それは嬉しかったですね。食堂の営業に関しては、保護者の方からも一人暮らしを始めたお子さんがちゃんとご飯を食べているので非常に安心だと感謝の言葉をいただいております。

―全国の大学生またその保護者に向けてメッセージをお願いします。

吉山:
こういう困難な時だからこそ、助け合い支え合うという協同組合の真価が問われると思います。それぞれの大学によって状況も違いますが、大学生協がそういった取り組みをしているということを組合員や保護者の方に知っていただける機会になればと思います。
また、広大生協は1年生対象に英語講座を開いていますが、今回対面では開催できなくなったのでウェブ講座に切り替えました。これが大変出席率が良いのです。1年生が正規の授業がない状況で、コミュニケーションや交流する機会を待ち望んでいたのだと思いました。様々な場で生協が心の面もサポートする取り組みをしている、これも一つのチャレンジです。

矢間:
このチャレンジが、ほかの大学生協にとっても励まされ、頑張ろうという気持ちになるのではないかと思います。本日はありがとうございました。