キリン×大学生協 発 「スロードリンクを楽しみましょう!」座談会

リーフレットに付属している
アルコールチェックパッチの工夫は?

リーフレット
KIRIN リーフレット 〜お酒との上手な付き合い方〜

次の質問に行きたいと思います。リーフレットにアルコール体質チェックパッチが付いていますが、はがした後に対比表を見るだけで、この色と同じですというのがわかりやすいと感じました。
なぜこういう工夫をされたのかを教えていただきたいです。

田村:従来使っていたものはキリン独自のものはもちろんありませんし、赤になるか白のままかということしか計れていませんでした。

私が見たことがあるのはアルコールを絆創膏とかにつけて、貼るというものでした。キリンのアルコールチェックパッチは簡単にできるのがいいなと感じました。色の判断がしやすいのもいいと思います。

私たちがオリジナルで作っているので、キリンの聖獣マークをいれています。キリンは実在の動物ではなく、中国の伝説上の動物で、幸せを運ぶと言われているんですよ。ですから、お酒とともに皆さんの暮らしにも幸せをもたらして欲しい、という想いがこめられています。
パッチについてですが、キリンのマーク部分だけ剥ぎ取り、その下の肌の色を例示されている3つの色枠と比較して簡単に見分けることができるようになっています。

座談会

判定が赤か白か2パターンしかなかったり、色を比べるものがなくて、なんとなく中位かな?という感じだと印象に残らないのでやる意味があまりないのではと思いますよね。皆さん自身のお酒の強さについて印象をしっかりと残してもらうには、お金がかかるとしても取り組んでいかないといけないという企業姿勢の表れなのかなと思いますね。当然こっちの方が高いですからね(笑)。

いい加減な判定をしたくないですからね。大切なことなので。しっかりと自分の体質を知ってもらうことが第一なので。そこはしっかりとお金をかけて、わかりやすいようにしています。これなら 誰でも簡単に判定ができますからね。皆さんが実際に体験を通じて自分のアルコール体質を理解 し、その後の飲み方に役立ててもらいたいと思っています。これまでにやったことはありますか?

普通にアルコールを絆創膏につけて皮膚に貼るという簡易的なやつしかやったことはありません。
結構あの方法だとアルコールの濃度が高くかったり、つける量が変わったりすると結果が変わってきてしまいますよね。大量につけたら真っ赤になっちゃって。そういう意味ではちゃんと適性が測れる、一定の規格で測れるというのはすごい良いなと思います。

質問にダイレクトに答えられているかわかりませんが、形式についていうと、ただキリンが上手にお酒と付き合いましょうと、良いことを言うだけではなく、こうやって簡単な形でツールまでセットで提供するということで、本当に真剣に応援していることや、簡単に配れて興味が持てるようにイラストが入っている点が工夫していることです。入社式で配られて試した時に楽しかったことを思い出しました。学生の時は自分がどれくらい飲めるのかわからなくて、周りですごい飲んでいる人を見ると怖かったんですよね。私も飲んだらああ言う風に豹変してしまうのかって。もしこのようなツールに早く出会っていたら、学生時代にお酒をもっと楽しめたのではと思います。形式、使い方も含めて工夫をしていると思いますね。

私もこういうチェックとかをやるまでは大人になったら飲めるのかなと何となく思っていて、家族が結構飲む方なので、遺伝的に大丈夫なんだろなって考えていて、でも全然飲めないことがわかりました。チェックをやって飲めないことがわかったので、多くは飲めないんだなってことがこういうことでよくわかりました。

このリーフレットは裏側にお酒のリスクについても書いてあるんですよ。お酒の楽しさだけではなく、飲み過ぎたらどうなってしまうのかを知ることは大切です。楽しく飲んで安全に帰るためには、不適切なお酒の飲み方のリスクに、しっかりと向き合う必要があると思っています。それでこういった飲酒がもたらすネガティブな情報を記載しましたがどういう印象を持たれましたか?

リーフレット

座談会

これを見た時にお酒って怖いって思いましたか?それともすごくたくさん飲むと怖いんだなという感じですか?結構リアルなことを書いていると思いますが。

あんまり切迫した感じではないですね、僕からしたら。そうだよね、みたいな。ガンとか病気系とかは『ずっと飲みすぎるとよくないよね。』、みたいな確認のような感じがします。

では適量を飲んでいればリスクはないという印象ですね。

はい。実際自分がどのくらい飲んだらこうなるのかっていうのが、病気のことはわからないので、なんというか、絶対に飲むなっていうイメージではないですね。

病気のところに関しては僕も学部が農学部だったので、論文とかも読んだことあったので、『こうなるのか』っていうのは知っていました。やっぱり一番はアルコールハラスメントのところで自分が加害者にならないようにしないといけないっていうのが、強いイメージ。失敗した人を何人か見てきたので、そういう人を見ると『あれと一緒なのはちょっと』っていう、『なりたくないなぁ』っていう風に思ってますね。

ではイッキ飲みとかが始まった時に、『それはやめようよ』って言えますか?それとも雰囲気に飲まれてしまう感じですか?

僕は止めるまではなかなかいかないんですけど、『無理はするなよ』って呼びかけ、潰れかけていたら介抱しますし、嫌がってたら席を動かしてあげたりとかしていました。一応僕はその辺は気をつけるようにはしていましたね。

僕が飲むよ、みたいなのはないですか?

それはないですね。注がれたやつは残さないようにはしていたんですけど、イッキ飲みをするみたいなことはないです。ちびちびとみたいな。

みなさんが金田さんみたいな認識を持っていたらいいんですけどね。

そうですね。みんながみんなっていうわけではないので。

座談会

1日あたりの適正な飲酒量がどれくらいかはリーフレットを開けたところに書いてあるんですよ。男性であれば純アルコール20g程度、女性はその半分程度。そして、生活習慣病のリスクが上がってしまうのがその倍の量になります。そのあたりの認識はありましたか?男性にとってビール500ml一缶が適量というのは、少なすぎるように思うんじゃないですか?

リーフレット

思う人も多分多いと思います。

この数字を見たことないっていったら嘘になります。どっかで見ました。保健の教科書とかには載っていたと思うんですよ。見たことはあるんですけど、それを意識して生活しいたかって言われたらそうじゃないなぁと。

そうですよね。小中高とちゃんと保健体育の時間にこの勉強はしているはずなんですよね。アルコールの危険性はドラッグなどと一緒の学習項目に入っていますが、そこでお酒は危ないものなんだという認識を持ちましたか?

近くに飲む人がいないとそのイメージがつかないですね。特に家族が飲まない限りあまり飲酒した後の悪いイメージがつかない。

周りの人によるっていうのは金田くんのいう通りだなと思っています。高校生までは想像がつかないんですよね。想像つくとしたら周りの大人がどうかっていうところで、例えばお父さんがたくさん飲むけど、強いから平然としているとかだったら。そして、美味しいって言われていたら『あぁビールって美味しいんだ』って思うんですよね。だからそんなに、アルコールを飲むことに対してマイナスなイメージはないと思います。高校まではそういうのが影響すると思います。

なかなかお酒の適量って言われてもピンとこないでしょうね。あまり世の中で使われていないので、「純アルコール量」という言葉自体初めて聞くかもしれませんね。

居酒屋ではジョッキとかで出ると思うんですけど、そこで氷とかでカサ増しされたりしたら結局何杯飲めばその量になるのかわからないですね。缶とかなら自分の飲んでいる量はわかるかもしれないですけど、なかなかお店に出されるお酒一杯一杯にどのくらいのアルコールが入っているかは、全然知らないですよね。となったらこれは何杯なんだろうっていうのは、適量の摂取量を知っていてもなかなかわからないところはあるんじゃないのかなと。

座談会

食品に含まれるカロリーは意識するじゃないですか。特に女性は、自分が食べているお菓子や飲み物のカロリーを意識しますよね。ファミレスのメニューって普通にカロリーとか書いてあるじゃないですか、そんな感じで、純アルコール量がパッケージに書かれるようになれば、だいぶ意識もしやすいし、把握もできるなって思います。私たちメーカーのみでなく、流通を巻き込んでやらないと難しいんだなって思いました。

そういう風に缶とか容器に「これは純アルコール量何グラムです。」と書いてあるのは、いい取り組みだと思いますか?

判断材料が変わりますよね。%だとわかりにくいですし、体調にもよるので、いい判断基準になると思います。

実際にはなかなか取り組めていないですし、世界でもそこまで実施している国は、イギリスやオーストラリアなど数少ないですけどね。でも、これからはそういう方向性に持っていかないといけないと思っています。

そうやって判断材料が増えると選ぶお酒も自分に合うものがわかってくるなぁって思いますね。

容器に表示するのもそうですし、さっき越智さんがいったようにレストランでメニューに書いてあれば、『じゃあ今日は調子も悪いし、これくらいでやめておこうかな』っていう判断材料になる感じですね。体調や健康のことを考えるとまだまだやれることはありそうですね。

大学でこういうリスクを習うっていう授業がないので。
教職をとっている人はあると思うんですけど、他の人はなかなか保健体育の授業はないので、実際に飲んでいる人たちが知らないっていうところがあるのかなと思います。

高校までは授業があったからなんとか勉強はしたけれど、大学に入っていざ飲み始める時点になったらどういう飲み方がいいのかわからない、ということは聞きますね。それを教えてくれる先輩はいませんか?

多分大学とか入るサークルによって変わってくるかなと思います。サークルもいわゆる飲みサーっていうところではイッキが普通とか飲まされるっていうところもあると思いますし、僕らの学生委員会は守ろうと決めていたので、1回生の間は飲み会は控えるっていうのを決めているとか。潰れさせないように先輩が介抱するとか。そういうところはいいかなって思うんですけど、やっぱり周りの環境が左右するのかなと思います。

皆さん、パッチテストの結果、皮膚の色は変わりました?

座談会

本当に真っ赤になりました。
私はアルコールに体質的に弱いので、注射をするときの殺菌でもアルコールを使うとバーってかぶれるんですよ。でも、キリンでは絶対に飲まされないし、中途入社した際にも不適正飲酒の研修が1時間くらいありましたね。
先ほどの大学生同士でも飲み過ぎないためにという話ですが、10年前くらいに自分が大学生だ った時より、個人主義や、取り乱す、コントロールを失うことがダサいという価値観が進んでいるのを感じます。飲み過ぎて倒れているのを、楽しんでいるんじゃなくて「あいつダセーな」っていう感覚ですね。だから、「皆で盛り上がっているつもりかもしれないけれど、人に無理に飲ませているのは、一人ひとりの楽しみ方や個人の価値観を分かっていないことだからダサいよ」とか、「コントロールできていないのもダサいよ」みたいなことを一人ひとりが発信していくのがいいのかなと思います。

そういう時代になっているのかな、働き方改革もそうだと思うんですよね。今まで家にいて働くよりも、会社に来て働くのが当たり前だったけど、キリンビールでは在宅勤務とかフレックス勤務制度があります。個人で状況や体調に合わせて、どんな飲み方もその人らしいって認められる風潮になってきたっていうのは時代が良くなってきたと思います。今の大学生の方は何年か前よりも、だいぶいい時代に生きていると思います

今は昔に比べて楽しむ要素がいっぱいあるじゃないですか。ネットゲームやら音楽など他に夢中になれることがたくさんあるので、お酒にだけ頼らなくても他に色々自分なりの楽しみ方を見つけるのが上手なんじゃないかなと思っていますが、どうですか?

地方だと遊ぶ環境が限られているので飲むのかなと思います。

わかります。私もその地方の大学だったので、エンタメはカラオケみたいな。

そうですね、カラオケかボーリングか、飲むしかないみたいな。でお金がなくなったらもう宅飲みしかないみたいな。ゲームとかもやるかもしれないんですけど、やっぱりゲームも飽きちゃうと飲むとか。地方と都市ではそういう環境もやっぱり違ってくるのかなと思います。東京の方だと夜までいろんなところが空いていて、カフェとかもたくさんあるじゃないですか、僕も岡山の方の出身で結構田舎の方に住んでいるので、夜になったら何もなく、そうなると家で何かするしかないので、もしそれが下宿で大学とかだったら飲むしかないのかなと思ったりします。

さっき小林さんもおっしゃっていましたよね、東京にきてから飲み会とかが楽しくなったっていう感覚に近いです。

地方って車社会じゃないですか。飲んだら運転できないので、代行っていう文化を地方に行って初めて知りました。代行タクシーを呼んで飲むっていう文化を。学生の皆さんはそういうのはあるんですか?

でも、学生街だと飲み屋が近くにあるのでは?

そうですね、下宿生が集まると近くなので代行は大丈夫ですね。

他に楽しみがないということもあるんですね。

都市と地方とではおそらくアプローチが変わってくると思います。生活の環境や感覚からして違うので同じ手段ではないのかなと。スロードリンクも都市だからこそっていうのはあるのかもしれません。

地方都市だと居酒屋とか飲食店が閉まるのがむちゃくちゃ早いですよね。

それはそれで健康的ではあるなと思ってしまうんですけど、でもその後宅飲みするんだったら結局一緒ですもんね。

でも宅飲みであんまり一気飲みしないですよね?

田舎の実家暮らしだと逆に家族文化で核家族化していないので、ゆっくり飲むことも多いと思います。中途半端に都会の外れの学生の集まりだと、楽しみもないし、お金もないし、じゃあ飲むか。みたいな感じですね。

じゃあロケーションによって随分違ってきますね。一筋縄でこうあるべきなんて言えないですね。

キリン座談会