大友啓史監督インタビュー〜大学時代の読書欲〜

原作本と映画の魅力・・・もう一つの本の魅力・・・

中村:原作が本だったり、漫画が映画化されたりということが、いま多いような気がしますが、原作と映画の魅力についてはどうお考えですか。

大友氏:本と映画は別ものですからね、本を楽しむという行為と、映画を楽しむという行為は違うので。本の楽しみっていうのは、レコードやCDとかと一緒でね、ジャケット、どういう風な装丁にするかとか、本の香りとかあるよね。

だから、本の楽しみ方って一つではないってことですよね。もちろんそこに書かれていることこそが、作者の主義とか主張であったり、語りたかったことなんだろうけど、一冊の有り様、デザインも含めて本というもの全体が一個のメッセージだから。読めば読むほどぼろぼろになっていくし、それはまさに、本も「生きている」ってことですからね。