座・対談「インタビュアーによる 柳 広司さん著書紹介」

  • 『二度読んだ本を三度読む』
    岩波新書/本体780円+税
    年に数百冊の本を読むという柳さんが、これまでに二度以上読んだ本だけを取りあげた読書案内。紹介されるのは『月と六ペンス』、『山月記』、『紙屋町さくらホテル』、『ソクラテスの弁明』など国も時代も様々、小説にも限定されない18 作品です。「言葉、もしくは物語がなければ生きていけない者がいる。」そう語る柳さんの読書案内は、同好の先輩のノートを読ませてもらっているような楽しさ、スリリングさに満ちています。
     
  • 『ジョーカー・ゲーム』
    角川文庫/本体552円+税
    死ぬな、殺すな——大日本帝国陸軍に設置されたスパイ養成学校“D機関”は、軍隊にあるまじきその戒律と、スパイなどという卑劣で姑息な手段は日本古来の武士道に反するという理由で、設立当時から猛反発を受けていた。しかし“伝説のスパイ” 結城中佐はこれを退け、鮮やかな手際で機関員たちに成果を挙げさせる——スパイたちのクールな頭脳戦と人間ドラマが絡み合う、大人気シリーズ。
  • 『幻影城市』
    講談社文庫/本体760円+税
    建国十周年を迎えようとする満州の人工都市・新京。その郊外にそびえる満州映画協会は「幻影城市」——欺瞞と幻と嘘が渦巻く張りぼての世界と呼ばれていた。大杉栄殺害事件、七三一部隊、関東軍……きな臭い時代を舞台に繰り広げられる陰謀劇の、怪しいまでに鮮やかなこと。表がきらびやかであればあるほど、裏側は陰惨と怪奇を極めるもの。セットの裏側を覗くのであれば、闇に魅入られることなく真実を見極められますよう。
  • 『柳屋商店開店中』
    原書房/本体1,600円+税
    単行本未収録作品(と一部著作のあとがき)を、小説もエッセイもぎゅっとまとめた豪華な一冊。小説は『ジョーカー・ゲーム』の番外編に『バスカヴィル家の犬』や『走れメロス』のオマージュなど9作品。エッセイは推理作家協会賞受賞記念エッセイ「日本推理作家協会賞殺人事件」や、「柳広司を創った『13』」、自作紹介など20 本以上。柳さんの読み味をいろんな角度から楽しめるのはもちろん、次に読む作品を選ぶガイドとしてもおすすめです。
  • 『吾輩はシャーロック・ホームズである』
    角川文庫/本体552円+税
    ロンドンへ留学中の夏目漱石は、神経症から我こそはシャーロック・ホームズだと信じ込み、ワトスン博士に面倒を見てもらうことになる。二人が降霊会に出かけると、当然のように殺人事件が起きて…… “ナツメ” とワトスン君の絶妙なバディ、ロンドン塔、句会、レストレード警部に正岡子規——目もくらむようなアイテムの数々と、時にそれらを覆いつくすロンドンの霧。漱石とホームズが骨がらみと評されたこともある柳さんの、一冊で何度も楽しいパスティーシュ。
     
  • 『虎と月』
    文春文庫/本体540円+税
    「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」のために虎になった李徴。では李徴が虎になった後、彼の妻子はどうなったのか。李徴の頼みどおり袁傪に助けられて暮らす彼らは、李徴が虎になったことを知らされていた。そして息子は「自分も虎になるのではないか」という不安を解消するため、父が虎になった謎を解こうと旅に出るが……。目くるめく驚きの展開と、丁寧な伏線の回収。高校教科書の定番『山月記』から生まれたビルドゥングスロマン・ミステリ。

柳 広司さんその他の著書

  • 『風神雷神 風の章』
    講談社/本体1,500円+税
     
  • 『風神雷神 雷の章』
    講談社/本体1,500円+税
  • 『象は忘れない』
    文藝春秋/本体1,350円+税
P r o f i l e

柳 広司(やなぎ・こうじ)
1967 年生まれ。小説家。
2001 年歴史や文学作品をミステリーと融合させた『贋作「坊っちゃん」殺人事件』(朝日新聞出版)で朝日新人文学賞受賞。09年『ジョーカー・ゲーム』(角川書店)で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編及び連作短編部門を受賞。著書に『はじまりの島』(創元推理文庫)、『新世界』『トーキョー・プリズン』(ともに角川文庫)、『虎と月』『ロマンス』(ともに文春文庫)、『幻影城市』『怪談』(ともに講談社文庫)、『象は忘れない』(文藝春秋)、『風神雷神』(講談社)などがある。最新刊は『二度読んだ本を三度読む』(岩波新書)。

柳 広司さん プロフィールサイン本プレゼント

「座・対談」記事一覧


ご意見・ご感想はこちらから

*本サイト記事・写真・イラストの無断転載を禁じます。

ページの先頭へ