Aさん・Dさん・Eさん
憧れでできるほど簡単な仕事ではありません。ノンフィクションであれば最低でも大学教授レベルの専門知識を身につけてなんぼ、小説であれば何か新人賞をとること、noteも含めたSNSの発信に1万「いいね」がついてから、など。新人賞でもいろいろとタイプがあり、長編でいきなり小説化されるもの(文春でいえば《松本清張賞》)、そのほか、《江戸川乱歩賞》、《このミステリーがすごい!》、《小説すばる新人賞》などが、受賞すれば即本になります。短篇であればコツコツ担当編集者と作品を模索しながら、となります。
※https://books.bunshun.jp/articles/-/5459も参考にご覧ください。
Aさん
作品単体というよりも、「この作家の本なら買う」というコアなファンをつけることではないでしょうか。
Bさん
小説家、作家は書くことそれが大事です。マーケットを考えるのは大事ですが、ただ作家になりたいのではなく、書きたいものがあるから作家になる。そうしたら道は拓けるのだと思います。
Cさん
何か思わず読みたくなるような強い特徴があるといいのかなと思います。最後まで読んだら絶対びっくりするよ、みたいな。
Dさん
今はデビューする機会が多いかもしれませんが、同人誌全盛の時代もありましたし、「飽和しかかっている」のはひょっとしたら、現在に限らないかもしれません。いつの時代にも、「その人にしか書けない作品」を生み出せる、しかもコンスタントにということではないでしょうか。
Eさん
面白い作品か、すばらしい作品のどちらかです。
Bさん
あるとすれば、書きたい意欲に溢れていて、すぐに作品のイメージを語ってくれる方です。
Cさん
一冊読んだときに、もっとこの人の小説を読みたいな、と思わせてくれる方には思わず連絡を取ってしまいます。
Dさん
アイディアをたくさん持っている方と、ある程度の社会経験、人生経験の豊富な方、あとは「感性」が大事なのではないでしょうか。
Eさん
しつこく粘る、諦めない人にはいつかチャンスが訪れると思います。
Aさん
たくさん読んでたくさん書くこと。読まず書かずで、他の作品の批評ばかりするのは、あまり生産性がないように思ってしまいます。
Bさん
書くこと以外にないと思います。
Dさん
あらゆる努力だと思います。読書だけではなく、ドラマや映画に触れることも大切ですし、もっと広く言えば生きていくうえでも努力すること。最近は子供のころから作家を目指し、大学もどこに通うかをそのために決め、文章教室にも通って、という方もたくさんいらっしゃって、本当に競争が激しいことを感じます。働きながら社会人でデビューされる方もいらっしゃるわけで、浅田次郎さん、山本兼一さん、葉室麟さん、青山文平さんといった方々に共通するのは、社会人時代に文章を書く仕事(ライターなど)に携わった経験のあること。だからこそ「いいものを」「たくさん」書けるのだと感じます。
Eさん
書き続ける、ということは大前提として、作家として食べていけるまで別の道で収入を確保する努力は必要でしょう。
Bさん
新人賞を獲った方に、担当編集はよく言います。「仕事をされていたら、その仕事はやめないでください」という言葉です。それほど、最初は作家としてご飯を食べるのは難しいです。仕事をしながら、その経験も小説にいかせると思います。そして多くの作家さんが、働きながら今も活躍されています。
Dさん
とにかく広い視野を持つことが長く作家として続ける上では欠かせないので、一度は社会人経験を持つことを勧めます。それは作家としての「引き出し」になるでしょうし、働いていることを理由に書けないのであれば、それはもともと本気で作家になりたいわけではないと思います。
Eさん
できます。多くの人がそうしています。
Aさん
編集者ですらかなり読む努力をするのですから、読むべきかと思います。
Cさん
小説に限らず、漫画、映画、アニメ、ドラマ、動画などなんでもインプットが多い方がよいように思われます。生き残っている作家の方で、自分よりインプットが少ないと感じた方には会ったことがありません。特殊な体験をする、という自分の人生を使ったインプットもありますが、コストが高いので創作物に触れるのがベターな気がします。
Aさん
それを自分で探すのも勉強になるのかもしれません。
Bさん
ご自身の描きたい世界の作品と、反対側にあるジャンルの作品など。
Cさん
作家になるためにいいかどうかはわかりませんが、大塚英志さんの『物語の体操』はとても勉強になりました。どこか流れが滞っているな、という原稿を読んだときにこの本に照らしてみると、問題点がよくわかります。編集のときにありがたい本ですが、たぶん書くときにより有益な本ではないかと思います。
Dさん
「作家になるため」読書するのは目的がちがいます。方法論ということであれば、ひと昔まえですがDクーンツの『ベストセラー小説の書き方』を逢坂剛さん、宮部みゆきさんらが薦めていらっしゃいます。
Eさん
一概には言えませんが、自分が書いていきたい分野の古典、名作は読んでおいた方がよいと思います。作家に限らず、どんな仕事であっても、先人の努力や達成に敬意を払える人が成功するものではないでしょうか。
Aさん
文学賞のほうが、受賞後のケアが厚いのではないでしょうか。担当もつくので。
Bさん
自分がどう書きたいものを書き続けていきたいか。そのスタートになるものは何か、ご自身で決めることだと思います。
Dさん
本を出したいだけなら自費出版すればいいのでは。商業作家になりたいのであれば、文学賞へ投稿し、きちんと担当編集者についてもらえばいいのではないでしょうか。
Eさん
紙の本を出したいなら、紙の雑誌/出版社の新人賞に応募するのが近道だと思います。
Dさん
どこまでを「デビュー」とするか。100人のうち10年後に1割以下、3人くらいという話を聞いたことがありますが、どの賞でデビューしたかにもよると思います。
Dさん
イベントを開催する場所は、多くのお客様に足を運んでいただくために都市部を選ぶ傾向があるのと、作家の方にご負担をかけないためにも、なるべくお住まいに近い場所、ご出身地を選ぶ傾向にあります。
Eさん
サイン会などのイベントは、その作家の本をたくさん売ってくれる/たくさんお客さんを集められる書店でないと開催しにくいので、どうしても都市部、都心部の書店が中心になります。
Dさん
サイン本につきましてはご要望をいただいた書店さんに優先的にお送りしていて(数に限りはございますが)、そういった書店さんはSNSでも情報発信をこまめにされていますので、そちらをチェックいただくといいかもしれません。
Eさん
地方の方には申し訳ないですが、これからはオンラインによるサイン会などの試みも増えていくと思いますので、好きな作家の方のSNSをこまめにチェックされるとよいのではないでしょうか。もちろん、地元の書店でたくさん本を買っていただき、その売れゆきが話題になったりすれば、作家も、出版社も、その書店でのイベントを企画しやすくなると思います。
Aさん
紙からwebへという単純な変化では対応できないと思います。コンテンツに適した媒体を選べるようにすることが必要かと思います。また、読者をもっと「見える」ようにすることも必要です。大ヒットを狙える時代でもないですから、需要のあるところに確実に届けることのできるシステムが必要と考えます。
コンテンツそのものはもちろんですが、流通の変化にも対応していくべきかと思います。
また、小説の需要は、一般読者に限らず、企業の広報や色々なところで求められる時代に入ったと思っています。どこで求められているのかのアンテナをはりながら、柔軟な思考で対応することが求められていると思います。
Dさん
必ずしも紙だけが小説の最終的な形態ではない、と思っています。本当に誤解されがちなのですが、雑誌や本は文字や写真をただ並べているわけではありません。そこに企画があり、テーマがあり、見せ方があり、われわれ編集者はそのコンテンツを作っています。それがWEBになったら新しい可能性がよりあるかもしれず、またメディアの受け手も国内に限らず海外にも目を向けていけると思います。
Eさん
電子書籍やオンラインメディアへと主戦場は変わっていくと思います。媒体にあわせて、面白い中身をつくる仕事を続けていきたいと思っています。
Aさん
横断的な特集を組めること。速報性ではなく、思わず保存したくなる特集が作れるのはいいところだと思います。
Dさん
読者の顔をかなり細かに想定して、企画を作れるところではないでしょうか。また必ずしも「マス」を求めずに、より専門性の高い分野へ取り組める点も強みだと思われます。
Eさん
どこから読み始めてどこで読み終えてもいいこと。たまたま開いたページに思わぬ出会いがあること。
Aさん
みんなスマホは見ているので、活字離れはしていないように思うのです。ただ、難解な表現や作品に挑戦しない人が増えているのではないかと思います。中学や高校のうちから、読書の楽しさを伝えることで、苦手意識をなくしてもらうような取り組みができたらと思います。
Dさん
自転車に乗るのと同じように、早くから活字を読む習慣がつけば、それは続けられる、あるいは一度それを止めても戻ってこられるものだと思います。これは自分自身の経験で、中学、高校時代は読んでいた活字から、大学時代は事情で一度離れてしまったけれど、その後戻ってこられたのですから……。そこで取り組んでいるのが、「高校生直木賞」の取り組みであったり(http://koukouseinaoki.com/)、「読書のいずみ」からの取材依頼には積極的にお引き受けするようにしています。
Eさん
活字ならではの面白さがあるので、魅力をうまく伝えていければと考えています。文藝春秋ではいま「高校生直木賞」の運営をやっていますが、これから大学生、中学生、小学生へとウイングを広げていきたいです。
Aさん
いつも自分を救ってくれるものです。
コロナで大変な昨今、心が沈むことも多いのですが、作家さんのエッセイ集を読むことで孤独に寄り添ってもらえたり、小説のなかの美しい表現に出会って気持ちが豊かになったり、将来への不安に少しだけ光が灯ったり、本当に救われていると感じています。
Dさん
真剣勝負、でしょうか。いつかリタイアしてゆっくり読めるようになりたいです。
Eさん
大切な趣味です。
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