座・対談 @ オンライン
「インタビュアーによる 斎藤 真理子さん著書紹介」
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斎藤真理子
『韓国文学の中心にあるもの』
イースト・プレス/定価1,650円(税込)セウォル号事件、光州事件、そして朝鮮戦争……。快進撃を繰り広げる韓国文学に流れている記憶を『82年生まれ、キム・ジヨン』を起点に遡ってみよう。韓国文学翻訳の第一人者が、韓国文学の痛みと連帯を不尽の想像力で読み解く必読の書。
チョ・ナムジュ〈斎藤真理子=訳〉
『82年生まれ、キム・ジヨン』
筑摩書房/定価1,650円(税込)どこにでもいる普通の女性、キム・ジヨン。平凡な学生時代を経て、就職難を乗り越え社会人になったキム・ジヨンは、出産をきっかけに退職する。日常に潜むジェンダーの壁が1人の女性を追い詰めていく様を鮮明に描く。国境を超えて共感を呼んだ作品。
ファン・ジョンウン〈斎藤真理子=訳〉
『ディディの傘』
亜紀書房/定価1,760円(税込)傘の貸し借りがきっかけで恋人になったdとdd。ddが事故で亡くなり、半地下の住居で塞ぎ込むdはddの遺したレコードを聴くようになる(「d」)。セウォル号沈没事件を経た韓国社会の閉塞感とやるせなさ、そして変革への願いが込められた二つの物語。
パク・ミンギュ
〈ヒョン・ジェフン、斎藤真理子=訳〉
『カステラ』
クレイン/定価1,870円(税込)前世はきっとフーリガンだった、ウーウー唸る冷蔵庫。人類の腐敗との闘争に終止符を打った冷蔵庫に、腐りきった世の中を入れてみたら?(表題作)想像の斜め上の裏をかく、小説のトリックスター、パク・ミンギュの日本デビュー作。日本翻訳大賞受賞作。
ファン・ジョンウン〈斎藤真理子=訳〉
『年年歳歳』
河出書房新社/定価2,145円(税込)朝鮮半島の激動の時代を必死に生きたイ・スンイルは、あの頃「順子(スンジャ)」と呼ばれていた。年老いた順子と、異なる時代を生きる2人の娘。それぞれの人生に水面下の思いがある。一族の女性たちの語られなかった言葉を掬い上げた静謐な物語。
パク・ミンギュ〈斎藤真理子=訳〉
『ピンポン』
白水社/定価2,420円(税込)「卓球、する?」 同級生からの暴力に耐える2人の男子中学生。原っぱの卓球台でラリーを交わすとき、少し心が楽になる。順調に見えた2人の卓球生活には、究極の試合が待っていた。世界への痛烈なスマッシュが響く、ハチャメチャで真っ直ぐな青春小説。
ハン・ガン〈斎藤真理子=訳〉
『すべての、白いものたちの』
河出書房新社/定価2,200円(税込)雪が降りしきるワルシャワで、私の前に生まれた、彼女のことを考える――。朝鮮半島から遠く離れたヨーロッパの都市で、交錯する記憶。「まっしろ」ではない、生と死の寂しさをまとった「しろ」が揺れる瞬間を捉えた言葉が紡がれる。
ハン・ガン〈斎藤真理子=訳〉
『ギリシャ語の時間』
晶文社/定価1,980円(税込)言葉を話せなくなった女と、視力を失いつつある男。喪失の記憶を秘めたふたりが、古代ギリシャ語の授業で出会う。女が失われた言語に向き合うのはなぜか。男はなぜ哲学を志したのか。音無き対話の後先に浮かびあがるものを、確かな質感をもって描く。
チョン・セラン〈斎藤真理子=訳〉
『フィフティ・ピープル』
亜紀書房/定価2,420円(税込)ポールダンスにハマる看護師、アドレナリンジャンキーの救急救命医、穴に落ちて怪我をした女性…。生と死が行き交う大病院を舞台に、約50人の「主人公」の物語が響き合う。五十人五十色の人間ドキュメント掌編小説集。初めて韓国文学を読む人にもおすすめ。
チョ・セヒ〈斎藤真理子=訳〉
『こびとが打ち上げた小さなボール』
河出書房新社/定価2,090円(税込)70年代の韓国、低所得者居住地域に住む「こびと」とその家族。立ち退きを要求され、一家の運命は揺れ動く。こびとの子どもたちは沿岸部の工業地帯で働くが、人間性を奪う労働に疲弊していく。蹴散らされた人々の祈りが込められた、韓国屈指のステディ・セラー。
キム・チョヨプ、デュナほか
〈斎藤真理子ほか=訳〉
『最後のライオニ
韓国パンデミックSF小説集』
河出書房新社/定価2,145円(税込)世界が不安に陥った2020年、韓国屈指の作家たちが想像力をはためかせた。ロボットを相棒にした人間同士が繋がる社会。飛沫の拡散を忌避した結果、韓国語が変わる未来。変幻自在なSFのレンズを通して、感染症と人間社会のあり方を描いた6つの物語。
ペ・ミョンフン〈斎藤真理子=訳〉
『タワー』
河出書房新社/定価2,420円(税込)55万人が居住する巨大タワー国家「ビーンスターク」。垂直主義者と水平主義者が対立するタワーの外では、コスモマフィアが目を光らせている。内外の脅威に揺れるタワーのヒーローは、ちょっと頼りないけれど正直な人びとだった。ファンタジックなSF作品。
加藤圭木=監修、
一橋大学社会学部加藤圭木ゼミナール=編
『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』
大月書店/定価1,760円(税込)斎藤真理子さんおすすめの一冊。ゼミで朝鮮近現代史を学ぶ現役大学生たちが、日韓をめぐる「モヤモヤ」について学び、考えたことが本に。「K-Pop好きを批判された」「韓国人留学生が日本で戸惑うこと」など、身近な疑問を通して日韓関係を見つめ直すスタート地点へと連れて行ってくれる。
P r o f i l e
撮影:増永彩子
斎藤 真理子(さいとう・まりこ)
1960年新潟県生まれ。
主な訳書に、パク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳/クレイン)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(晶文社)、チョン・ミョングァン『鯨』(晶文社)、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ファン・ジョンウン『ディディの傘』(亜紀書房)、パク・ソルメ『もう死んでいる十二人の女たちと』(白水社)、ハン・ガン『引き出しに夕方をしまっておいた』(きむ ふなとの共訳/クオン)など。共編著に『韓国文学を旅する60章』(波田野節子・きむふなとの共編著、明石書店)。2015年、『カステラ』で第一回日本翻訳大賞受賞。2020年、『ヒョンナムオッパへ』(チョ・ナムジュ他、白水社)で韓国文学翻訳大賞(韓国文学翻訳院主催)受賞。2022年7月に、翻訳以外の日本語の単著としては初めての『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス)を上梓。
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