わたしの本棚
『読書のいずみ』メンバーの本棚拝見

特集「本が好き! 〜みんなで読書マラソン〜」記事一覧


『読書のいずみ』委員が勇気を振り絞って自室の本棚をご紹介する企画。
2年ぶりに登場です!
 
ホンダナの箱(籠?) 
私の宝箱 
本がない本棚 
段ボールと、 
 

● 母里の巻 ● ホンダナの箱(籠?)

 ホンダナの箱、それは開けてはいけないパンドラの箱。私の家には本棚がない。つまり買った漫画・小説・雑誌もろもろをかたづけておくスペースがありません。もともと転勤族ということで引っ越しのときに棚が邪魔。それだけでなく引っ越し先の仙台で震災にあい唯一本棚からなだれのように中身がでてきた件があってから、うちの家では本棚を増やさないことが暗黙のルール化。
 しかしここ最近になって、ノン本棚体制に不満がでてきたのが私。大学に進学して以来、本を読むことが増えどうしても購買欲をあおられる。だって、良い本は手元に置いときたいもんね、しょうがないしょうがない。とか考えていたら、部屋のあちこちに本の塔がずんずん建設されている。うちの母が本タワーを掃除機で壊し、私がすぐにそれを直すことが日常になり、しばらくしてついに写真のかたちになりました。すぐに取り出したいものは籠、もうしばらく読まないかなってものは布の箱の中。どうしても二つとも撮りたくて並べてみましたが、ちょっとわかりづらいですね。籠の中には筆記用具・独和辞典・本もろもろ……。ブックカバーコレクションも横並べにしてみました。次にお隣の箱ですが、開けたら漫画だらけですね。あ、これ懐かしい、とか思って気がついたら昔のものを時間を忘れて読んでる。ひとたび開ければ抜け出せない、これが私の本棚です。
 
 さて、上の写真は私の本棚クイズです!籠の本の名前&著者をあててください。題名がアルファベットのものだけは特別にすべて見えるように写してあります。問題にしているのは全部で10冊。日記は違いますよ。中身を想像しないでくださいね、恥ずかしい。それはおいといて、本の名前が全部見えてしまっているものもあれば、ほぼノーヒントのものもあり。あなたはそらで何冊当てられますか?
(母里真奈美)


 

● 頼本の巻 ● 私の宝箱

 自分の本棚を見せるのって、すごく照れますね。私は誰かの部屋へ行くと必ず本棚を見ます。この人はどんな本を読むのだろう、どんな作家が好きなんだろう……。本棚を見ると相手の知らない奥の奥の部分も知ることが出来るような気がして、気づいたら本棚の前でじっとしています。あれ、これって変態というやつ?
 さてさて本棚についてですね。清潔感を漂わせた白いボディが魅力の棚です。手前の棚はスライド式です。ただ本が収まらずスライドさせる空間を本で埋めてしまったため、いちいち本をのけなくてはならないのが面倒です。
 
 改めて本棚を見ると、大好きな作家さんでいっぱいだなぁと思います。瀬尾まいこさん、梨木香歩さん、吉田篤弘さん、高山なおみさん。好きな人の本を集めるのが大好きなようです。高山さんの『日々ごはん』は毎日のことを感性豊かに綴ったエッセイです。これを読みだすと止まらない。誰かの日常がこんなにも細かく書かれていて、こういう人生があるんだーと面白くなります。あと毎日の食事の事とか書かれているので、読んでいると本気でお腹が空いてきます。高山さんご本人に会う機会がありました。1度目は神戸、2度目は高知でした。力強い握手と可愛いサインをくれました。優しいお母さんのような温かさと少女のようなあどけなさを持ち合わせた方で、握手をもらったときは2回ともじわっと熱いものがこみあげてきました。
 サインをもらった本だけではなく、この本棚に収まる本達は色んな場所からやってきてくれました。尾道を旅した時、松山の古本屋さんにふらりと寄った時、アルバイト先の本屋で……。全部の本に買ったときの記憶や特別な感情があるわけではないのだけれど、全ての本が愛おしいんです。私の元へ来てくれて、ありがとう。これからもよろしくお願いします。
 
(頼本奈波)
 

 

● 田中の巻 ● 本がない本棚

 多少整理してもいいと編集部のOさんもおっしゃっていたし、原稿を書く前には少しだけ本棚を綺麗にしよう! そう決めていたのにもかかわらず締め切り前日に発熱。そして今日(締め切り日)。ということで、本当にありの〜♪ままの〜♪全て見せるのよ〜♪ということになりました。
 自分でも驚くぐらい本がないことが判明。唯一ある本棚は、いわゆる参考書入れと化しましたとさ。参考書ではない本は本棚ではない寮の備え付けの引き出しの至るところに入っています。それでも入りきらないので棚は二列にし、後ろの列にも並んでいます。下の段はもはや積んでいるだけの状態になっています。
 なぜこんなに本が少ないのか、原因は二つ。一つ目は私の本棚は実家と寮の支店編成だからです。最小限の荷物で引っ越したのでこうなりました。漫画に至っては妹と共有して読んでいたので寮に持ってこれたのは二冊。セリフを覚えるほど読みました(笑)。
 
 二つ目は図書館で借りて読んでしまい手元に残らないということ。最近これのせいで読んだ本の内容をすぐ忘れてしまうのではないかと思い始めました……。
 少ない本たちですが、サークルや『izumi』を通してお会いした作家さんのサイン本があることが私の本棚勢の魅力。一冊一冊が宝ものです。
 家うちの子に関しては基本的にブックカバーをかけたまま並んでいることが特徴として挙げられます。本人もどのカバーがどの本か全く覚えていないので、いちいち開いて中身を確かめます。目的の本を探すうちに気がついたら目的以外の本を読み返していたり、ということも。でもこれはこれで私の本の醍醐味(そう言って正当化する)。要するに私の本棚は少数精鋭です。 忘れられた子や積まれている子はいません!!
 
(田中美里)
 

 

● 杉田の巻 ● 段ボールと、

 「 う゛ぁぁあ゛あ゛……」
 新学期号恒例「本棚公開」の原稿依頼を受け取って、唸り声を盛大に漏らした。本棚を見るのは好きだ。自分の本棚を眺めていると満たされた気持ちになれるし、人の家に行けばついついチェックしてしまう。
 だが。だが、である。『満たされた気持ちって、もう四年も本棚無しの生活をしてるくせに?』
 内なるツッコミに頭を抱える。当方、この春から博士課程一年生。実家を出て早五年、このアパートには本棚がないのである!
 ……なんて力強く言えることではないのは重々承知の上だが、言い訳をさせてほしい。このアパートは実家を出て、寮を経て、それから越してきた。院への進学で二年追加になったとはいえ、越してきた当時から今まで「仮住まい」の意識は抜けていない。
 正直に言おう。そんな仮住まいに本棚は置きたくなかった! いつか絶対に引っ越すのに荷物を増やしたくない!! 高校生の自分が聞いたら白眼視間違いなしだけれど、何のための家電付き物件か考えてほしい。
 
 とはいえ、本がないわけではない。ざっと段ボール三箱分。それが我が家の蔵書であり、本棚(棚……?)でもある。分類は特にしていないけれど、短歌関連だけは専用箱に。他は隙間ができないように詰めてある。唯一の本棚は旧食品置き場。今では教科書・借りた本・次に読みたい本が並んでいる。あと段ボールからはみ出した分も。
 高校生の頃、友達の家に本棚がないと聞くと驚いた。だってうち、家族用と個人用で10近く本棚あるよ? でもいまここで振り返れば、あの時の自分が驚愕していた暮らしそのものなのだ。え、本棚、ないの?
 原稿依頼のメールから顔をあげて、四畳半少々の部屋を見回して決める。いつか、いつか、終の棲家に引っ越した時には、本棚と言わず書斎を手に入れるのだーー!
 
(杉田佳凜)
 
 


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