本を読んで「自分も何かに挑戦してみよう!」と思ったことはありませんか。……今回は、『読書のいずみ』のメンバーたちのチャレンジのきっかけとなった「はじまりの本」を集めました。あなたの学生生活に新たな風を吹き込んでくれる一冊に出合えるかも!
菊地夏野
『日本のポストフェミニズム』
大月書店/定価2,640円(税込)購入はこちら > フェミニズムを勉強するようになった本です。フェミニズムをよく知らない。なんとなく怖い。初学者向けの分かりやすい文章なので、そんなイメージを持っている当時の自分のような人に読んでもらいたいです。
(名古屋大学法科大学院 光野康平)
立花隆、利根川進
『精神と物質』
文春文庫/定価726円(税込)購入はこちら > 「多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明」により、ノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進氏へのインタビュー本。偉業の背景、生物学の歴史、研究の奥深さと厳しさなど、多くの学びを得られる一冊。
(千葉大学 高津咲希)
温又柔
『魯肉飯のさえずり』
中公文庫/定価946円(税込)購入はこちら > 3回生の夏に読んで、台湾の歴史についてレポートを書こう、と思うきっかけに。台湾と日本の間で生きる主人公と、いつのまにか一緒に「普通」に直面する息苦しさや、自分のよりどころに出会ったときの温かさを感じられます。
(京都大学 齊藤ゆずか)
田中孝幸
『13歳からの地政学』
東洋経済新報社/定価1,650円(税込)購入はこちら > 中国が南シナ海を必要とする理由を説明できますか? 一度は聞いたことのある、このようなテーマを物語形式で楽しく読めます。この本をきっかけに、大学院でラテンアメリカ政治に関する授業を受講しました。
(電気通信大学大学院 木村壮一)
フランソワーズ・サガン〈河野万里子=訳〉
『悲しみよこんにちは』
新潮文庫/定価649円(税込)購入はこちら > 河野万里子さんが訳した文章がとても綺麗で、「原文で読んでみたい!」と思ったことが第2外国語としてフランス語を選択することになったきっかけです。ストーリーも面白く、読むたびに新しい魅力を感じられると思います。
(大阪府立大学 田中詩乃)
太宰治
『人生ノート』
光文社知恵の森文庫/定価628円(税込)購入はこちら > 「三田の学生諸君」と始まる太宰の忠告に背筋が伸びた。学生の特権は、世間の物事から離れて自由な憧れを抱けること。貪欲に学び、自分の興味を追究する「心の王者」になりたいと感じた、三田の教室でのあのひと時を思い出す。
(慶應義塾大学 手賀梨々子)
成田美名子
『花よりも花の如く 1〜22』
白泉社 花とゆめコミックス/
定価440〜528円(税込)購入はこちら >「能」に興味がある人は勿論、ない人にもぜひ一度頁を捲ってみてほしい作品です。「能」って難しそうというあなたも、1頁目できっと引き込まれるはず。絵のパワーが凄いんです。日本画の展覧会。主人公の能楽師・憲ちゃんの純粋な語りも楽しく能の世界へ誘ってくれます。「天人や幽霊鬼や神様が闊歩する三間四方の大宇宙」へようこそ!
(京都大学大学院 徳岡柚月)
穂村弘
『短歌の友人』
河出文庫/定価814円(税込)購入はこちら > 高校生のときに読んで、大学で短歌サークルに入ると決めました。穂村さんの他のエッセイや歌の紹介よりは「おかため」の歌論ですが、短歌のことを全く知らなかったわたしが一気読みしてしまったほど面白いです。
(京都大学 齊藤ゆずか)
リー・ギャラガー〈関美和=訳〉
『Airbnb Story』
日経BP/定価1,980円(税込)購入はこちら > 失敗したっていい。知識がなくたっていい。その場その場でごかましながらでもいい!ボロアパートからたった数年でAirbnbを世界的企業に成長させた創業物語。抱腹絶倒のビジネス書で、チャレンジへの勇気を与えてくれた。
(千葉大学 古本拓輝)
朝井リョウ
『時をかけるゆとり』
文春文庫/定価726円(税込)購入はこちら > 大学生の日常生活があまりにもおもしろく書かれており、元気をもらうと同時に「羨ましい!」「私も早稲田生をやり切りたい!」という思いがふつふつわいてきた。このエッセイからもらった衝動に背中を押されて早稲田文化を広める学生団体に入った。あと一年、やり切って卒業したい。
(早稲田大学 力武麗子)
藤子・F・不二雄=漫画
『おとなになるのび太たちへ』
小学館/定価1,540円(税込)購入はこちら > 「人に話して仲間をつくる」ことが夢への第一歩だ。羞恥心で周りと話せなかった1年間を経て、大学4年生の私はついに雑草サークルを設立し、現在は念願の雑草図鑑を作製している。夢をもつすべての人を応援してくれる本。
(信州大学 山崎ひかり)
柴山元彦
『ひとりで探せる
川原や海辺のきれいな石の図鑑』
創元社/定価1,650円(税込)購入はこちら > 写真や地図が豊富にあるので、眺めるだけでも楽しい気持ちになれる。文章も読みやすく、フリガナつきなので写真を眺めるつもりがつい読み始めてしまう。この本を見たら、自分で石を探しに出かけたくなること間違いなし。
(金沢大学 永井七実)
視覚デザイン研究所
『巨匠に教わる絵画の見かた』
視覚デザイン研究所/定価2,035円(税込)購入はこちら > 絵画の鑑賞ポイントを初心者にも分かりやすく解説している一冊。イタリア・ルネサンス〜20世紀美術の各時代の特徴や巨匠たちのコメントなどが興味深い。美術館に行って実際に作品を観たくなること間違いなし!?
(千葉大学 高津咲希)
穂村弘
『短歌ください
明日でイエスは2010才篇』
角川文庫/定価748円(税込)購入はこちら > 一般の方から募った短歌を講評していくスタイルの短歌集。この本を読んで、「短歌ってこんなに自由に詠んでいいんだ!」と思うことができ、自分でもつくってみようと一歩踏み出すきっかけに。今ではSNSで作品を投稿するほど短歌を楽しめるようになった。
(早稲田大学 力武麗子)
ロビン・ウィリアムズ〈吉川典秀=訳〉
『ノンデザイナーズ・デザインブック』
マイナビ出版/定価2,398円(税込)購入はこちら > 授業で発表するスライドの作成時、文字フォントや配色、画像の配置を決めるために何度も助けられた一冊。専門知識がなくても分かりやすく、デザインの基本を楽しんで学べた。学生団体のチラシ作りを率先して担当するきっかけになった。
(信州大学 小古井遥香)
米原万里
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
角川文庫/定価616円(税込)購入はこちら > 少女時代をプラハで過ごした通訳者が、冷戦終結を経てかつての級友たちを訪ねるノンフィクション。語学を学んだ先にはこんなに豊かな世界が広がっているのか、と大学で色々な外国語に触れるきっかけになった一冊でした。
(千葉大学 三好一葉)
村上春樹
『走ることについて語るときに
僕の語ること』
文春文庫/定価737円(税込)購入はこちら > ランニングという、徹底的に自分を追い込む営為を通じて、自らの内面への解像度を高めてきた著者が贈るエッセイ集。この本をきっかけにランニングを始めた。走り続けるしんどさを通じて、自分の限界を見つめる奥深さを身をもって知りつつある。そんなささいなことだけど日常的な挑戦を続けたい。
(北海道大学 熊野有紗)
麻宮ゆり子
『敬語で旅する四人の男』
光文社文庫/定価836円(税込)購入はこちら > 事件が起きるわけでもないし、個性的な登場人物がいるわけでもない。敬語を使い合う関係性の四人の男が淡々と旅をする姿が心地よくて、「人と旅行するからには相手に楽しいって思われなければ!」と意気込んでしまう気持ちが少し軽くなりました。
(名古屋大学法科大学院 光野康平)
米澤穂信
『遠まわりする雛』
角川文庫/定価692円(税込)購入はこちら > 本書は「古典部シリーズ(今青春の只中に居る貴方はぜひ読んでほしい、いつ開いても“今”に帰ることのできるタイムマシンになるから)」の短編集。この中の「あきましておめでとう」で摩耶花ちゃんが巫女さんのアルバイトをしていて、「神社のお家じゃなくても巫女さんできるんだ!」と知り、今巫女としてご奉仕しています。
(京都大学大学院 徳岡柚月)
越谷オサム
『いとみち』
新潮文庫/定価737円(税込)購入はこちら > 人見知りとネガティブ思考の僕が接客業を楽しめるようになったきっかけ。恥ずかしがり屋な主人公が気の迷いからメイド喫茶でバイトを始めてしまって……。彼女の心の成長に負けてられないぞ、と発破をかけられた。
(千葉大学 古本拓輝)
山口裕子
『キティの涙』
集英社/定価1,257円(税込)購入はこちら > ハローキティの3代目デザイナーである山口裕子さんの半生及びキティと歩んできた道のりを記した本です。人生に無駄なことなんてない、とにかく挑戦してみようという姿勢に勇気づけられました。
(大阪府立大学 田中詩乃)
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加藤周一
『羊の歌』
岩波新書/定価1,100円(税込)購入はこちら > 私の一番のお気に入りの本。医学部出身でありながら文学に造詣の深い著者の足跡を辿りたく、渋谷の宮益坂、常盤松小学校を訪れた。静かな神社や整備された通学路。現代的な渋谷の街がまた違った表情を見せてくれた。
(名古屋大学 後藤万由子)
特集「読書でひろがるキャンパスライフ」記事一覧