2023年のマイベスト
『読書のいずみ』委員&読者スタッフの読者Survey

特集「読書でひろがるキャンパスライフ」記事一覧

 
本を愛する『読書のいずみ』メンバーたちの、本にまつわる実態調査。

調査項目

  • A…2023年に読んだ本ベスト3
  • B…2023年に読んだ本の冊数
  • C…わたしの推し作家(敬称略)
  • D…2024年にチャレンジしてみたいこと
 
  • 千葉大学 高津咲希/いずみ委員

    A
    ①三浦しをん
    『愛なき世界 上・下』
    (中公文庫) 購入はこちら >ユニークで愛らしい登場人物たちのやり取りにほっこりしたり、心の中でツッコミをいれたり……。彼らが自分の「好き」と真摯に向き合う姿がとてもかっこよく、思わず応援したくなる。愛にあふれた素敵な物語。

    ②ミシェル・オバマ〈山田 文=訳〉
    『心に、光を。 不確実な時代を生き抜く』
    (KADOKAWA) 購入はこちら >印象に残った個所に付箋を貼っていたら優に40枚を超えてしまった。自分にやさしく一日を始める。様々な出会いを大切に、自分の頭で考え、自分を貫く。ミシェル・オバマさんの前向きな姿勢に勇気づけられた。

    ③阿津川 辰海・斜線堂 有紀
    『あなたへの挑戦状』
    (講談社)購入はこちら >「本編を読んでから開封してください」と書かれた封筒と物語の展開が気になって夢中で読み進めた。そして「あなたへの挑戦状」の真相とその創作秘話が明かされたとき、思わず「えーー!」と声を上げてしまった。

    B 43冊/ C 原田マハ/ D
     
     

  • 京都大学 齊藤ゆずか/いずみ委員

    A
    ①津村記久子
    『君は永遠にそいつらより若い』
    (ちくま文庫)購入はこちら > 京都の大学生・ホリガイさんの目に映る日常を明暗織り交ぜて描いた作品。明るく飄々として見えるが内に色々なものを抱え、芯の強さをもって行動するホリガイさんに、どんどん惹きつけられてしまいます。

    ②千早茜
    『さんかく』
    (祥伝社文庫) 購入はこちら > 正和と、彼と「食べること」でつながった夕香と、研究に夢中な正和の彼女・華。食べ物の描写は、作者のもつことばの感性に息をのむほど素敵です。名前のつけられない関係を経て、前に進もうとする3人の姿も読後感を爽やかにします。

    ③川上未映子
    『すべて真夜中の恋人たち』
    (講談社文庫)購入はこちら > 美しく切ない物語。澄み切った夜の描写も、不器用に生きる冬子と三束さんの穏やかな関係も、「ずっと続くもの」に縋りたくなってしまうわたしたちの向こう側で、温かい光を放ってくれているように感じました。

    B 53冊/ C 穂村弘/ D 読書日記をつける。
     

  • 千葉大学 古本拓輝/いずみ委員

    A
    ①駄犬〈toi8=イラスト〉
    『誰が勇者を殺したか』
    (角川スニーカー文庫)購入はこちら > これに触れずしてライトノベル史を語ることはできなくなるだろう。魔王討伐の帰途に勇者は死んだ、仲間は無傷ながら……。彼の死に口をつむぐ一行を取材する王女は真実を知る。勇者を伝聞によって立体化させていくヒューマンドラマ。

    ②千葉雅也
    『現代思想入門』
    (講談社現代新書)購入はこちら > 難解な現代思想の入門書。構造主義の父ソシュールから、脱構築批評ジャック・デリダまでをユーモアあふれる筆致で解説する。現代思想の作り方、読み方を提案する新しい試みも読者を飽きさせない。

    ③大谷弘
    『道徳的に考えるとはどういうことか』
    (ちくま新書)購入はこちら > なぜキング牧師の非法は許されて、米軍基地への座り込み抗議は批判されるのだろうか。答えのない時代に生きる我々の軸を見つける冒険の書だ。門外漢にも優しい超絶平易な文章で倫理的思考をインストールできる。

    B 300冊/ C 多崎礼/ D 新NISA
     
     

  • 名古屋大学法科大学院 光野康平/いずみ委員

    A
    ①エマ・ブラウン〈山岡希美=訳〉
    『男子という闇』
    (明石書店) 購入はこちら > 息子が性暴力の被害者にも、加害者にもなってほしくないという動機から男子の性加害・被害実態を調査したワシントン・ポスト記者による一冊。紹介される「少年同士による『遊び』と称した性加害・被害」の多くが自分も経験したことのあるものだった。

    ②アミア・スリニヴァサン〈山田 文=訳〉
    『セックスする権利』
    (勁草書房)購入はこちら >タイトルが過激なので迷いましたが、すごく面白かったので入れました。ロミオとジュリエット問題、インセル男性、セックスワーカー等々のフェミニズムのなかでも論争が絶えない分野を真っ向から論じていて、読み応えがありました。

    ③村田沙耶香
    『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
    (角川文庫)購入はこちら > 初恋の相手を監禁するといった話など序盤から不穏さが伝わる全4篇。「こっから何が起きるんだ」とドキドキしながら読み、最後には「やっぱ村田沙耶香さんの作品は怖いな」と思い知る。それを4回繰り返しました。

    B 20冊/ C 朝井リョウ/ D 小説を読むことが減っているので沢山小説を読みたいです。
     
     

  • 京都大学大学院 徳岡柚月/いずみ委員

    A
    ①村岡俊也
    『穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って』
    (新潮社)購入はこちら > 偶然本屋さんで出会い、周囲から遮断されるほど引き込まれた絵。でもなぜそれほど惹かれるのか分からず、理由を知るためその画家を追いかけることにしました。そこで出会ったのがこの本です。私の今の年齢で亡くなった彼の生き様を知ることで様々な感情の渦に呑まれました。でも、決して濁りのない瑞々しい渦でした。まだ今もその中にいます。

    ②小山宙哉
    『宇宙兄弟』
    (講談社 モーニングコミックス)購入はこちら > 最終章突入ということで23巻まで読み返しました。何度読んでも面白い! どの人も一生懸命で、それぞれの熱さを持っていて、本当に皆が素敵です。夢を現実にするために、いつでも険しくも楽しい道を選んで生きていきたいです。

    ③アンドレ・ジッド〈今日出海=訳〉
    『地の糧』
    (新潮文庫)購入はこちら >とても美しい本でした。土の匂いがして、日の光が注ぐ、茶色味のある黄色の世界に入り込みました。ミレーの絵のよう。あるいは聖書のよう。ここまで五感で没入できる本は私にとって珍しく、放心状態で読んでいました。

    B 273冊/ C 中原中也/ D 油絵を描く、フィンランドに行く、路上ライブをする。
     
     

  • 名古屋大学 後藤万由子/読者スタッフ

    A
    ①加藤周一
    『羊の歌』
    (岩波新書)購入はこちら > 昨年と同じ作品になるが、これが私の圧倒的一位。昨年はこれを片手に生まれて初めて聖地巡礼した。御嶽神社や渋谷金王神社、「さくら横ちょう」の石碑。現代的な渋谷の地に当時の面影を見てタイムスリップした気分になった。

    ②井上荒野
    『キャベツ炒めに捧ぐ』
    (ハルキ文庫)購入はこちら > ふと国語の文章題にあったのを思い出し、無性に読みたくなり買った本。三人の女性の何気ない日常を切り取った物語だが、わだかまりや諦めなど、心にちくりと刺すものがあった。しかし、最後にあたたかみを残す、何度も読みたくなるものだった。

    ③冬虫カイコ
    『回顧 冬虫カイコ作品集』
    (ジーオーティー MeDu COMICS)
    女の子は地元に残って、親を安心させて―― それはそれで一つの幸せの形だろう。しかし、そんな故郷に息苦しさを感じるのは悪だろうか。地元に残ることになった従兄弟と主人公とのすれ違いなど、セリフが少ない分心情を想像させられた。

    B 25冊/ C 井上荒野/ D 吉野ヶ里遺跡に行く。
     
     

  • 千葉大学 三好一葉/読者スタッフ

    A
    ①岸政彦
    『はじめての沖縄』
    (新曜社)購入はこちら > 沖縄の問題を図式に落とし込むことなく、その複雑さを正面から見つめ、悩もうとする誠実な思索に背筋が伸びた。社会の複雑さの前に立ち尽くす度に、いつまでも私の指針になってくれる一冊だと思う。

    ②平野啓一郎
    『私とは何か―― 「個人」から「分人」へ』
    (講談社現代新書) 購入はこちら > 「私」の自己矛盾と一貫性のなさを、それでもいいのかもしれない、と許せるきっかけになった評論。他者との関係性を大切にすることが、何よりも自分を肯定することにつながるのだと気づかされた読書体験でもあった。

    ③柴田翔
    『されどわれらが日々――
    (文春文庫)購入はこちら > 学生運動に挫折した後の若者たちを描いた青春群像劇。所詮現実は現実だ、と割り切れるのが「大人」なのだとしても私は、本当にこれでいいのだろうか、と不器用なほど切実に自らの人生を問おうとする、彼ら彼女らの生き方が好きだ。

    B 112冊/ C 井戸川射子/ D 自炊を楽しむこと(一人暮らしを始めるので!)
     
     

  • 信州大学大学院 山崎ひかり/読者スタッフ

    A
    ①小川哲
    『君のクイズ』
    (朝日新聞出版) 購入はこちら > 一度開くと読むのをやめられなかった。競技クイズは知らない分野だったが、主人公の考察を通してクイズの奥深さを知った。同時に「人を知ることは自分と向き合うことでもある」とメッセージをもらったと感じる。

    ②俵万智
    『サラダ記念日』
    (河出文庫) 購入はこちら > 短歌の面白さを知るきっかけになった。三十一文字で情景が生まれ、それが集まることで物語ができる。どうして今まで触れてこなかったのだろう!?と後悔するほど面白かった。読んだ後は、どこか楽しい気分になれる一冊。

    ③伊藤亜紗
    『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
    (光文社新書)購入はこちら > 目の見えない人達は、手足の感覚や人の言葉を通して、それぞれ世界が「見えている」。そして、目の見える人に見えないことが、見えない人には見えることもある。世界の見方について、初めて気づかされたことが多かった。

    B 20冊/ C 上橋菜穂子/ D サークルでの雑草図鑑の作製&改訂。
     
     

  • 慶應義塾大学 手賀梨々子/読者スタッフ

    A
    ①浅田次郎
    『壬生義士伝 上・下』
    (文藝春秋)購入はこちら > オーラル・ヒストリーで浮かび上がる吉村貫一郎の一生涯。時代の気運に流されず、人の踏むべき正しい道としての「義」を貫いた男の生き様は、時代を超えて、私にも「まっすぐに生き抜きたい」と思わせる。ラストがたまらない。

    ②小川哲
    『地図と拳』
    (集英社)購入はこちら > 戦時中、そこにいた一人一人が将来をどう見つめていたのか。今を生きる私たちとは一見かけ離れている人たちにも、それぞれの物語があったのだとわかる。じっくり読み進める中でタイトルの意味が見出せる感触も印象的だった。

    ③村上春樹
    『街とその不確かな壁』
    (新潮社) 購入はこちら > 読後、誰かと感想を語り合いたくなる。私はこの本を読みながら『ピーター・パン』や小川洋子さんの『ことり』との繋がりを感じた。たとえどの世界にいても、そこでの人との出会いは自分の人生にとって必ず意味あることだと思えた。 

    B 81冊/ C 吉本ばなな/ D 歌舞伎を観に行きたい。
     
     

  • 信州大学 小古井遥香/読者スタッフ

    A
    ①夏川草介
    『本を守ろうとする猫の話』
    (小学館文庫)購入はこちら > 自分自身がなぜ読書をするのか、考えさせられた一冊。時間がないと聞く社会人になっても、小説が好きだという気持ちを大切にしたいと思えた。主人公の夏木と登場人物のやりとりもあたたかな気持ちになれた。 

    ②ガイ・ドイッチャー〈椋田直子=訳〉
    『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』
    (ハヤカワ文庫)購入はこちら > この本を読んで、言語が私たちの認識をそのまま反映していると考えることの危うさを知った。緑や青を分ける語彙がない言語の使い手でも、2色の違いは認識している。違いを表現するための、日本語にない比喩もありそうだとわくわくした。

    ③小川洋子
    『不時着する流星たち』
    (角川文庫) 購入はこちら > 実際の人物や出来事がモチーフの短編集。短編それぞれの登場人物の奇怪ともいえる言動は、モチーフの人物や出来事の周りで起きていたり、影響を与え合っていたりする。非日常的な一方で現実味を感じ、常識の不確かさを認識できた。

    B 15冊/ C 町田そのこ/ D 住んでいる街の歴史に詳しくなること。
     
     

  • 大阪府立大学 田中詩乃/読者スタッフ

    A
    ①山本文緒
    『そして私は一人になった』
    (角川文庫) 購入はこちら > 日記の形を取ったエッセイで、著者が何を考えて30代前半の1年を過ごしたのかが手に取るようにわかります。日常を過ごしていると自分の人生が面白みもなく、無意味なものに思えてきますが、1年を通して見ると意味のあるものなのだなと考えるさせられました。

    ②益田ミリ
    『ちょっとそこまで旅してみよう』
    (幻冬舎文庫)購入はこちら > 初めて夜行バスに乗った際に旅のお供として持っていったので印象に残っています。旅行エッセイに定評のある著者の作品。どのエピソードもハズレはありません。1つのエピソードが10ページほどでまとめられていて、気になったところから読めるところも好きです。

    ③角田光代
    『太陽と毒ぐも』
    (文春文庫) 購入はこちら > 生活リズムや価値観のちょっとした違和感が人をどれだけ追い詰めるか、が軽快に描かれた作品で印象に残りました。私自身占いや予言を少し信じてしまうところがあるので、迷信を信じすぎている彼女の話が特に面白く感じました。

    B 20冊/ C 益田ミリ/ D 法律を勉強する。社会人になるにあたって、生活に必要な法律の知識を身につけておきたいです。
     
     

  • 早稲田大学 力武麗子/読者スタッフ

    A
    ①恩田陸
    『蜜蜂と遠雷 上・下』
    (幻冬舎文庫) 購入はこちら >世界を広げてくれるような一冊だった。ずっと気になっていて友人のおすすめもあり読破したら、番外編もすぐ読みたくなるほどのめり込める作品だった。実際に国際コンクールを聴きに行きたい、関連する詩集を読みたいと思い立つほど気持ちを揺さぶられた。

    ②西加奈子
    『i』
    (ポプラ文庫)購入はこちら > 目をそらしている自分の感情に出会う一冊だと感じた。重く答えのない問題について考えさせられる作品だったが、同時に自分はここにいていいんだと素直に思えるあたたかさに包まれるような物語でもあった。

    ③原田マハ
    『〈あの絵〉のまえで』
    (幻冬舎文庫) 購入はこちら > 「絵に会いに行く」という作者の絵に対する気持ちがふんだんに書かれた作品だと思った。絵に会いに行くことで感情がほどけ再生していく人たちの姿を見て、浮かない気分の時こそ絵と向き合ってエネルギーを満たしていきたいと思った。 

    B 40冊/ C 原田マハ/ D 気球に乗る。
     
     

  • 北海道大学 熊野有紗/読者スタッフ

    A
    ①伊藤比呂美=編者
    『石垣りん詩集』
    (岩波文庫) 購入はこちら > 自分にとっての原点回帰という意味で1位にした。社会や世界の中で「自明」として切り捨てられるものたちを、これほどまでに実感をもった言葉でストレートに読者の心に刻みつけてくるから、石垣りんさんの詩は長く愛されているんだろうと思う。中学生時代に読んだ時の、素のままの自分の想いをそのまま感じた。

    ②大崎善生
    『聖の青春』
    (角川文庫)購入はこちら > 夭折したプロ棋士、村山聖(さとし)九段の人生の軌跡を辿るノンフィクション。全身全霊を懸けて将棋を極め、29年の生涯を走り抜けた村山さんの濃い生き様に触れられる。本書の中で私にも馴染み深い地名もあり「あの駅の界隈でこんなに全力で生きた人がいたんだなあ」と思うと、感慨深さと切なさが同時にこみ上げた。

    ③川野芽生
    『Lilith』
    (書肆侃侃房)購入はこちら > 歌人の水原紫苑さんの著書からこの歌集の存在を知り、気づけば買い求めていた。並々ならぬ才能を感じさせる美麗な作品群、静かな激情を湛えたあとがき、そして薄青色の凛とした装丁に至るまで、高い美意識や創作者としての矜持が詰め込まれた歌集だとしみじみと思う。

    B 40冊/ C 上橋菜穂子/ D 出不精だからこそ、多くの場所を旅行で巡ること。
     
     

  • 新潟大学 古沼花月/読者スタッフ

    A
    ①青崎有吾
    『地雷グリコ』
    (KADOKAWA)購入はこちら > ドキドキすることを「脳汁が出る」と近年いわれることがありますが、この本はまさにそれが体験できます。特に表題作である「地雷グリコ」は登場人物の魅力もさることながら、相手の思考を読み合い本気で戦う二人の姿にしびれます。

    ②宮部みゆき
    『魂手形』
    (角川文庫) 購入はこちら > 「三島屋変調百物語」シリーズの七巻目。ぞくっとする因習の「火焔太鼓」も最高ですが、「魂手形」もおすすめです。ほっこり優しくて、哀しくて、その物語を楽しそうに語る語り手の様子も含め魅力的です。

    ③藤子・F・不二雄
    『SF・異色短編 1(藤子・F・不二雄大全集)』
    (小学館) 購入はこちら > 大人向け短編漫画集です。「藤子・F・不二雄が大人向けぇ?」というような考えを抱いたそこのあなた! シニカルでダークな世界をぜひ体験してください。おすすめは「気楽に殺ろうよ」「定年退食」「箱舟はいっぱい」です。

    B 20冊/ C 谷崎潤一郎/ D 一人で関西に旅行に行きたいです。
     
     

  • 電気通信大学大学院 木村壮一/読者スタッフ

    A
    ①永井紗耶子
    『木挽町のあだ討ち』
    (新潮社)購入はこちら > 自分が物語の主人公になれる、珍しいタイプの小説でした。菊之助がなぜ「あだ」討ちをしたのかが、芝居小屋の人達から徐々に分かってきます。最後に仇討ちが「あだ」討ちである理由が分かると、感動します。

    ②アガサ・クリスティー〈青木久惠=訳〉
    『そして誰もいなくなった』
    (ハヤカワ文庫) 購入はこちら > 兵隊島に集められた10人が、童話に従って1人ずつ殺されていくストーリーが印象的。時間が経つにつれ、登場人物同士が疑心暗鬼になっていく描写も、忘れられません。

    ③関野和寛
    『きれい事じゃないんだ、聖書の言葉は』
    (バジリコ) 購入はこちら > キリストをダメオヤジと表現しており、思わず笑ってしまった。しかも、著者は牧師さんなのです! 自身の体験談からイエスの言葉を解説しており、悩みの多い学生生活に笑いと救いを与えてくれます。

    B 30冊/ C 永井紗耶子/ D 今年は就職活動が本格化する年です。自分が目指す企業に入れるよう、準備します! あとは、昨年以上に読書をして、心健やかにします。
     

  • 東京工業大学 中川倫太郎/いずみ委員

    A
    ①マイケル・フレイン〈訳=小田島恒志〉
    『マイケル・フレイン 1』
    (ハヤカワ演劇文庫)購入はこちら > 量子力学の基本原理のひとつである「不確定性原理」をメタファーに、過去に起こった実際の出来事と各々の記憶の曖昧さが三つ編みのごとくもつれて絡み合う。いままで読んできた中でいちばん凄まじい戯曲だった。

    ②ピエール・バイヤール〈大浦康介=訳〉
    『読んでいない本について堂々と語る方法』
    (ちくま学芸文庫)購入はこちら > ぼく自身読書量があまり多いほうではないから、そのことを引け目に感じていたが、たしかに、この世のすべてを読み通す時間なんて到底ありっこない。もちろん反語だとは思うけど、すくなくともぼくは励まされた。

    ③高橋源一郎
    『ジョン・レノン対火星人』
    (講談社文芸文庫) 購入はこちら > 意味がわからなかった。ほんとうに。ぜんぜん。でも、この小説が魂の叫びであることはわかった。古傷と分裂の今際の際の痛々しさ。いつか演劇にして上演したい。そのときは高橋源一郎さんよろしくお願いします。

    B 40冊/ C 開高健/ D うまいコーヒーを淹れたい。
     

 
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