受験勉強の時間は目安、身になる勉強法とためになる参考書に出会うこと!

小川さん(司会):
進路選択の質問が多かったので、今度は受験勉強の具体的なところについて聞いていきたいと思います。1日何時間勉強をしていたか、どのような1日の生活を送っていたのか、勉強で工夫した点や、役に立った参考書などもあれば教えてください。

中山さん:
僕が通っていた高校はちょっと特殊で、高校3年生の11月までは文化祭があったので、本格的に受験勉強に集中するようになったのはその後になります。文化祭が終わった後は、1日11時間ぐらい勉強していました。僕は家だと休んでしまう性格だったので、塾の自習室や学校の図書館に行っていました。高校の授業が少なくなっても、1限の時間には必ず学校か予備校に行って、勉強して夜8時ぐらいに帰るという生活をしていました。1週間単位で勉強のスケジュールを立てて、たとえば今週は「数学はこの分野をやり切ろう」という目標を立てるなどしていました。ただ、思ったより進まなかったとか、思ったより身になっていないなとか、必ず出てきますよね。なので、うまくいったことも、うまくいかなかったことも必ず、週の最後に振り返って、次の週に生かすことをしていました。やはり時間は限られてくるので、計画を立てたり、自分の習得具合を振り返ったりすることはとても大事だと思います。おすすめの参考書は、数学の『標準問題精講』。僕は理系ですが昔は数学が得意ではなかったので、網羅的な問題集が欲しいと思って辿り着いたのが『標準問題精講』でした。これは何周も解いていましたね。化学は『重要問題集』を何度も解きました。英語の単語帳としては、はじめは『ターゲット』を使っていて、ひと通りやって『鉄壁』に移りました。ただ最近では『鉄壁』を1冊やるのが、東大受験生の間ではスタンダードのようですね。

ためになった参考書

数学

標準問題精講
『数学I・A標準問題精講
三訂版』

単行本

化学

2022 実戦
『化学重要問題集
化学基礎・化学』

単行本

英語

『英単語ターゲット1900』
6訂版(大学JUKEN新書)
単行本

『鉄緑会
東大英単語熟語 鉄壁』

単行本

小川さん(司会):
今の話を聞いて、けっこう長時間勉強されていたんだな、という印象を受けました。どうやってそのような時間をつくり出したのかという点と、集中力を維持する秘訣などもあれば伺いたいです。

中山さん:
勉強時間は本当に人によると思います。1日8時間ぐらいしか勉強しなかった友達もいたし、15時間とか勉強している友達もいました。「1日何時間勉強するか」よりも「1日何をするか」という本質的なところのほうが大事だと思っています。東大受験では、英、数、国、理の2科目、センター用の社会もやると、もう10教科ぐらい勉強しなければならないのと、そもそも僕は飽きっぽい性格なので、同じ科目を長時間勉強することはむずかしかったです。なので、毎日時間割みたいなものを作って勉強していました。例えば1日10時間やると決めたら、数学は何時間、英語は何時間、化学は何時間と、その日1日何を勉強するかはあらかじめ決めるようにしていました。そうでないと、時間は、あっという間に過ぎてしまう。「ただ長時間勉強しているだけ」というのは一番避けたかったので、計画的にするよう工夫していました。

田島さん:
僕は授業がない日は1日10時間を目標にしました。これは学校の先生や予備校の先生から、1日10時間というのを目安にしろよと言われたからです。実際、10時間ぐらいの人が多かったし、目標として時間を持っておくのは有用かなと思いました。ただ、中山さんの言うように、時間といっても量ではなく質が大事なので、どのように勉強するかは、その上で考えなければいけないと思います。僕は「いつまでにここを習得する」「1日ここまでを完璧にする」など、自分でチャートを作って、できたら丸を付けていくみたいな感じで、細かくスケジュール管理することを大事にしていました。スケジュールを立てるコツは、余裕をつくるというのが一番かなと思います。1日10の力があったとしたら、毎日10を使うと息切れしてしまいますし、体調が悪くなったとか、気分が乗らないとか、毎日のコンディションでうまくいかない日もあると思います。7とか8ぐらいに抑えておいて、その上で予備日も作るなどして余裕を持たせると、焦らないですし、やる気がある日はもうちょっとやってみようといった形でスムーズに進みやすいと思います。おすすめの参考書は、日本史では『新日本史』。日本史の教科書には書いていないような論理展開や因果関係まで書いてあるので、東大受験のような記述特化型の日本史にはすごく役に立つと思います。現代文は黒色の『標準問題精講』、数学では『青チャート』を使っていました。『青チャート』は難関大を受ける人にはおすすめです。難関大の受験では、結局は「できなきゃいけないところをできる」ようにすれば受かると思っていて、それにはやはり網羅的かつ実践的な問題集で基礎力をつけるのが有用的だと思います。英語の単語帳は『鉄壁』を使っていました。理科では地学基礎の過去問を集めた赤本の問題集が役に立ちました。

ためになった参考書

日本史

『新日本史』改訂版
日 B315

数学

チャート式
『基礎からの数学』

単行本(青チャート)

英語

鉄緑会
『東大英単語熟語 鉄壁』
単行本

植木さん:
学校のある日は、朝6時に起きて、7時に家を出て、7時半に学校に一番乗りして教室で自習をするのを習慣にしていました。みんなが来るのは8時半くらい。その1時間集中して勉強しました。そして、授業が終わった後、17時から21時までは図書館と職員室で勉強をするという形です。私も家では勉強できない性格なので、基本学校だけで、家でやるのは試験前くらいでした。休みの日は市の図書館や公共の自習室みたいなところに行って勉強していましたが、私は長時間できないタイプだったので、休みの日も正直4時間とかしかやっていなかったです。参考書は、基本的に学校で配られたものばかり使っていて、追加で買うことをしていなかったんですけれど、日本史だけは重点的にやりたかったので、東進ブックスの『日本史一問一答』の完全版を買いました。普通テストに出ないような細かいところまで載っていたりするので、すごくよかったです。記述式でなければどこも満点取れるんじゃないかと思うくらい、日本史の勉強はそれがおすすめですね。『日本史一問一答』は、星の数でランクが分かれていて、星3つが一番出る問題。星2つ、星1つ、無印となるにつれて出題される可能性が低くなってくるので、最初に、まず星3つを全部やって、その後に星2つと星1つをやって、最後に無印、というような感じで、基本的に出る順で解いていましたね。星3つや星2つは10周くらいはやって、完璧に覚えるくらいにして挑むのが良いと思います。無印のところは、本当に難関大でも出るかわからないくらいなので、そんなにやっていなかったです。

ためになった参考書

日本史

『日本史B一問一答【完全版】2nd edition 』
(東進ブックス 大学受験
一問一答シリーズ)単行本

叶田さん:
私は朝7時に学校に着いて、授業が始まる8時半までの1時間半と、16時に授業が終わり、学校が閉まるまでの18時までの2時間で、学校では計3時間半。あとはお弁当を食べ終わった後やバスの行き帰りくらいなので、1日4時間くらいですね。私も家では勉強できなくて、やったとしても1時間くらい。できなかったものは次の日の朝に学校に早く行ってやるようにして、できるだけ朝に集中するようにしていました。土日は、区立図書館で勉強しました。私も長時間はできなくて、頑張って7~8時間。でも、勉強している間は集中力を欠かさず、1秒も無駄にしないみたいな感じでやっていました。「毎秒進化」と、自分に言い聞かせながら、長時間できない分、密度を上げるようにしていましたね。参考書は、世界史は山川の『世界史用語集』を一番使いました。わからない単語は調べたり、資料集で地図の位置を確認していました。それと、『世界史B講義の実況中継』。これは結構有名なシリーズがなんですけど、私はもともと常識もないぐらい世界史ができなくて偏差値も40台とかいうレベルだったので、『世界史B講義の実況中継』を丁寧に読んで、一から勉強しました。あと、マイナーかもしれないですが『ウイニングコンパス 世界史の整理と演習』も使いました。かなり基礎的な絵図の穴埋め的なワークが1冊にまとまった本になります。初歩的な部分から世界史が怪しいという私みたいな人には強くおすすめします。基礎はおろそかにできませんから。現代文では、駿台受験シリーズの『現代文 読解力の開発講座』。現代文では一番難しい参考書だと思っているんですけど、力は確実につくので、文学部や現代文の得点が大きいところを受ける人にはおすすめです。そして英語は、いいずな書店の『Vintage』という文法書と、『鉄壁』です。でも『鉄壁』はやっぱり難しいので、その前に、Z会の『速読英単語 必修編』と、青い表紙の『速単』を完璧にしてから『鉄壁』に移りました。あと、同じZ会の『解体英熟語』『解体英語構文』も役に立ちました。早稲田は結構熟語が狙われるので『解体英熟語』は10周くらいはやりました。それから、私の偏差値が上がるきっかけになったのが、『スーパー講義 英文法・語法 正誤問題』。英語の品詞とかがわかっていないことに気づいた時、克服するのにこれが役に立ちました。表紙がネコですごく可愛いのに内容はとても難しくて。英語を構造的に理解できていないと解けないので、品詞とかがあやふやな人にはおすすめです。あと最後に『基礎英文解釈の技術100』という、結構有名な参考書ですが毎日必ず1題解くのを習慣にしていました。100あるので100日で終わってしまうんですけど、またその上の本があるのでそれもやって。ただ、受験の日までに100やれなくて、それは60ぐらいで止まっていると思いますけど、毎日それをやっていました。

ためになった参考書

世界史

『世界史用語集 改訂版 』
単行本

『青木裕司 世界史B講義の
実況中継(1)』

(実況中継シリーズ)
単行本

『世界史の整理と演習』
(Winning COM.PASS)
単行本

現代文

『現代文読解力の開発講座』
〈新装版〉

英語

『英文法・語法
Vintage
3rd Edition』

単行本

『速読英単語 必修編』
[改訂第7版]
(Z会文章の中で覚える
大学受験英単語シリーズ)

『速単の英文で学ぶ
長文問題70』

(Z会文章の中で覚える
大学受験英単語シリーズ)
単行本

『解体英熟語・構文
演習編』

単行本
 
 

『解体英語構文 改訂版』
[ブック型] 単行本

『スーパー講義
英文法・語法
正誤問題』

(河合塾シリーズ)

『大学受験スーパーゼミ 徹底攻略 基礎英文解釈の技術100』
大学受験スーパーゼミ徹底攻略) 単行本

小川さん(司会):
叶田さんは塾に通っていなかったということですが、どのようにして自分にぴったりの参考書を見つけましたか。

叶田さん:
ほとんどは学校の先生がおすすめしてくれたものです。あとは、本屋で見ていいなと思ったもの。インターネットで検索すると本当にたくさん情報が出てきてしまうので、あまり見ないようにしていました。インターネットは見るとしても、たくさん見るのではなくて、一つ「このサイトを参考にしよう」みたいに決めて見た方がいいと思います。

小川さん(司会):
ありがとうございます。私もおすすめの参考書をご紹介しておきますね。英語は駿台の『そこが知りたい英文法』。そもそも私は英語がすごく苦手で、高校3年生になっても、高校1、2年生の基礎レベルの英文法が分からないという状態でした。『そこが知りたい英文法』は1ページに1個ずつ文法が載っていて、最初はSVとか、本当に簡単なところから始まるんですけど、その簡単な問題ですら私は解けていなかったので、最初にこれをやっておいてよかったと思っています。日本史は、先ほど植木さんも言っていた東進の『日本史一問一答』ですね。早慶のような細かい単語を問われるようなところでは必需品かなと思います。それと、私はZ会の『実力をつける日本史100題』も使っていて、これは徹底的に取り組みました。単語はもちろん、論述が必要な人にとっては、すごい力になると思います。

ためになった参考書

英語

『基礎徹底 そこが知りたい英文法』
(駿台受験シリーズ)単行本

日本史

『日本史B一問一答【完全版】
2nd edition 』

(東進ブックス 大学受験
一問一答シリーズ)単行本

『実力をつける
日本史100題』

[改訂第3版] 単行本


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