「高校生×大学生座談会」(2023年開催)
大学受験に向けた勉強法と受験期の過ごし方

高校生VS大学生

大学受験をこれから迎える高校生たちにとって、受験は未知の世界。これからどんな準備をしたらよいのか、無事に乗り越えられるのか、不安に思う高校生は多いと思います。そこで今回は、4名の高校生と6名の大学生による座談会を開催。難関大学の受験を突破した先輩たちが、合格を目指す高校生たちの疑問や悩みに答えてくれました。

〈高校生〉

  • 神谷 承佑さん
    (東京都立高等学校2年)
  • 廣江 諒さん
    (東京都立高等学校2年)
  • 水江 早希さん
    (東京都立高等学校2年)
  • 野口 奈旺子さん
    (東京都立高等学校2年)

〈大学生〉

  • 司会:叶田 桃子さん 早稲田大学 文学部4年
    (田園調布学園高等部 卒業)
  • 西室 美波さん 慶応義塾大学 文学部4年
    (駿台甲府高等学校 卒業)
  • 大野 啓祥さん 早稲田大学 創造理工学部3年
    (名古屋高等学校 卒業)
  • 久保 今日子さん お茶の水女子大学 文教育学部2年
    (長崎県立長崎西高等学校 卒業)
  • 千代丸 佳依さん 東京大学 教養学部前期課程文科二類1年
    (鹿児島県立鶴丸高等学校 卒業)
  • 田島 怜一郎さん 東京大学 法学部3年
    (岐阜県立岐阜高等学校 卒業)

興味に合わせた学部の選び方


叶田 桃子さん
早稲田大学 文学部4年年

(司会)叶田 桃子さん(以下、叶田さん):
早速、自己紹介から始めたいと思います。私は、早稲田大学文学部4年生の叶田桃子と申します。演劇・映像コースで、クラッシックバレエをはじめとした演劇学を学んでいます。私は中高一貫校の出身なので高校受験は経験しておらず、あまり勉強ができませんでした。模試でも最後までE判定が続いて、E判定から追い込んで目標を達成しました。本日は高校生の皆さんとお話しできるのを楽しみにしてきました。短い時間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。


西室 美波さん
慶応義塾大学 文学部4年

西室 美波さん(以下、西室さん):
私は慶應義塾大学文学部4年の西室美波と申します。フランス文学を専攻していて、具体的には、おとぎ話の変遷から社会的な考察をするという研究をしています。私は山梨県出身で、生徒の人数も少なくクラスに3人しか文系がいないという中で、塾には行かず勉強しました。力になれる部分があったら話をしていきたいなと思います。よろしくお願いします。


大野 啓祥さん
早稲田大学
創造理工学部3年

大野 啓祥さん(以下、大野さん):
早稲田大学創造理工学部3年生の大野啓祥と言います。専攻している学科は機械関係で、ロボットやエンジンに関わることを勉強しています。高校時代はあまり勉強をしていなかったので、浪人して今の大学に入りました。よろしくお願いします。


久保 今日子さん
お茶の水女子大学
文教育学部2年

久保 今日子さん(以下、久保さん):
お茶の水女子大学文教育学部2年の久保今日子と申します。大学では、主に哲学と倫理学、人間の幸せや死といったテーマを考える学問をしています。高校時代は放送部で実績を残しながら、勉強と両立して頑張っていました。気になることがあれば、ぜひ聞いてください。よろしくお願いします。


千代丸 佳依さん
東京大学 教養学部
前期課程文科二類1年

千代丸 佳依さん(以下、千代丸さん):
東京大学教養学部前期課程文科二類1年生の千代丸佳依と言います。塾には通わず参考書を中心とした学習で、鹿児島県の公立高校から現役で東京大学に入学することができました。入試が終わったのが4カ月前くらいなので、入試についてはこの中で一番記憶が新しく、皆さんに近い存在として相談に乗ることができると思います。ぜひ質問してください。


田島 怜一郎さん
東京大学 法学部3年

田島 怜一郎さん(以下、田島さん):
東京大学法学部3年生の田島怜一郎です。出身は岐阜高校という岐阜県の地方の公立高校で、理系でしたが、1年浪人をして、東京大学の法学部の文科一類に入学しました。文系だけではなくて理系のことも多少わかるので、今日はいろいろお話ししていこうと思っています。よろしくお願いします。

叶田さん(司会):
では、高校生の皆さんにも自己紹介をお願いします。


神谷 承佑さん
東京都立高等学校2年

神谷 承佑さん(以下、神谷さん):
高校2年生の神谷承佑です。部活動はガーデニング部に所属しています。よろしくお願いします。


廣江 諒さん
東京都立高等学校2年

廣江 諒さん(以下、廣江さん):
同じく2年生の廣江諒です。部活は茶道部に入っています。よろしくお願いします。


水江 早希さん
東京都立高等学校2年

水江 早希さん(以下、水江さん):
2年生の水江早希です。部活は特に入っていません。よろしくお願いします。


野口 奈旺子さん
東京都立高等学校2年

野口 奈旺子さん(以下、野口さん):
2年の野口奈旺子です。部活は書道部で、中学では水泳をずっとやっていました。よろしくお願いします。

叶田さん(司会):
では早速進めていきたいと思います。高校生の皆さんは、学部を決めていますか。

野口さん:
スポーツウエルネスとか、スポーツ系の学部に行きたいです。

廣江さん:
僕は将来、観光関係の仕事に携わりたいと思っていて、観光学科というところがあることを最近授業で調べました。

叶田さん(司会):
授業でそういう活動もしているのですね。
では、大学生の皆さんに、学部をどうやって、高校生のいつ頃に決めたのかをお話してもらいたいと思います。

西室さん:
私は2年生のときには文系に行くことは決めていたのですが、どの学部に行くか悩んでいました。学部を決めたのは夏のオープンキャンパスのときです。東京大学と慶応義塾大学に行く機会があって、そこで模擬授業やキャンパスツアーなどに参加しました。法学部と文学部の講義を両方受けたのですが、興味があったのが文学部の講義でした。それで文学部に決めました。東大だと、学部を決めるのに1年間猶予があって、慶應も1年生の間にいろいろな授業を受けて、その後に専攻を選ぶという形でした。
私は皆さんのように将来の夢がなかったので、何をするか選ぶ猶予があるという意味でもいいかなと思って、最終的に文学部を志望することになりました。

叶田さん(司会):
私も一緒です。東大、早稲田、慶應は、1年間の猶予があるので、それで上位校を目指しました。まだやりたいことが決まっていない人にも、文学部はおすすめできると思います。

大野さん:
自分は理系で、工学部の機械系に分類される学科です。自分の高校は文理が分かれるのが2年生からだったのですが、それ以前から機械を専攻したいなと思っていました。父親が同じようにエンジニアだったのも大きいかなと思います。

田島さん:
自分は天文や宇宙、航空、飛行機などに関わりたいなと思っていたので、高校では理系を選びました。でも、得意科目と好きな科目が一致せず、数学や理科はあまり点数が取れなかったので、文転しました。東京大学では、2年の夏過ぎくらいに学部が決まります。さっき西村さんも言っていたように、文科一類という大きい枠の中で、もし経済学部に行きたくなったら経済学部に移動できるというのもあり、東京大学に決めました。その中で法学部を選んだ理由は、法律、特に政治にも興味があったからです。社会の仕組みはどういう風に決められているのかとか。勉強していくうちに、法律は社会正義、平等、自由、正義などを守るすごく重要な役割を持っていることがわかり、その魅力に気づきました。

久保さん:
私は、高校1年生の段階で教育学部系か経済学部系かなと漠然と考えていました。というのも、私の高校は長崎にあって、一番近い大学は、文系だと経済学部とか教育学部だったからです。ですが、高校で放送部に所属していて、原爆などの人間的なテーマを扱った番組などを制作していく中で、自分がやりたいのはもうちょっと違うことなんじゃないかと思うようになり、それで調べ始めたところ、倫理学がいいなと思いました。

千代丸さん:
自分は、ざっくりと文理選択の時点で文系の学問の方が好きだと思って、文系を選びました。先輩方がおっしゃっていたように、東大は入学してから自分の学部が決められます。やりたいことは具体的に決まっていないけれども、行きたいとなったときに選択肢が最大限残された状態を保ちたいと考えると、自ずと東京大学になったという経緯です。

時期も受験内容も様々な入試の形態について

叶田さん(司会):
高校生の皆さんは、今のところ一般入試を見据えていますか。それとも推薦入試や指定校推薦も視野に入れていますか。

水江さん:
推薦や指定校推薦はどういうものかよく知らないので、教えていただきたいです。

叶田さん(司会):
指定校推薦で受験できる大学は、学校の先生に聞くと教えてくれたりするので、聞いてみるといいかなと思います。もし興味のある大学が指定校推薦にあったとして、早いところだと10月くらいには入試が終わります。そのあと4、5カ月くらいは高校生活が楽しめるので、活用するのも良い手かもと私は思っています。
注意点としては、学校の成績が重視されることが多いので、定期テストを今のうちから頑張っておく必要があります。それと、高校にもよりますが、委員会活動や部活動の実績が重視されることもあるので、早いうちに先生に確認することをおすすめします。

久保さん:
私は公募の入試で入りました。高校の校長から大学側に推薦してもらう方式です。指定校推薦より倍率が高く、落ちる可能性もある一方、自分が得意なもので戦えます。例えば小論や面接などでアピールするのが得意な方にはおすすめです。

叶田さん(司会):
そうですね。推薦は論文などの文章で戦うことが多いですね。
私は最終的には一般入試で入りました。指定校推薦で落ちても一般入試を受けられるので、行きたい大学があれば挑戦してみるといいと思います。
一般入試以外で、何か珍しい入試を経験した方はいらっしゃいますか。

大野さん:
珍しい入試としては、防衛大学校や気象大学校という、給料をもらって大学へ行く学校があります。普通の私立や国公立の一般入試よりも早い時期に合格が決まるので、受けました。今言った二つ以外にも、水産系の大学であったりいろいろあります。

叶田さん(司会):
そうですね。調べてみると結構いろいろあります。防衛大の中に看護があったり。高校生のときは気づけなかったなというところがあるので、よく調べてみてください。


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