志望校一本に絞るのも、何校も受験するのも戦略

野口さん:
中間テストの勉強は1、2週間前から、小テストは前日にやるように勉強しています。受験勉強はいつごろぐらいから始めたらいいのでしょうか。

叶田さん(司会):
私も定期テストは野口さんとまったく一緒でした。高2のときは部活をやっていたし、委員会やあと文化祭や体育祭にも結構気合が入ってしまい、一つに気合を入れると他は何もできないタイプでした。受験勉強を本格的に始めたのは、高2の12月です。
11月頃までは、朝起きて学校へ着いたら漢字だけは絶対にやるようにしていました。もし部活を頑張っていたりとか、たくさん遊びたいとか、まだ勉強はちょっと本腰を入れられないなという場合は、英単語とか古文単語、漢字、そういうところだけやれば十分だと思います。今から無理して長文に時間を割く必要はないと思います。
いわゆる「高3ゼロ学期」というのは聞いたことありますか。 高2の1月、2月、3月のことを言います。年が明けてから始めればいいのではないかなと思います。

田島さん:
僕も叶田さんと同じで、文化祭や部活動にちゃんと参加するタイプでした。高校2年生のときは映画をつくって、編集とか監督みたいなことをやったり。高3のときは劇で音響系の演出をやって、プロジェクションマッピングみたいなことをやったりしました。それが本当に忙しくて、夏休みも結構それにあてていました。
大事なのは、叶田さんが言ったように、その中でも何もやらないんじゃなくて、ちょっとでもやるということと、やる内容を工夫すること。もう一個は、行事が終わったらすぐに切り替えることですね。
皆さんそれぞれ目標は違うと思うし、自分なりの達成したい未来みたいなものがあるわけじゃないですか。それに対して、今何をすればいいのかを逆算して考える。イメージするだけじゃ絶対実現しないので、未来は今日一日一日が、自分の生き方が積み重なって実現するんだなというところをしっかり肝に銘じてというか、それを僕は大事にしようと思って、万事しっかり切り替えて勉強するようにしていました。

水江さん:
皆さんは全部で何校ぐらい受験しましたか。

千代丸さん:
自分の場合は、浪人しても東京大学に行きたくて、私立は滑り止めで受かっても行く気がなかったので、東大に集中しました。
東大と併願する場合は、だいたい早稲田、慶應を受けて、後期に一橋に出願する人が東大文系の場合は多いようです。

叶田さん(司会):
すごいですね。私は真逆で、10校ぐらい受けました。早稲田だけでまず、5、6学部。受けられるところはほとんど受けました。あと、慶應の文学部を併願。いわゆる本当に定番のコースで、青山学院や、立教大学の共通テスト利用みたいなところも受けました。
あと、女子大も見ていきました。例えば日本女子大でも倍率が2倍を割っているような、ちょっと受かりやすいんじゃないかなという、絶対受かる学部を優先しました。

田島さん:
全部で8校ぐらい受けました。国公立は東京大学が1高で、それ以外の私立は、慶應の経済学部、法学部、商学部、早稲田で政治経済の国際政治経済学科と商学部。あとは中央大学の法学部と明治大学の政治経済学部に、それぞれセンター利用で出願しました。
なぜこんなに受けたかというと、浪人していたので、東大に落ちてもどこかに行かなければならなかったというのがあります。
さっき千代丸君が東大一本だったみたいな話をしていましたが、私立を受けすぎると国公立の時間がなくなってしまうなというのは自分でも思ったので、行くつもりがないところは受けないというのも良い選択肢だなと思います。もしくは、受験の練習に私立を使ってもいいと思います。明治の政治経済学科は実際に会場で受けました。
国公立の入試の前に慶應の法学部の合格発表があったので、東大の受験はすごく心に余裕ができて、よかったかなと思います。私立で確実に合格を取っていくのも、戦略としてはありかなと思います。

西室さん:
私も叶田さんや田島君と似たような感じでたくさん受けましたが、方式をいろいろ混ぜるようにしたのが、みんなと違うところかなと思います。
私は東大の文三を第一志望にしていて、その対策で記述もやっていたので、記述問題が出る慶應の経済学部や文学部も受けていました。センターの勉強もしていたので、青学や立教の文学部をセンター出願して、それで受かった大学もあります。
あとは上智の国文。国語の記述問題が出題されるので、東大の練習にもなるかなと思って受けました。
みんな一番行きたいところを志望校に決めると思うんですけど、それに向けて練習になるとか、あとはさっき田島君が言ってくれたように、安心材料として受けるのも良いですね。ここが受かっているからという気持ちで、余裕を持って一番行きたい大学の受験に臨めるようにスケジュールを組んでみるといいかなと思っています。
ただ、私は早稲田と慶應の学部にたくさん出願して、3日連続入試になってしまったことがありました。真ん中の日は疲れすぎて、文化構想学部の受験に行かなかったことがありました。あまり出願し過ぎても、当日行けなかったりしたら出願料ももったいないと思うので、しっかりスケジュールを見ておくことが大事かなと思います。

大野さん:
僕は浪人しているときに、合計8方式を受けていました。内訳は、国公立3つ、前期・中期・後期と、私立が3つ。あと大学校という国の学校が2つ。
早いうちに合格を取っておく目的で大学校を受けましたが、他にも高校の推薦が要らないAO方式が9月にあるので、とりあえず出願だけしておくだけというのもありだと思います。

久保さん:
私は学校推薦型の入試で合格したので、一般入試は1校も受けていません。ですが、高校時代の友人は国公立専願の人が多くて、滑り止めに私立を2、3校受けている人が多かったかなという感じです。
受験だけでもお金がかかるので、金銭的なことも含めて、早いうちから調べておくのがいいと思います。
まだ焦らなくてもいいと思うんですけど、どうしても高3の受験期は自分が行きたい大学で頭がいっぱいになってしまいます。受験期に第一志望の合格が叶わなかった場合について、メンタル的にも時間的にもいっぱい いっぱいになってしまうので、早いうちから何個受けようとか、ここをちょっと受けてみようかなとか視野に入れておくといいと思います。

睡眠や楽しみを減らさずに勉強を

廣江さん:
受験期にしておいてよかったこと、逆にこうしておけばよかったと後悔したことがあったら聞きたいです。

叶田さん(司会):
私の場合は、良い意味で周りに流されなかったことですかね。例えば、高3の10月の時点で、まだ世界史の偏差値が50にもいかなかったんです。早稲田は、たぶん70近く要るのかな。でも自分では大丈夫だと思っていたから志望校を変えませんでした。また、私の高校は9割方は塾に通いますが、私は塾が嫌だったので強い意志で行きませんでした。それでも合格できたので、変なところで流されて、みんな塾へ行っているからとりあえず行こうとか、「そんな大学、無理だよ」と言われたからじゃあやっぱりやめるかとか、根拠なく流されて意志を変えるより、ちゃんと自分を持っていろいろ選択した方がいいんじゃないかなと思います。

千代丸さん:
自分の場合は、スマホ活用ですかね。勉強をする上で、スマホをついつい見てしまうからと邪魔もの扱いする人は多いと思いますが、自分の場合は逆に勉強の道具として活用しようと思って、Twitterで勉強アカウントを作りました。何をするかというと、SNSで東京大学の志望をしている人たちとつながって、なかなか勇気が要ることだと思うんですけど、模試の成績表をツイートしたり、順位がよかったり判定がよかったりすると、「いいね」がいっぱいついて、それでモチベーションが上がるんですよ。
河合塾の東大オープンという模試があって、そこでD判定を取ってしまったときはかなり落ち込んだのですが、自分の中のポリシーとして、成績表を全部上げると決めていたので上げたんですね。そこからすごく頑張ろうというモチベーションになったり、悪い成績を上げたくないなという羞恥心があるので、勉強をするんです。
自分の場合は、鹿児島で、周りに東大志望があまりいなかったので、自分の全国での立ち位置だったり、他の人たちがどういう勉強をしているというのがわかったりとかするので、Twitterをやっていてよかったです。

西室さん:
私がやってよかったことは、好きなことをする時間をあまり制限をし過ぎなかったこと。
受験期は、スマホも一切触らないしテレビも一切見ないという人もいると思いますが、私はそれだと息が詰まってしまうタイプだったので、テレビは時間を決めて見ていました。携帯も一切触らないようにするのではなく、インスタとTwitterは止めるけれどLINEは見たり、音楽を聞いたり、YouTubeを見たりしていました。なので、メリハリをつけて、ご褒美的な感じで好きなこともしていたのがよかったかなと思います。
追い詰めすぎちゃうと、絶対に続かないし、疲れてしまうと思います。好きなことも時間を決めてやったらいいかなと思います。

大野さん:
僕の場合は、習慣化していないことをやるのが苦手だったので、勉強自体をルーティン化していました。新しいことをやるのはハードルが高いから、明日からでもいいやとなりがちですが、「この時間にこの場所に来てこれをやる」と決めていると楽。自然と自分の習慣の中に勉強を取り込むことができるので、おすすめです。
勉強は、やって当たり前と思える状態に持っていけたら勝ちみたいなところがあるので、そうやって自分を勉強する人間に自分をかえるのがよいと思います。

久保さん:
私は、直接的に合格に繋がっている要因は、プライドが高かったことかなと思っています。部活も忙しくて、勉強をする時間もなかなか取れなかったのですが、プライドだけは一丁前に高くて。部活だけを頑張っている人になりたくなくて、定期テストも限られた時間で勉強をしてという、積み重ねをしてきたことが自信につながっていました。あまり根拠はない自信だったんですが、受かるだろうと思っていて、その大学で生活をしている自分の姿をはっきりと思い浮かべていたのはよかったかなと思います。
勉強的な面でいえば、西室さんと大野さんがルーティン化や切り替えについて話してくれましたが、それもいいと思います。うまく切り替えができるようになるのが一番良いけれど、私はあまりうまくできなかったタイプだから、だらだら勉強をしていました。寝転がりながら、とりあえず参考書だけでも眺めておこうとか、お風呂に入りながら音読だけしようとか。どうしても気分が乗らないときは、勉強のハードルを下げてもいいから、とりあえず触れておくようにしました。

田島さん:
自分もプライドが高い方なので、望んでいる未来にどうやって自分を持っていくかを考えていました。
絶対に東大に行きたくて、その理由や動機は勉強がしたいからではなかったのですが、何かすごそうじゃないですか。あとは小学校や中学校のときに嫌な思いをしたこととか、そういうのを見返す方法が、自分の中では東大に行くということでした。絶対にそこは変えたくなかったので、そのために何をするか考えていました。
僕は勉強ばかりをやっていたわけではなくて、もともと頭が良い方じゃないんです。自分の高校は東大に1年で十何人が受かるぐらいの学校でしたが、その中でも全然上位ではなくて、百何十位ぐらいだったし、数学に至っては特に苦手だったので二百何十位とか。そういう中で、泥くさくというんですかね、量で対抗をするという考え方でいろいろ計画を立てていました。
結局、自分がどういう風になりたいかが一番大きいと思っています。自分が何に、どういう風になりたいかというのを一番に考えた上で、自分は何をどうするのか考えるのが大事だと思います。それは勉強に限ったことではありません。

野口さん:
受験期にはどういった生活リズムで過ごしていましたか。

千代丸さん:
自分は高2から受験勉強を始めましたが、高1のときは、宿題だけして寝ていました。自分はロングスリーパーなので、しっかり睡眠時間を取るようにしていて、10時に寝て6時に起きるという生活を基本的にはしていました。
受験勉強をがちがちにやり始めると、長いときは土日で1日14時間ぐらい勉強をしてという日もありました。だいたいそういう日は、次の日にダウンして3時間くらいしかできなかったり。だから、睡眠時間は絶対に取っておいた方がいいです。でも受験が終わった後はあまり眠れなくなったんです。受験期のころは眠くて眠くてしようがなかったのに、受験が終わった途端に、全然眠くなくなって。眠くなるのは勉強をして頭に負荷をかけていたから、睡眠中に脳内の記憶を整理するという必要があったんだなと。なので、眠かったら寝て、やることがあるなら早めに朝起きてやるくらいの方が、眠い目をこすりながらタスクをこなすよりも絶対にうまくいくと思います。

田島さん:
自分は睡眠時間をわりと削っていました。でも絶対おすすめしないです。受験期も、わりと3時とか4時ぐらいまで起きていて、7時とか8時に起きてみたいな感じで毎日を過ごしていたんですけど、それは全然いいことじゃない。睡眠をしているときに覚えたことを頭の中で整理できるので、絶対に寝てください。


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