コロナ禍は、生協の経営に大きな影響を与えたとともに、生協の存在価値についても見つめ直す機会となりました。そんな中で、20年夏に学生が少し戻ってきた時に、食事をしながら談笑している学生の姿などを見て、生協を知らずとも学生たちのキャンパスライフに彩りを与えていたのではないか…私達が提供している商品やサービスはすべて「未来につながるキャンパスライフ」なのではないか…。そしてキャンパスで過ごす時間は大切な要素ではないか…と感じました。
そうした経験から掲げたのが「キャンパスの活気を創り出すキャンパス街化」計画です。ここで示すキャンパスとは大学キャンパスはもちろんのこと、組合員が集い生活する場所(例えば大学周辺の生協が管理している住まい等)もキャンパスとして位置付けました。
生協の様々な事業活動を通して出会いや交流、創造活動をつくりだすことでキャンパスに活性化を生み出す計画書で、それらを通じて「誰もがキャンパス内に学生生活の充実感を感じられる居場所を創る」ことをねらいとしています。
具体的にはキャンパスをテーマパークのイメージで次の6つのテーマから作成しています。
※詳しくは以下の冊子データをごらんください
中期計画は22年度の総代会で確認頂きましたが、議論はまさにこれからで、まずは「創りたい生協」をまとめたに過ぎません。
ただ、なぜ「キャンパス街化」だったのかといえば、コロナ禍に実施したアンケートや保護者説明会で寄せられた生協への期待から、困っているのは生協だけではない、であれば厳しい中でも生協で創り出せるキャンパスライフを描いてみよう!ということからだったかと思います。
提案書として仕上がったのは22年度の総代会ですが、実は骨子の段階から、各大学の部署との会議や学生のPBL活動の打ち合わせなどにも提案をしており、結果的にはそうした中で膨らませてきています。テーマへの共感も広がり、施設の新たな改装や学生の活動などにも繋がり始めています。
中期計画策定の中で、一つだけ自分の中で気をつけていたのは「生協の都合だけで書かないようにすること」でした。計画は経営数値の改善にはかならず繋げないといけませんが、そこだけしか見ずに計画を作るとどうしても生協都合の計画になってしまいます。今回の計画はいろんな意味でスケールの大きいものになりましたが、ここからが本番、多くの方とこの計画をもとに意見を交わしながら、一緒に実現する仲間を増やしていきたいと思います。
山口大学生協 専務理事 中井 傑