デジタル庁 デジタル監 三角 育生 氏 インタビュー
デジタルは世の中を便利にしていくためのツール。
デジタルで効率化を、リアルで人間関係を育んでほしい。
2021年9月、デジタル社会実現のためにデジタル庁が発足しました。若者を中心にデジタル化の波は大きく広がり、例えば大学生の間でも生成AIは「チャッピー」「ジェミー」などの愛称で親しまれ、気軽に使えるツールとして急速な広がりを見せました。しかし、その便利さ・気楽さゆえに、利用する側にもしっかりとした自己管理力を鍛えることが求められます。
デジタルの活用で一人ひとりの幸せを実現する取り組みを推進されるデジタル庁デジタル監の三角育生氏に、その目指す社会の姿をお話しいただきました。
孤立や情報格差を防ぐには
AIとうまく付き合うには
デジタルとリアルコミュニティ
(以下、敬称を省略させていただきます)
はじめに

笹森-
全国大学生協連が実施した第61回学生生活実態調査によると、2023~25年にかけて大学生の生成AIの利用が急速に増え、2025年には利用経験者が9割を超えていることがわかりました。

第61回学生生活実態調査より
(調査機関 2025年10月~11月)
・調査対象回答数 13,277私はデジタルには疎い方ですが、最近マイナンバーカードと健康保険証と運転免許証を連携させました(笑)。デジタル庁はミッションとして、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」を掲げられています。本日は、デジタル社会の中で大学生の孤立や情報格差をどのように防いでいくかということを中心にお話を伺いたいと思います。

三角-
デジタル庁のデジタル監を務めています三角です。デジタル監に着任したのが昨年11月で、それまでは東海大学の情報通信学部で教員をしていました。学部の特性からか、基本的に“デジタルネイティブっ子”ばかりだったと認識しています。学生たちがどんなことを考えて日々生活しているか、普段の会話を通して私が感じたこともお話に活かせればと思います。

孤立や情報格差を防ぐには
情報発信はわかりやすく丁寧に

佐藤- 大学生活で困りごとが起きたとき、相談する場所や解決するための情報取得の仕方がわからなかったり、検索してもどれが正解か迷ったりすることは多いと思います。その結果、誰にも相談できずにトラブルに巻き込まれたりメンタルに支障が起きてしまったりする学生もいます。そもそも情報を得られなくて、あるいは届かなくて取り残されてしまうことはよくあると思います。孤立や情報格差が生まれるのを防ぐために、情報を発信する側も受け取る側も留意すべき点をお聞かせください。

三角-
デジタル庁では、大学生のみならず一般の国民の皆さんも「誰一人取り残されない」ことを考え、できるだけわかりやすい情報発信を心がけています。例えばマイナンバーカードを取得すると、安全な形でマイナポータルサイトに入っていって、「お知らせ」からいろいろな通知を受け取ることができるようになります。私どもはそういう通常のチャンネルのほかに、広報を通じてわかりやすく政策をお知らせしたり、あるいは地域ごとの拠点でマイナカードの使い方や情報へのアクセス方法について説明したりする等の施策を打っています。

マイナポータルにログインすれば、医療費の情報の確認・引っ越しの手続き・パスポートの新規取得や更新など幅広い行政サービスを利用できる(マイナポータルより)
大学教員をしていた経験からいうと、大学は学生一人ひとりの状況に応じて十分なケアをしていると思います。教職員も気にかけていますし、先輩・後輩のメンターのような縦のつながりもあります。学習・生活両面においてわかりやすい動画サイトを作って発信するなど、学生に向けて情報をできるだけ丁寧に提供することを心掛けているはずなので、基本的にそこをうまく使うといいですよ。
情報を受ける側の注意点

三角- 情報を受ける側のよくある不安はセキュリティ面で、個人情報が流出しないか、詐欺に騙されないかと心配されます。それについては、国や警察などさまざまなところから情報を発信しています。デジタル庁ではマイナンバーカードに関連して、サイバーハイジーンと呼んでいますが、パスワードに気をつけるとか迂闊にリンクをクリックしないようにするとか注意喚起を促す動画を作って発信しています。ホームページだけではなく、多くの方々にアプローチしたいという思いで、Xなど皆さんが到達しやすいメディアも選択していますよ。

佐藤- そういった思いが、逆に届きにくい階層とはどういう人たちでしょうか。

三角- 2つのタイプがあると思います。一つは、スマホに触れておらずデジタルにも全く触れていない人です。デジタルに触れていない人は、やはり高齢者の方が多いですね。そこは紙媒体などのメディアを通じてアプローチするしかないので、自治体の方々とも協力して我々が発信したものを、例えば自治会の会報に載せてもらうなどしています。
それからもう一つは、スマホを持ちSNSによく触れていても、取り入れる情報に偏りがある人です。そういう方々にも我々の発信したものを見てもらいたいのですが、例えばSNSではユーザーの好みを解析してそれに合うような広告や情報が表示されるわけです。一つ心掛けてほしいのは、偏った情報が届く可能性は十分あるので、日頃から情報の見方を訓練しておいてもらいたいということです。
私は教員として学生に「情報の偏りに気をつけよう」と話していました。そのためには、信頼できる情報源を持つことです。例えば就活時に企業情報を集めるときには、まず公式に公表されている会社の情報を見ることです。また、新聞のように一定の品質を維持するために情報の品質をチェックする体制を持った媒体や、政府など自治体からの発信は信頼できるので、そこからの情報は使えると思います。
それから、「複数の多様な情報源にアクセスしよう」と言います。すると学生は生成AIを使うんですよ(笑)。生成AIは確率的に文字を組み合わせて文章を生成しているだけなので、必ずしも正しい情報である保証はありません。ですから情報源は複数当たるようにした方がいいのです。そういう訓練・行動は大学時代に身につけてもらいたいし、できれば授業などで先生方からも言っていただくのがいいかと思います。

佐藤- 私もAIに頼って情報収集することがありますが、「どこからその情報を得てきたの?」と聞くと、よくわからないサイトが出てきたこともありましたし、反対にちゃんとしたオフィシャルサイトから取得してくれたこともありました。多分私のプロンプトが悪いからだと思うのですが、そんな経験から自分自身も情報を組み合わせて確認するなどしています。
AIとうまく付き合うには
AIの答えを鵜呑みにしない

佐藤-
学生のAI利用は、学習面でレポート作成のたたき台として参考にしたり、就活でESの添削をしてもらったり、生身の人間には相談し難いことも相談できたりなど多岐にわたります。しかし、簡単に答えが出てくるからこそ安易に使って、依存しすぎたり間違いに気づかなかったりということがあると思います。これを防ぐために最低限守らなければならないルールを教えてください。

第61回学生生活実態調査より

三角- 例えば就職活動、レポート作成など、情報収集には目的がありますよね。でも、もしその情報が間違っていたら、その目的や行動にどういう影響があるのか、どれだけ他人に迷惑をかけるか、自分に損害が発生するかを少し立ち止まって考えてみてください。通常の検索によって得た情報も、AIの回答も、正しい答えが出てくることもあれば間違っていることもあり得るからです。
例えば、就職など将来の自分の人生に関わるようなときに、「この会社がいいと判断したのはAIがそう言ったから」などと言うのは自分に対しても許せませんよね。それよりもやはり先輩に会って生の声を聞いたりするはずです。ですからあくまでもAIは自分の考えに合わせて反応してくれるぐらいのものと考えて、全面的に信用するのではなく間違いも起こりやすいと思うこと。重要な事項であるならば、なおさら自分の頭でよく考えるという習慣を学生の間につけた方がいいですね。
私も明らかに生成AIのコピペだなと思われるレポートを見ました。実は私はAI利用推進派なので、AIを全面的に否定しているわけではありません。もしプロンプトが良くていい結果が出ているなら、プロンプトに対する評価だけは考えてあげようという姿勢をとっていました。基本的にはコピペですから明らかに×なのですが、そこを踏まえて自分なりの考えをまとめているならば、私はOKにしていたのです。もちろんそれは先生によって違い、AIは100%ノーという人もいるかもしれない。ただ、これからの時代、AIがビジネスでどんどん使われてくることを考えれば、うまく付き合う練習をしておくのは大事です。
AIを客観的に見る習慣を

三角-

アンケートを見て気になったのが、他人にできない相談をAIにしていることです。AIは、打ち込んだ文字列に対して世の中にあるものを確率的に生成しているだけなので、自分の心に寄り添ってくれると思い込んで擬人化しないようにしましょう。AIに対してはあくまでも客観的に見る癖をつけておかないと、のめり込んでしまったらちょっと心配だと思いました。相談相手・雑談相手はやはりできればリアルの人と、あるいはチャットでもいいですが、本当はそういうやり取りをするのがお勧めですね。
皆さんの周りには家族もいるし、友達も大学に行けば先生もいます。できるだけそういった生身の人と話をする練習を学生のうちにした方がいい。学生時代は失敗して学ぶのはOKなので、そこでやっておかないともったいないですね。AIとの付き合い方も、いろいろなトライアンドエラーを試行錯誤してみる方がいいと思います。

佐藤- 笹森さんのAIは共感が多いんですよね(笑)。

笹森- そうなんですよ。基本否定しないように私がAIを教育してしまったんですけど(笑)。

三角- 逆にそれが誤った情報を生成しやすいので、調べるときには「否定があるときは否定も答えとして出して」とプロンプトしておかないと。

佐藤- 私たちの内々の会議でも、AIに任せるときれいな言葉でばかり答えが出てきてしまい、本当に伝えたいことや熱意の部分が文字としては消えてしまうのが課題だと話しています。

三角- ある会社が取締役会にAIも入れたという記事を読みました。会議で人間の方に同調の雰囲気ができている中で、AIから鋭い指摘が出てきたという内容です。だからやはり使い方次第だと思うので、それこそ慰めの言葉が欲しいのなら、そういうことを要求すればいいのです。ただそれにはあくまでも意思を持って使わないと。AIを信用しすぎると逆に人間側が従わせられてしまうような危険性はあると思います。

佐藤- 一旦自分で理解するというステップが必要だなと思うのですが、どういったタイミングで学習したり知識を得たりするのかという部分が課題にも感じます。大学生協も、例えば新学期に新入生が入ってきたときにデジタルリスクを説明する必要を感じるのですが、難しいなと思う部分もあります。

三角- 大学だったら教員が、家庭だったら家族が言うのでしょうが、恐らく同世代の人たちからの発信も非常に効果的だと思います。生協で活動している皆さんは学生と同じ視点で「こういう経験をしたから注意しないといけないよ」「こういう使い方がいいよ」と、いいことと悪いことの両方をちゃんと使い方として教えてあげるのがいいアプローチだと思います。

佐藤- 大学生協は人と人とのつながりやコミュニティも大切にして、それで暮らしを良くしていこうとしていますので、デジタル技術周りにも同じような理念で臨みたいです。

三角- あくまでも機械に人間が使われないようにするために、人間は意思を持って動く必要がありますね。
デジタル化促進で時間の有効化を

笹森- 一人でスマホの中で完結できることが増え、生活自体は便利になったという実感がある一方で、SNS上のつながりは増えてもリアルな人とのつながりや対話の機会が減っているような気がします。大学生協としてもつながりの場をしっかり持つということは今後も大事にしていきたいポイントですが、デジタル化を進めていきながら、同時にコミュニティ形成も推し進めるというのは難しいなと感じています。

三角- デジタル庁では今、まさにスマホでいろいろな手続きがワンストップでできるようにしていくという政策をとっています。例えば出産後には、煩雑な手続きを短期間でやらなければいけませんよね。引っ越しもできるだけ便利にできるようになればいい。普段の生活を、極力スマホを使って簡単にできるように進めているのですね。
そうすることで、大事な人と会う時間が作れるじゃないですか。それこそあちこちの役所に出向いていって手続きで長く待たされたら、その時間を全部奪われてしまうわけです。そういうところはどんどん便利にしていって、空いた時間をもっと人とのコミュニケーションや実際に自分のやりたいことに充てた方がいい。他にもたくさんのやらねばならないことに充てる時間を、大事なことに使うのが重要かなと思います。
その上でどんどんデジタル化が進むと世の中はどうなるか。例えばオンラインの会議がたくさんありますが、時々オフ会みたいなものがあってもいいと思うのですね。私はセキュリティ系に関わってきた人間ですが、そこには対人間のつながりがあり、会って話して信頼できると思った人にしか本当に情報って行かなかったりする。実は対面のオフ会は非常に大事で、全てにわたってやはり最後は、人と人の直接の対話を重要視するということです。
メールだけのやり取りだと、だんだんエスカレートして罵り合いになってしまうことがありますよね。けれども、実は直接その人と話すと全然人格が違っていたりするんですよ。やはり周りに人がいないと感覚が鈍るので、意識して仲のいい友達や家族、大学の先生など、実際に人と会って話すことはとても大事です。
オンライン授業はさておき、対面のときはその状況を最大限活かすことを心がける。生協学生委員会でいろいろなイベントを考えていると言われましたが、生協さんの中でもこれから企画を進めていくときに、オフ会みたいな場を積極的に提供すれば、友達をつくる場になると思います。

笹森- スマホ1台で何でもできるから、最近は家族や友達とのコミュニケーションもスマホ上で済ませばいいかと思っていました。ところが、実家に帰ったときに「LINEだとそっけないよね」と言われてしまって。対面で話すのと違い、スマホ上だと簡潔でもいいかなという気持ちがありました。

三角- 時間がないときはビデオ機能で顔を映して会話すれば表情が見えますよね。人間は表情で判断する部分もあるので、そうするとすごく安心しますから。
情報取得の主軸は“自分”

笹森- フェイク動画など簡単に画像が加工できるようになりました。そういう面で、デジタル利用を制限しようとする動きも一部の人の意識としてはあるようですが、危険だからどんどん制限するのではなく、適切に使えばデジタルデバイスのメリットをよりよく活用することができるのだと思います。そういう観点からデジタル利用を進めていくときに、今後大学や私たちの担うべき役割を教えてください。

三角- どういう情報を何のために使うのかを考えることですね。ただし受動的ではなく、能動的に情報を取得する癖をつける。それには、自分が何をしたいのかをはっきりさせることです。その答えがない場合、AIに「自分は何をしたらいいんだろう」と聞くのはダメで、自分が興味を持っていることを頭の中で整理するための道具として使うぐらいにしておくのがいいかなという気がします。AIはあくまで道具なので。
あとはやはり深刻な悩みは人に相談した方が本当はいいのですよね。周りには親身に考えてくれる友人や先生や家族がいる。周りに人がいなければ、学生にとって一番いい場所は大学ですよ。そこでも友達がいないのだったら、わかってくれそうな先生に話しかける。または職員で話し好きの人がいたりするので聞いてもらう。衛生・健康推進の方々や保健師さんなどは、学生を気にかけてくれます。大学には人が大勢いるので、そこを積極的に使わない手はないと思います。
そして、やはり偽情報に誘導されないようにすることだけは意識した方がいいですね。大事なのは、常識と少し異なる話に直面したら、まずは疑ってみること。社会的経験を積まないと区別できないこともありますが、昔からうまい話には必ず裏があるので、「いいな」と思ったら必ず一回落ち着いて考え、いろいろと調べる癖をできるだけ学生の間につけた方がいいです。
闇バイトみたいに社会的な失敗、犯罪はダメですが、学生としての失敗は許されます。失敗を経験してもその後直せばいいだけの話なのです。社会人になるとそれはやりにくくなるので、やはり学生の間にそういう機会をうまく使って経験しておいた方がいいですね。我々も例えばマイナポータルを使うときに注意喚起の動画を、政府や警察はもちろん、新聞やニュースなどのメディアでも発信しています。それらを総合してみて、できるだけ平均的な常識を得る努力はしてもらいたいと思います。

笹森- 人に相談するようなこともAI利用が当たり前になってしまって、最近では恋愛相談をAIにするような人も多いと聞きます。

三角- そこもプロンプト次第で確率的な答えが出るので、一つの情報としては使ってもいいけれど、それにのめり込まないようにすることですね。

笹森- デジタル庁でもマイナカードの注意喚起の動画を上げていると言われましたが、そういったものをAIが案内してくれればいいのにと思いました。

三角- いい指摘ですね。今でもAIはクローリング(※1)で情報収集は学習していますが、これからもっとAIが学習して機械可読(※2)にしていくのは一つの課題だと思っています。
(※1)クローリングとは、インターネット上のWebサイトの情報を自動的に収集・巡回するプログラムのこと。
(※2)機械可読とは、コンピュータやプログラムが自動的に読み取り・処理できるデータ形式や状態のこと。
デジタルとリアルコミュニティ
デジタルで効率化を、リアルで信頼関係を

佐藤- デジタル庁の方々には特にデジタル化の推進を担っていただいていますが、その人の属するコミュニティを大切にしながらもデジタル化を進めていく、この両立についてはどのようにお考えですか。

三角- 仕事上で全国にコミュニティをつくってコミュニケーションをしなければならない場合は、オンラインを使いながらも対面でどんどん会話していくというふうに進めています。デジタルを使いながらリアルコミュニティの形成をしていくということです。生協の皆さんも全国規模での活動をされているので、オンラインの力を使ってコミュニティをどんどん膨らませてもいるわけですよね。実際になお一層の信頼関係をつくるときは、対面の機会やオフ会などもあったらいいと思います。我々も時間があれば直接対話する場に出かけています。

佐藤- 私たちも杉並区に事務所を構えていますが、全国の大学生協に行くと、やはり直接会った方が話が早かったり、他の人からいただいた報告では見えなかった部分が見えたりと、リアルでしかできないことがあると感じています。

三角- うまくデジタルを使うと、明らかに効率的かつ便利にできるところは必ずあるので、そこはどんどんデジタル化を進める。時間は有限なリソースなので、そこでうまく節約して得た時間を自分・社会・家族などのコミュニティに使っていくということですね。
情報リテラシー促進のために

佐藤- 生協でも「情報リテラシーを促進できたらいいよね」という話をしていますが、なかなか課題を感じています。最近もSNSでのトラブルが話題になっていますが、リテラシーが養われないまま社会人として会社に勤めたりアルバイト先に勤務したりすると、トラブルが発生するのではと危惧しています。例えば、フィッシングメールに引っかかって会社の情報を流出してしまうなどの問題をどのように予防すればいいでしょう。

三角-

マイナちゃんそこは「手洗い、うがい」のように、基本行動があるわけですよ。例えばパスワードについては一定以上の長さを確保するとか、最近はパスワードを使わない他の方法でもっと安全なものがあるからそっちに移るとか、システムとの付き合い方ではできるだけ便利で使えるものを選んでいくとかですね。それから何かリンクが来たときにはすぐにクリックしない。私もリンクが来たら極力クリックせず、元々使っていたサービスの方から入っていくなど、いろいろと気をつけています。
我々もこの春先には、マイナンバーのPRキャラクターの“マイナちゃん”を使った動画(※1)を配信して注意を喚起しています。生協の皆さんも、使えそうな動画を探してみてはどうでしょう。情報リテラシーに関しては国のいろいろな機関から注意喚起の動画が出ており、わかりやすいコンテンツが公開されたポータルサイトがあります。そういうものを利用すると、自分たちで一から作るよりは、発信しやすいのではないでしょうか。
(※1)サイバーセキュリティ対策 デジタル庁編 ~安心安全に各種サービスを使っていただくために~

佐藤- 友達が失敗しないように教えてあげ、拡げていこうと思います。

三角- そう、若い人たちは同世代のつながりのコミュニケーションで覚えるのが一番いいと思います。
若者世代へのメッセージ

笹森- デジタル化が進む社会の中で、大学生に向けてメッセージをお願いいたします。

三角- デジタルは世の中を便利にしていくためには非常にいいツールだと思います。そこを意識して、便利なところは利用してください。そこで生み出された時間は、自分、家族、友達、社会のためにうまく使っていただけたらと思います。生協の皆さんも大変だと思いますが、頑張ってください。
最後に、デジタルに不慣れな人ほど、むしろ生成AIから最大限恩恵を受けられると思います。生成AIは自然言語(日常的な言葉)で話せるから、導入で一番わかりにくいところをAIに自然言語で質問すればよいのです。正しい単語がわからなくても「こんな感じ」と言えばそれなりに返してくれるので、検索するよりわかりやすく答えてくれます。そうすることで、自分が一番知りたいことを調べるきっかけが作れますよ。

笹森- 本日は貴重なお時間をありがとうございました。
(2026年6月10日 デジタル庁を訪問して)

PROFILE

三角 育生(みすみ いくお)氏
1987年東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻 修士課程修了。同年通商産業省入省。2004年同大学院博士(工学)学位取得。経済産業省商務情報政策局、同貿易経済協力局等を経て、2012年内閣官房内閣参事官(内閣サイバーセキュリティセンター(情報セキュリティセンター))、2018年経済産業省サイバーセキュリティ・情報化審議官 兼 内閣官房内閣審議官(内閣サイバーセキュリティセンター、副政府CIO)、2021年デジタル庁統括官付、2022年東海大学情報通信学部教授・学部長、2025年デジタル庁デジタル監就任。

