特集 奨学金問題を考える

全国学生委員会のとりくみ次の世代の豊かな大学生活のために

なぜ取り組み始めたのか


「若者の未来を支える奨学金制度を考える院内集会」
(5月10日、参議院第一議員会館 大会議室にて)

私達全国学生委員会では、2016年度の方針の一つ目に「学生組合員が社会に目を向けられるような取り組みをすすめます」を掲げました。

今年度は公職選挙法改正の後、初めて選挙が行われる年となり、今まで以上に学生組合員が社会に関心を持ち、考え、意思を表明することが求められるようになると考えたため、社会に目を向ける取り組みを重点に据えて活動を行っています。7月に行われた参議院選挙に関する取り組みを検討する中で、学生にとって身近な社会的な事柄として、この間話題になっている奨学金問題を扱えばいいのではないか、ということで取り組み始めました。

自分たちの考えを発信しよう!

最初に取り組んだのは、「奨学金制度の充実に向けたアピール」の作成でした。これは日本生協連が3月に「奨学金制度に関わる要望書」を提出した、という話を聞き、「当事者である学生が自分たちの考えを表明しないと!」と思い、全国学生委員会での協議も経て作成しました。

アピールには、全国学生委員の強い意志として、単に制度の改善を望むだけではなく、自分たち自身も奨学金制度を学び、金融リテラシーを身に着け、適切に制度を利用していく学生になる、ということを記載しています。

まずはしっかり学ぶことから

このアピール作成を機に、さまざまな場面で現在の奨学金制度や問題点を学習する場面に参加するようになりました。5月10日に行われた、「若者の未来を支える奨学金制度を考える院内集会」(奨学金問題対策全国会議と中央労福協主催)では、国会議員の方から直接、奨学金制度に対する考えを聞くことができ、参加した学生にとって大きな刺激となりました。

6月10日に行われた、今後の日本の奨学金のあり方を考える学習会(日本生協連主催)では、奨学金制度の変化や、実際に奨学金問題に取り組まれている大内裕和先生(中京大学)から、学生の経済事情や就職、アルバイトを含め総合的なお話を聞くことができ、奨学金問題の複雑さと深刻さを学び、解決の道を探る必要性を大きく感じました。

その後、7月の参議院選挙の際に投票する基準の一つとなる情報を集めるために、各党の奨学金制度に関する政策についてアンケートの形で聞き取りを行いました。結局、参院選の大きな争点の一つとはなりませんでしたが、回答を比べてみると、政党によって考えが違ったり、方法が違ったりと、細かい違いや真剣度がわかり、学生としては大きな収穫があったと考えています。

学んだことを活動に

今後は、私達が学んだことや考えたことを多くの学生に伝え、奨学金問題について考えられる環境をつくるとともに、金融リテラシーの向上を、まずは奨学金制度を正しく伝えることから始めていきたいと考えています。私達の子どもの世代、孫の世代まで、大学で学びたいと思う人が、経済的な理由であきらめることがないような社会を引き継いでいくために頑張りたいと思います。

(全国学生委員長 加藤有貴)

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全国大学生協連 全国学生委員会が行った全政党アンケート(全国大学生協連のHPでご覧いただけます)