志望校の選択は、受験前の一つの大きな悩みのタネです。今回は、まさにその悩みに直面している高校生の保護者の方にお集まりいただき、受験勉強の仕方や、志望校の選択、お子さまの状況にについてお伺いしました。また、その悩みの解決のヒントとなるように、現役の学生にお越しいただき、志望理由や受験期の過ごし方、学生生活などをお話していただきました。
水津 公志さん
水津 公志さん(以下、公志さん):
昨日、ちょうど京田辺キャンパスのオープンキャンパスに伺いました。
うちの子はどちらかというと理系の中でも生物系なのですが、同志社大学の理系学部は、化学系がメインになってくるのでしょうか。
西口 和哉さん
西口さん:
理工学部と生命医科学部が、いわゆる理系の学部になります。理工学部だと、情報系、機械系、電気系、化学系と、あとは環境システム学科、数理システム学科と10学科あります。工学分野に医学・医療の要素を融合させたのが生命医科学部ですので、化学系に限りません。
生命化学、遺伝子工学などの分野なら、化学系の機能分子・生命化学科で学ぶことができますし、生物学、生態学などの分野は環境システム学科で学べます。生命医科学部医生命システム学科は、生物学、微生物学、分子生物学、薬理学なども学べます。
赤井 礼子さん
赤井 礼子さん(以下、赤井さん):
うちの息子も理系に進みたいようなので、ずっと画面を眺めながら、「どこに行けばいいのだろう」と悩んでいます。
情報システム系のところに行きたいようで、同志社大学だとどこの学部が一番適しているのか自分では見つけられないなということを悩んでいました。
西口さん:
情報系の2学科、インテリジェント情報工学科と情報システムデザイン学科は、プログラミングなども学んでいきますし、比較的近い分野かと思います。
受験生の皆さんにおすすめしたいのは、ホームページなどで学部のカリキュラムを見て欲しいということです。学科名だけを見ていてもなかなかわかりづらいと思いますが、カリキュラムには1年生から4年生までの学習計画と、履修する科目名が載っておりますので、なんとなく学部での学びがわかると思います。
また、シラバスの検索システムもあります。例えば情報システムデザイン学科にはプログラミングJavaなどという科目がありますが、そういった気になる科目をシラバスで検索すれば、半期15回の授業の一回一回のテーマが記載されており、科目全体の概要がわかります。それを調べていただくと、自ずと分野が絞れてくるのではないかと思います。
私自身、同志社大学の理工学部、昔でいう工学部の出身で化学系でした。だいたい6割ぐらいは大学院に進学して、いろいろな分野の企業で活躍されている方が多いです。
眞鍋 なおみさん
眞鍋 なおみさん(以下、眞鍋さん):
うちは文系なのですけれども、結構ハードルが高そうに感じていて、どうやって合格に近づけるのか知りたいです。
西口さん:
偏差値を見ると難しいなと思われるかもしれません。しかし、先ほど申し上げたように一般入試の問題自体は標準的なので、偏差値にとらわれずやるべきことをちゃんとやれば答えは見えてくると思います。
今、YouTubeでいろいろな動画を上げていまして、先日「一般入試合格への道」という学生の座談会をやりました。ある学生が指定校推薦をずっと狙っていて、9月くらいまでねばっていたけれど、結局、推薦が取れなかった。でも、同志社大学が第一志望でなんとか行きたいということで、10月から一般入試に切り替えた。なかなか短い準備期間ですね。そこで彼が取った行動は、過去問を100年分やることです。わからないところは基礎に戻るという繰り返しで、最終的に6回受けて、社会学部に合格したというストーリーを動画で語ってくれています。このように、過去問はかなり重要です。過去問をしっかりとやってもらって、そこからわからないところ、苦手分野を洗い出し、基礎を徹底的に見直していくという反復練習が重要だと思います。
昨日のオープンキャンパスでも学生トークというイベントを行ないましたが、1日にどれくらい勉強していたのか聞くと、「13時間ぐらい、毎日やっていました」と言っています。
時間で測れることではないですが、やはり自分でやるべきことを全部やってはじめて合格できるのではないかと思います。かなりの準備は必要だろうとは思います。
義原 資子さん
義原 資子さん(以下、義原さん):
うちはもう高校を卒業していて、息子も娘も大学生です。お友達の中には、1年生のときから同志社大学を希望している子もいました。ただ、同志社大学はやはり高い目標で、挫折してしまう子もいて、その中でも、やはり合格した子は今でも楽しそうに毎日通っているので、モチベーションというところがすごく大事なのだと思います。
うちはいま大学2年生なのですけれども、かわいそうなことに高校2年生のときにコロナが始まって、そこで挫折した子がたくさんいたようです。
何歳になっても夢はかなえられるのだよということが伝えられるのかなと思い、今日来てよかったなと思いました。
赤井さん:
うちの息子の学力的に同志社大学は狙えないかなとずっと悩んでいたのですけれども、この間の模試でちょっと良い点数を取って、先生たちにも「同志社大学もちょっと1回考えてみたら」と言ってもらったようです。それですごくテンションが上がっています。でもその分、頑張らないといけないのよと本人には言っています。
同志社大学さんは文系というイメージが私の中にはあって、その辺がうまく説明してあげられないですね。
西口さん:
確かに14学部あるうち、理系といわれるのは理工学部、生命医科学部の2学部ですね。文系のイメージが強いというのはなんとなくわかります。でも、文化情報学部は文理融合の学部ですし、スポーツ健康科学部、心理学部も実験などもあり理系要素が含まれます。最近は総合知といって、文理の枠を超えているといわれますね。文理にとらわれない教育を大学でも進めています。
眞鍋さん:
先ほど言ったように、やはりハードルが高いなということは前から思っていました。あとは、大学を案内してもらって、結構みんなしっかり勉強している印象を受けました。
うちの子は同志社大学を考えていなかったのですけれども、先生からちょっと話は出ていました。資料もいただいたし考えてみようかなとは思うのですけれども、本人も高いところだと思い込んでいるようです。
西口さん:
その思い込みは皆さんにあると思います。
義原さん:
そうなのですよね。塾の先生や予備校の先生も、やはり同志社大学というと、「ああ、結構高い目標ですよ」と言われる保護者の方が多いです。
西口さん:
その「高い」は、先ほどお話したボーダーラインや平均点の高さです。あとはやはり難関国立との併願の受験層が厚く、ライバルが多いことだと思います。問題が標準的なだけに、ケアレスミスは絶対に許されない。ケアレスミスをすると大きな命取りになる入試かなと思っております。
義原さん:
塾の先生にも、高いですと言われると、そこで1回、子どもも親も尻込みをしてしまう。浪人をさせるのは厳しいと考えていらっしゃる保護者の方もたくさんいると思います。
やはり挑戦するという一歩を踏み出して欲しいし、親としても子どもの背中を「いいよ」と押してあげたい気持ちはあります。
西口さん:
昨日のオープンキャンパスの「学生トーク」というイベントの中では、模試の判定を気にしてしまうということが話題になっていました。学生が言っていたのは、結局、最後までE判定やD判定しか出なかったけれども、でも合格できましたと。模試の問題はまったくの別物なので、それは気にするなと。とにかく同志社の過去問で対策して、基礎学力を徹底的に付ければ大丈夫だという話がありました。過去問で8割を目標にしてください。
水津 由美さん
水津 由美さん(以下、由美さん):
同志社大学は、京都にある古き良き大学というイメージでした。息子は理系だから、昨日、京田辺のキャンパスを主人と見に行ったんですけれども、本人もやはりちょっと気になったみたいです。今日、保護者座談会に行ってくるよと言ったら、「どんなのだったか教えて」と自分から言ってきました。
ずっと部活ばかりしていた子で、やっとここで進路をまともに考え出したようです。たぶん何がしたいかのかも決まっていないから、どこかで合致するものがあったら、挑戦できたらいいなと思います。