親子ともに期待と不安が入り混じる大学受験。志望大学や学部、入試方法の選択、勉強の仕方など、悩みは尽きません。今回は、これから大学受験に直面する高校生の保護者の方にお集まりいただき、大学選び、受験勉強、親子のコミュニケーション、進学後の心配、お子さまの状況についてお伺いしました。また、現役の学生にお越しいただき、志望理由や受験時期の過ごし方、学生生活など実体験をお話ししていただきました。
片山政利さん(以下、片山さん):
グローバル化の中で国際性が重要だと頭では理解した上で、理系の学生が入試のときに英語にどう向き合うべきでしょうか。入試の中で英語がどのように配点され、どれぐらい重要かをお聞きしたいです。
立命館大学 入学センター 正木 悠里 課長
立命館大学 入学センター 正木 悠里 課長(以下、正木課長):
これからの時代、英語はもちろん大切ですが、一般選抜においては、特別な対策が必要なわけではありません。
立命館大学の場合、高等学校の学習指導要領にのっとって入試問題を出しています。「独自試験」では全体120点満点で、文系・理系と関係なく同じ問題を全日程で使っていきます。日ごとに出す問題内容はもちろん違いますが、例えば2月2日~3日に行われる「全学統一方式」でその日に出題する英語の問題は文系・理系とも共通です。受験生が対策をそれぞれしなくていいよう、英語に関しては全日程、同じ傾向・形式にしています。120点満点で、理系の場合は120点を100点に換算します。長文の大問が1~2問あり、それ以外は文法的な問題です。長文理解と文法的な問題の配点は5対5にしています。得意・不得意を含め、大学の問題に合わせて対策することも必要ですが、文法部分は入試ぎりぎりまで、こつこつ続けていくことで点数を高めていけるよう設定しており、私立大学の中では配点が高いと考えています。
理系の方で、国公立と併願しやすい「共通テスト方式」を受験される場合、例えば理工学部の7科目型や5教科型の共通テストでは英語を必須としていることもあります。
片山さん:
国際性が重視されるため、入試の英語の配点がとても高いのかなとドキドキしたのですが、そういうわけではないということですね。
正木課長:
本学の学生構成の「国際性」に関して、英語のみで学習していけるプログラムがあり、入試方式は留学生入試や英語基準入試、帰国生徒入試などを行っています。国籍を問わず、国際性の高い入試を行っています。全国各地、世界各地から来た人たちが一緒に交わり合う学生構成を重視しています。
経営学部2年 上野さん
立命館大学経営学部、2年生の上野です。一般選抜で入学しました。兵庫県出身で、現在は茨木で一人暮らしをしています。
高校3年生の1学期は別の大学を志望していました。「夏休みまで部活に専念していて、引退した後にすごく勉強して成績を伸ばして、志望大学へ行く」という魂胆だったのですが、夏休みの間にどれだけ頑張っても合格できるかわからないと、挫折して勉強をやめてしまいました。
10月頃に「さすがに勉強しないといけない」となったときに、国公立大学は今から勉強しても無理だと諦め、選択肢になったのが関関同立です。その中で、立命館大学は真面目な印象で、一般選抜の方式や、入学後もしっかり勉強できる環境が整っていると感じ、志望しました。
僕は文系で、選択科目は数学と社会の日本史、世界史などから選ぶのですが、これが難しかったです。得意な世界史を選択したのですが、勉強をやめていたこともあり、最初解いたときは20点ほどで「絶対に届かないだろう」と思いました。ですが、教科書準拠の教材などを使い、最後までしっかり頑張って覚えたところ、まさかの90点以上を出せるようになりました。
英語はずっと苦手で、最初は120点満点中60点程度でした。なかなか伸びずにいましたが、立命館大学の英語は基礎に特化していて、長文や文法問題などを勉強していけばしっかり点が取れる問題形式だったので、こつこつ勉強していくと80~90点を取れるようになりました。
上野さん
立命館大学に入学してよかったと最初に感じたのは、外国人留学生の多さです。少集団クラスの中に留学生が多く、僕のクラスでは30人中7~8人いたと思います。グループワークなどで話す中、その国の風土や文化について聞くことができました。僕の母親は中国出身なので、中国の留学生から中国について気軽に聞けたことは僕にとって大きなことでした。
もう一つよかったことは、「Cross-cultural Encounters」という、外国人との交流をメインにした講義です。英語圏や韓国、日本の学生が中国語で会話をする授業があり、いろいろな風土や文化、韓国料理や中国料理などについて解説し合い、さまざまな知見を得られました。
大阪いばらきキャンパス(OIC)の立地に関しては、近くに気軽に遊べる場所がないことは少し残念ですが、USJが近いのは魅力です。大学生活で力を入れたことにアルバイトがあるのですが、実はUSJで働いていました。高校時代からアルバイトに憧れがあり、大学に入ったら何のアルバイトをしようかといろいろ想像していた中で、大阪いばらきキャンパスの近くにUSJがあると知り、志望度が高くなりました。立地も大事なポイントです。
食マネジメント学部2年 毛利さん
立命館大学食マネジメント学部、2年生の毛利です。愛媛県出身で、「UNITE Program®」を出願要件としたAO選抜で入学しました。
食マネジメント学部は、課外活動が盛んで、何かニュースがあったら飛びついてやってみようという意気込みで取り組んでいます。2024年春頃からは、全国的に有名なうどんのチェーン企業と商品開発するプロジェクトを頑張っています。
出身の四国では自分の関心にあう大学があまりなく、興味が湧いたのは関西にある大学でした。そのとき食の分野に興味があり、将来食にまつわる仕事をしたいという思いが強くありました。そして、全国では珍しい「食マネジメント学部」のある立命館大学にすごく引かれ、志望しました。
高校2年の冬頃、どういった受験方式にしようと考えた際、早く終わらせたい気持ちと、将来やりたいことや今までの経験を生かしたい気持ちがありました。自身の経験や将来のビジョンなどを実際に教授の方に伝えた上で大学に入りたいという思いが芽生え、AO選抜はいい機会だと思い選びました。
ちょうど私が受験した年に始まったのが「UNITE Program®」です。聞いたこともない名前でどんな入試だろうと調べると、数学をAI学習システム「atama+」でこつこつ学習する必要がありました。希望する「食マネジメント学部」は、数学の知識が必要だと感じていたので、基礎知識をしっかり身に付けておこうと考えました。もしAO選抜で受からなかった場合でも、一般選抜や大学生活で、数学の知識を生かしたいという気持ちがあり、「UNITE Program®」を出願要件としたAO選抜を選択しました。
夏には、AO選抜の資料作りやプレゼンテーションの練習、一般選抜の勉強など、やることは山ほどあります。その中でどれだけ計画的に「atama+」を終わらせられるかが課題で、一日のうちでどれだけ「atama+」に力を注ぐかはすごく工夫をしていました。
毛利さん
最初は「関西」のイメージに不安がありましたが、実際はすごくなじみやすく、いろいろな地域から来ている学生と仲良くなれました。長期休暇中に仲良くなった子の地元を訪ねたり、高校まででは得られなかったつながりが得られ、すごくよかったと感じています。
立命館大学は、サークルを含めた課外活動が盛んなことも特徴です。学生団体やサークルなど、自ら動かないとつながりはできないですし、大学が広いからこそ自分で動かないと何も始まりません。そこが難しい部分でもあり、私自身も今後はもっと主体的に動かないと、という思いがあります。
食マネジメント学部がある、びわこ・くさつキャンパス(BKC)は、甲子園球場16個分の広さがあり、自然が豊かなキャンパスです。食のバリエーションもすごく豊富で、キッチンカーや食堂など、他キャンパスにはない魅力があります。学習する上で、とてもいい環境だと思います。