原田沙織さん
原田沙織さん(以下、原田さん):
AO選抜のプログラムは大変そうだと感じました。他の大学と併願しながら、続けていけるプログラムなのでしょうか?
また、一般選抜は最後まで大変だと思いますが、第一志望の大学が3月末頃に決まるまでの不安な時期をどう乗り越えてきたかお聞きしたいです。
毛利さん:
関東の大学と併願して、2校をAO選抜で受験しました。周りにAO選抜で5~6校併願している人がいたり、併願不可という大学もあります。
私は、併願にしてよかったと思います。研究内容や学びたいことが複数の大学で似ている部分があり、情報を集め、調べていく中で提出書類の精度をそれぞれ高めていくことにつながり、結果的にいい資料に仕上がると感じたからです。そのおかげで、立命館大学の受験では、自身の満足のいく資料を完成させることができました。ですので、併願は不可能ではないと思います。
上野さん:
僕は一般選抜です。世界史と英語がすごく伸びて、いい調子で入試を迎えることができ、最後の日の試験が終わったときには「これは受かったな」と確信に満ちた気持ちで帰ることができました。2~3週間後の結果発表では不安はあまりありませんでしたね。
立命館大学は、2月入試の合格発表が終わってから3月に後期試験があります。「2月がいい結果にならなかったとしても3月に後期入試があるから」という考え方ができたので、不安なく健やかな気持ちで過ごすことができました。
正木課長:
後期試験は、文系では英語と国語の2教科、一部学部によっては共通テスト1~2科目など併せてというケースもあるのですが、理系は理科と数学です。
基本的に2月で実施する入試から3月に実施する入試まで英語はすべて形式が同一で、理科・数学もほぼ一緒です。国語は全学統一方式や学部個別配点方式であれば古文がありますが、共通テスト併用方式では現代文のみです。後期も国語は古文がなく共通テスト併用方式と同じ傾向・形式なため、2月に受けた試験の対策は後期でも生かせるのが特徴です。
澤岻佳子さん
澤岻佳子さん(以下、澤岻さん):
お二人は塾や予備校に通われていましたか?
上野さん:
塾には通っていましたが、学校のテストで点を取れるようになるタイプの塾でした。塾に頼って大学に受かったというよりは、利用できる自習室を活用していました。
志望大学に行きたいという明確な意志を持っていれば、塾でなくても勉強はちゃんとできると思います。
正木課長:
意志を持ってやることが大事ですよね。最近は塾に通わない方も結構いらっしゃいます。
立命館大学では、学校でこつこつしっかり勉強してきたことを受験で生かせる入試を意識しています。塾としても、個々の得意・不得意、ペースに合わせて学習していける個別指導などが増えてきていて、苦手な科目だけ受けるケースもあるようです。
片山政利さん
片山さん:
うちの子は高校3年生ですが、部活でずっと野球をやっていて、夏の大会が終わるまでは勉強どころではないと、まだ塾に通っていません。
今必死になって塾を一緒に探していて、個々に合ったカリキュラムを組んでくれる塾にしようかなと考えています。まだ勉強を全然していないので、上野さんの先ほどの話がすごく心強かったです。
正木課長:
部活を頑張っている方も、目標に向かってみんなで取り組んだり、自分のために何か数値を上げることを経験されていると思います。そのプロセスは、実は受験勉強でも一緒です。
立命館大学の場合、合格最低点を発表しています。過去問題を解いたり、できなかった問題や特に苦手な部分など、克服するためには何をしたらよいか分析し、再度やってみて、次に模試を受けていく。その繰り返しだと思います。
これは、受験勉強だけでなく、今後社会に出てからも必要になるプロセスです。お子さまが今熱中されていることは必ずしもかけ離れているわけではないと思います。
片山さん:
ありがとうございます。心が少し穏やかになりました。
片山さん:
学生のお二人に、親子のコミュニケーションについて伺いたいです。
受験に向け、親としていろいろサポートをしたいところですが、子ども側として「こんなことを言われたら嫌だな」「こんなことを言ってもらってうれしかった」ということがありましたら教えていただけますでしょうか?
毛利さん:
受験時期はすごく不安な状態なので、親から何を言われてもグサッと刺さったり、「何で」と思うこともありました。特に大人目線で高校生が知らないようなことを言われると、理解するのに時間がかかります。AO選抜のために資料作りを頑張っていたのですが、私には分からない法律や経済の話、高校では学んでいないようなことを資料に入れたらいいのに、と父から言われたときは理解ができなかったです。高校生の知っている知識内で言ってもらえたほうがすんなり入ってきます。
一方で、応援してくれている言葉や、「あなたらしく進んだらいいよ」と言ってもらったときはすごく安心しました。受験は一つの目標ではあるのですが、「受験は一つのゴールでしかないから」と言ってもらえたときは、今自分ができる限りのことを頑張ろうと思いました。
上野さん:
今は違うのですが、受験当時はそれほど仲がよいという家庭ではありませんでした。僕が中学生から高校生までずっと反抗期だったこともあり、「大学に行っても、行かなくてもどちらでもいい」という両親でした。
勉強していたはじめの頃は「何で勉強しているの?」と言われたこともあります。ですが、「絶対に自分はいい大学に行って、いい会社に入るから、自分は絶対ここに行きたい」と答えると、「そうなのか。じゃあ、いっぱい応援する」と言われたときは、すごくうれしかったです。
反面、親に模試の結果を見せて、「何でこんな判定なの」「何でこんな点数なの」と言われたときは、「ちょっと今言わないでおいて」「ちょっと慰めて」とは思いましたね。
一番うれしかったのは、冬頃に切羽詰まってくる中、学校から帰ったときに、親がそっと自分の机の上にプリンやデザートを置いてくれていたことです。後で聞くと「買ってきたから置いといたよ、頑張りや」と言われて、すごくほっこりしました。
片山さん:
大人目線で言ってしまうのは、子どもはつらいということがよくわかりました。気をつけます。言いにくい話をありがとうございます。
原田さん:
小学校からテニスをやっていて、今もテニス部で頑張っています。一生の思い出になる部活は絶対にしてほしいので、アルバイトはしなくても部活を頑張ってほしいと思っています。塾も通っているのですが、今のところ何とか両立しながら頑張ってくれていると感じています。
澤岻さん:
うちは1年生で陸上部のマネジャーとして入り、1年間マネジャーをしたのですが、急に選手になりたくなって、選手のメニューをやるようになりました。
試験1週間前は部活がない期間ですが、自主練はできるようで、テスト期間なのに帰宅が遅いなと思い「学校で勉強していたの?」と聞くと「自主練していた」と。勉強しなければいけないときはする、部活をやるときはやると、けじめをつけてやってほしいと伝えました。
正木課長:
部活を引退してから、夏休みの切り替え期間をうまく使えるかが一つポイントになると思います。
片山さん:
先ほどのお話で11月以降に成績が伸びる傾向とのことでしたので、それに期待したいです。
正木課長:
高校の先生方からも、11月以降から伸びるので最後まで粘らせたいという進路指導の先生方の声をよく聞きます。18歳の集中力と記憶力が高いその時期に、最後まであきらめずに取り組んでいただくことを立命館大学も応援しています。
片山さん:
私はインターネットで、大学の公式ホームページからの入手がメインになっています。どんな受験の科目があるかや、採点の比率などを調べ、一覧表をExcelで作っています。
いろいろな方がブログで掲載している情報を参考にすることもありますが、信頼性としては大学の公式ホームページが一番だと考えています。
原田さん:
上の子の受験の際は、ママ友情報などをかき集めて、興味があるものをインターネットで調べました。塾の懇談で今年のことも聞きました。
澤岻さん:
私は子どもが行きたいと言っている大学の学部をチョイスして、オープンキャンパスに一緒に行き、積極的に質問しました。大学の建物や、答えてくれる職員の方、総合的な印象で判断しています。
片山さん:
オープンキャンパスには親子で行かれるんですね。
澤岻さん:
男子学生と母親、女子学生と父親の組み合わせや、家族で来ている方もいました。
正木課長:
部活動をされていたら、親御さんだけでオープンキャンパスに参加されるケースも最近はあります。
片山さん:
うちは「オープンキャンパスに行こうか」と聞くと、「友達と行くので大丈夫」と言っていました。
片山さん:
2年生の夏休みの宿題に「オープンキャンパスに一つ行く」というのがあり、友達あるいは親子と必ずどこか一つには行くことになっているようです。