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読む!お仕事
〜いずみ委員 Selection 〜
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特集「お仕事」記事一覧
特集本編では本にかかわる仕事、仕事人にスポットを当ててお届けしてきましたが、世の中にはもっと多種多様のお仕事があります。ということで、ここではお仕事が描かれている本を集めてみました。さあ、本の世界でお仕事体験してみませんか。
テーマパークスタッフ
松岡圭祐
『ミッキーマウスの憂鬱』
新潮文庫/本体520円+税
夢と魔法の王国、ディズニーランド。しかしその夢や魔法を生み出しているのは、園内で働くスタッフたちだ。彼らがプライドを持って仕事をしているからこそ、ディズニーランドは開園から三十年以上経つ今も絶大な人気を誇っているに違いない。本書を読んで、私はミッキーマウス(の中の人)の大ファンになりました。(北)
検察
中嶋博行
『検察捜査』
講談社文庫/本体720円+税
大物弁護士の拷問殺人事件に新米美人検察官と中堅事務官のコンビが挑む。その背後に法曹界全体を揺るがす陰謀が潜んでいるとも知らずに。そう、検察官は犯罪捜査を行う職業でもあるのです。法曹三者とその各事務官まで、弁護士の作者が司法関係の仕事の実態や理念を赤裸々に描いた、リーガルミステリー往年の名作です。(笠)
警察学校
長岡弘樹
『教場』
小学館文庫/本体630円+税
警察学校という特殊な閉鎖空間で机を並べる初任課第九十八期短期課程の面々は、年齢も職歴も志望動機も様々。そんな彼らの過去が、人間模様が事件を呼ぶ。連作短編のサスペンスミステリーという構成こそ、『教場』で描かれる警察学校そのものだ。腹に何を抱えていても、卒業までは誰もがここで過ごすしかない。(杉)
ハローワーク職員
久保寺健彦
『ハロワ!』
集英社文庫/本体600円+税
職業安定所、通称ハロワ、その職員も意識されづらいですが立派な公務員です。失業を経てハロワ職員となった主人公が、求職者と向き合いながら真っ直ぐに力強く成長していく姿に勇気を貰えます。もどかしい恋がいいエッセンスです。今のうちに職をマッチングさせる立場を知ることで、視野が広がること間違いなしです。(笠)
市役所職員
荻原浩
『メリーゴーランド』
新潮文庫/本体670円+税
決め台詞は「前例がない」。そんな典型的なお役所に勤める啓一が、超赤字市営テーマパークの再建チームに異動することに。一念発起し、人脈の全てを使ってガツンと全面改革を目指す。ページをめくるごとに、やりがいを見出し仕事に熱中する姿が眩しく感じられる。七転八倒、最後にちょっと苦い、エンタメ奮闘記です。(笠)
漁船労働者
小林多喜二
『蟹工船/一九二八・三・一五』
岩波文庫/本体700円+税
「プロレタリア文学」には難しい思想が出て来るんじゃないかと思っていた。けれど読んでみたら反対だった。「搾取」って何をされるのか。それを良しとしないと決めたとき、労働者が「みんな」で立ち上がることにどんな意味があるのか。もう一度、何度でも。『蟹工船』はどこまでも具体的で、ドラマティックな物語だ。(杉)
自衛隊・航空機メーカー
有川浩
『空の中』
角川文庫/本体705円+税
高度二万メートルで起きた二つの航空事故。メーカー担当者・春名が聞き取りを行うことになったのは、生き残りの自衛官・光稀。二人が再現フライトで出逢ったのは、直径50kmを超える知的生命体でー。仕事を通して二人が惹かれ合ったように、私も彼らを好きになった。成すべきことに真っすぐ取り組む姿は、みんな格好いい。(杉)
学者
川上和人
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』
新潮社/本体1,400円+税
痛い、それは痛すぎる。夜の無人島で調査をしていた先生のエピソードを読んだ時の私の気持ちです。なんでも耳に蛾が入ったそうで、一晩中痛みと戦ったとか。鳥類学者はどんなことをしていますか? 鳥の研究です、と一言では済まされない、苦労と困難と受難がこの一冊につまっています。(母)
パティシエ
きら
『パティスリーMON 1~5』
集英社文庫/本体780〜800円+税
パティシエは女の子の憧れの職業だけど、こんなにハードな仕事だとは知らなかった。まず朝が早い。おまけに一日中立ちっぱなしで、力仕事も多い。早く一人前になりたければ、終業後や休日にもお菓子作りの練習をする必要がある。それでも日々前向きに奮闘する主人公たちはきらきらと輝いていて、ケーキを食べたくなった。(北)
医師
夏川草介
『神様のカルテ 3』
小学館文庫/本体714円+税
信州の地方病院で働く医師、一止。そこにやってきた最先端の医療を学び続ける小幡先生。目の前の患者にひたむきに向き合う一止に対して、小幡先生は「医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの」と言い放つ。小幡先生が最先端に力を注ぐ理由。そして、一止の誤診。良い医者とは何なのか。悩んだ結果一止が出した決断とはー。(田)
ホテルマン
岡崎琢磨
『新米ベルガールの事件録』
幻冬舎文庫/本体600円+税
崖っぷちホテルの名を持つホテルに入社した千代子。先輩上司からつけられたあだ名は「おっちょこちよこ」。このホテルに訪れるお客さんは、毎回少々ワケあり。千代子と先輩社員で、お客さんを巡る謎を解いていく。お客さんのことをよく観察し丁寧なサービスをしているからこそ見える視点が、謎を解くカギになっていく。お仕事ミステリー。(田)
なんでもやさん
三浦しをん
『まほろ駅前多田便利軒』
文春文庫/本体600円+税
こちら多田便利軒。チワワの世話からバスの運行監視まで、なんでも引き受けます。まほろ市の人びとの生活を影で支える便利屋さんのもとに、ワケありな雰囲気を漂わせた高校の同級生が転がり込んで来た。その途端にキナ臭い依頼が次々迷い込んできて......さあ大変。くすくす笑えてホロリとする便利屋さんの冒険譚。(任)
マッサージ師
彩瀬まる
『神様のケーキを頬ばるまで』
光文社文庫/本体560円+税
マッサージ屋を営むムツミは、客の身体をほぐしながら彼らの身の上話を聞いて日々を過ごす。首にあざがある女性が来店したことで、自らの心も疼きはじめるが......。癒しをつかさどるマッサージ師に心の平穏は訪れるのだろうか。どこにでもありそうな雑居ビルで働く人びとの、苦悩と救済を描いた連作。(任)
表現者
岩波書店
『表現する仕事がしたい!』
岩波ジュニア新書/本体780円+税
表現する仕事、と聞いてどんなものを思い浮かべますか? 漫画家、音楽家、作家......人によって思いつくものが様々であっても、想像力を使い自分を思い切り外に出すことができる仕事であれば最高ですよね。けれど、自分の好きなもので生きていけるのはほんの一握りの選ばれた人間。そんな悲観した考えの方は、表現の現場をこの本を通じて見ていきましょう。(母)
翻訳家
村上春樹・柴田元幸
『翻訳夜話』
文春新書/本体740円+税
英米文学の翻訳を牽引する大御所二人組が翻訳を語りまくる一冊。大学生や翻訳家の卵からの質問にテンポよく答えながら、翻訳愛をぶちまけます。村上さんの小説家ならではの視点も加わり、読み応え抜群。お互いが訳した作品を訳し直す「競訳」も読めば、翻訳の奥深さに魅了されること間違いなし。(任)
カメラマン
真保裕一
『ストロボ』
文春文庫/本体740円+税
馴染みはあるけれど、よく知らない職業のひとつにカメラマンがある。本書では、プロカメラマンの半生が、50歳から22歳まで遡っていく形式で描かれている。本書を読んで、私は年齢も立場も考え方も時とともに変化していくのだということを思い知らされた。でも、若い頃に抱いた理想や情熱は何歳になっても忘れたくないな。(北)
校閲記者
毎日新聞校閲グループ
『校閲記者の目』
毎日新聞出版/本体1,400円+税
「紙面を守るゴールキーパー」である校閲記者。本書では校閲記者の体験ができます。みなさんはいくつミスが見つけられますか。「任期を迎える」「笑顔がこぼれる」。私に取っては違和感のない日本語だったが、これらは校閲的には「赤」が入る。その理由も書かれていて、納得しながら読み進められる。実際に校閲記者が赤を入れた記事があり、より一層校閲の仕事が見えてくる一冊。(田)
音楽
木村由香里
『ミュージシャンになるには』
ぺりかん社/本体1,170円+税
え? ミュージシャンってなれますか? この本に出会った時の率直な私の感想です。音楽で生きていくことへの憧れはありますが、好きと得意と現実は比例しませんよね。ふつうにそう考えてしまいがちですが、そうではないのが「なるにはブックス」。夢を憧れで終わらせたくない人、夢を夢のままにしておきたくない人へこの作品を贈ります。(母)
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