西南学院大学續木先生インタビュー

はじめに

今回は、西南学院大学の續木先生にインタビューを行いました。續木先生は、カンボジアで運動会を通して体育の楽しさを広める活動を行っています。今回は、その活動を実施するに至った経緯や目的、今後の展望などについてお話を聞きたいと思います。

集合写真

メンバー

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續木智彦

所属:西南学院大学
   人間科学部心理学科
役職:講師

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伊藤ひかり

所属:西南学院大学
   人間科学部心理学科
役職:学生(4年生)

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池田美南子

所属:西南学院大学
   人間科学部心理学科
役職:学生(2年生)

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橋上実穂

所属:西南学院大学生協
役職:生協職員

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清水竜

所属:全国大学生協連
役職:学生

續木先生の研究内容について

清水:
今日は續木先生が行われている、カンボジアで運動会を広めるという活動についてお聞きしたいと思います。その前に、まずは續木先生がどういった研究をされているのかということをお聞きしたいです。

續木先生:
僕の研究のテーマは「子どものからだとこころづくり」です。どんなことかというと、近年、子どもたちのからだが育ちそびれているという問題が起きているんです。新体力テストの結果、体力運動能力の合計点は上がっているんですけど、握力及び走、跳、投能力に関わる項目は低下し、二極化の傾向を示しているんです。

スポーツをやっている人でも、自分がやっているスポーツは得意なんだけど、他のスポーツをやったら上手にできないといったように、ある特定のものに対するからだはどんどんどんどん育っているんだけど、自分のからだを自由自在に扱う力が育っていないんです。そのようなことをフィジカルリテラシーと呼んでいるんですけれども、自分のからだを自由にコントロールして、例えば労働でも生活でも運動でも、自分の持っている体をコントロールしてそのときそのときに必要なからだの使い方が出来るという力が育っていない、それをどうやって育てるかということを研究テーマにしています。それを教育現場で、つまり体育の授業などで自分のからだを知り、自由に自分のからだを使いこなせるからだを育てる実践を含めて研究しています。

また、からだと心の関係性ですけど、振る舞いとか身振りとかって自分の心を表していると言われているんです。自分の心を表現するからだと考えた時に、からだが上手く育っていないのは、からだが自分の心を的確に表現できないということです。なので、からだが育ちそびれているという問題は、運動とか労働とか生活とかの場面で必要とされるからだだけじゃなくて、人や環境とのからだの文化の未発達みたいな側面もあると思っています。

つまり、からだを育てていくというのは、上手に運動や活動ができるというだけではなくて、人との関係という部分も踏まえてからだを育てるということも考える、それが今の僕の研究テーマです。