留学先で見つけた世界の書店

特集「文学で世界旅行」記事一覧


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自分らしくいられる街、シアトルの本屋で

・・・アメリカ・シアトル The Elliott Bay Book Company・・・

 The Elliott Bay Book Companyは決して大型書店ではありませんがゲイタウンとして知られるCapitol Hill地区に店を構えるだけあってリベラルな雰囲気に満ちたおしゃれな本屋さんです。店の奥には小さなカフェが併設されていて、購入した本をコーヒーとともに楽しむ、なんてこともできます。週末には多くの人で賑わう、まさにシアトル市民に愛される本屋さんです。
 入ってみれば気がつくのですが、なにやら細長い白い紙が大量に本の下から伸びています。これ実は、店員さんがオススメの本につけているコメントなんです。日本でも時々見かけますが、その量から店員さんたちの本への愛が伝わってきます。特に買いたい本がなくても、ふらっと立ち寄って興味のある分野の棚で店員さんたちのコメントを読んでいれば素晴らしい本に出会えるかも!

(東京大学 伊澤 涼)

  • 書店の入り口。すこし奥まったところにあるので見落とさないようにしましょう。
  • この写真には入りきらないくらいジェンダー・セクシュアリティ関連の本が!さすがシアトルですね。
 

 

ソウル大に文句なし!

・・・韓国・ソウル大学・・・

 ソウル大学付属の書店です。本を買うなら、やっぱり生協が一番ですね(笑)。一般書籍や教科書、雑誌はもちろん、英語の参考書が充実しています。この分厚いTOEICの参考書は漬物石としても人気があるようで、さすがキムチの国だなと納得しました。日本の漫画や小説も人気です。平積みされている『キサダンジャン・チュギギ』は「騎士団長殺し」のこと。韓国語は日本語と発音も似ていて面白いですね。実はアンニョンハセヨも「安寧ハセヨ」なんですよ。 お会計はこちらのレジで。買った本にはスタンプを押してくれます。電子化が進んだ韓国では、現金も使えますがカード支払いが一般的です。「一回払いですか?」を聞き逃して黙っていたら、本を買うお金がなくて悩んでいる苦学生みたいになってしまいました。留学がんばります。感謝ハムニダ。  

(東京大学 山田恭平)

このコーナーにある本はすべてサムスン入社試験の対策本です。

 

 

フランスの『本』文化

・・・フランス・リヨン・・・

 フランスといえばパン、エッフェル塔、美食といったものを思い浮かべるでしょう。しかし実際に足を運んでみると、「本」の文化にも圧倒されます。ここで、私がフランス留学で体験したものを少し紹介したいと思います。
 まず第一の衝撃は電車の中でした。過半数の乗客がスマホや睡眠に時間を費やしている日本に比べ、フランスではそのような光景は全くなく、本や新聞などを読んでいる人がほとんどでした。また、本屋での一人当たりの購入額にも衝撃を受けました。一人6、7冊は抱え、優に100€(約1万円)を超える買い物があたりまえのようでした。そして天気の良い日にはピクニックがてら読書している人もたくさん見かけました。
 このようにかいつまむ形になってしまいましたが、フランスの本文化の素敵さが少しでも伝わった事を祈ります。そしてあなたが素敵な本と巡り合えますように、Bonne chance!

(早稲田大学 安部 悠里子)

日本でも馴染みの「星の王子様」。フランスでは誰でも読んだ事のある名作。作者はリヨン出身。

 

 

街の縮図のような書店

・・・デンマーク・コペンハーゲン Arnold Busck・・・

 コペンハーゲンの書店は、大半が中小規模のものである。そのなかでも今回は市の中心部にあるArnold Busckという書店を紹介しようと思う。この書店は1、2階が一般書籍、地下1階が児童書籍と文具コーナーとなっている。この書店の特筆すべきところは、建築やアート系の本がとても充実しているということ。コペンハーゲンの街は、「人々が自然と行きたくなるような街」というコンセプトをもとに設計された街、ということもあって、デザインに関するこだわりが高い。日本でも人気の雑貨屋、フライングタイガーもここが発祥の地である。思えばこの書店にはカフェが併設されていたり、視覚に訴えかけてくる表紙の本が多く、「特に用事がなくても訪れたくなるような」書店なのである。この書店を訪れれば、あなたもこの街のコンセプトを実感できるのではなかろうか。

(東京大学 江尻 健)

  • レシピ本コーナーの本はどれも手に取りたくなるような表紙の本ばかりである。
  • 併設されたカフェ。また、季節によって写真のようなハロウィンコーナーなどが出現する。
 


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