2022年のマイベスト
『読書のいずみ』委員&読者スタッフ

特集「本とともにキャンパスライフを」記事一覧

 
本を愛する『読書のいずみ』メンバーたちの、本にまつわる実態調査。

調査項目

  • A…2022年に読んだ本ベスト3
  • B…2022年に読んだ本の冊数
  • C…お気に入りの読書アイテム
  • D…読書がはかどる時間帯
  • E…本を携えてどこに出かける?
  • F…今一番会いたい著者(敬称略)
 
  • 東京工業大学 中川倫太郎/いずみ委員

    A
    ①別役実
    『思いちがい辞典』
    (ちくま文庫) 購入はこちら >とにかく面白かった。読みながらずっとニヤニヤしていた。創作の本質は「うまいウソをつく」ことであって、そのウソで読者をまるごと騙すことのできる人が作家になれるんだろうな。絶版なのが本当にもったいない。出版社さんこれを機に是非!

    ②イサク・ディネセン〈横山貞子=訳〉
    『アフリカの日々』
    (河出文庫) 購入はこちら >僕たちの多くはアフリカをほとんど知らない。それは単に無関心なだけかもしれないが、底なしの無責任ともいえる。地球に生を受けた以上、地球のすべてを僕は知りたい。この本にはアフリカがある。

    ③高橋源一郎
    『さようなら、ギャングたち』
    (講談社文芸文庫)購入はこちら > 「当人にとって素晴らしい小説とは『自分では(いい意味で)ぜったい書けない』と当人に思わせてくれるような小説だ」と、どこかで聞いた覚えがある。このテーゼに則れば、僕にとってこの本は素晴らしい本だ。ぜったいに、書けっこない。

    B 30冊/ C 誕生日プレゼントに貰ったキャンバス生地の紅いブックカバー/ D 深夜眠れないとき/ E 北海道の超田舎/ F サリンジャー
     
     

  • お茶の水女子大学 川柳琴美/いずみ委員

    A
    ①阿部智里
    『烏の緑羽』
    (文藝春秋)購入はこちら > 毎度のことながら怒濤の伏線回収に脱帽しました。信頼とは、幸せとは……。山内がこれからどうなっていくのか、次の展開が気になって仕方ありません! 阿部さんへのインタビューや推し語りができたのも最高の思い出です。

    ②土屋賢二
    『幸・不幸の分かれ道 考え違いとユーモア』

    (東京書籍) 購入はこちら > 哲学への関心を高めてくれた一冊です。固定観念が壊されたり、言語化できていなかった考えが的確に表現されていたり、それでいて軽快でユーモア溢れる語りに夢中になりました。土屋先生の授業を受けてみたかったです。

    ③ブレイディみかこ
    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

    (新潮文庫) 購入はこちら > ずっと読みたいと思っていて、ようやく読めました。はっとさせられることが多く、世界を見る新しい視点を得られた本です。胸に残る言葉の数々に出会うこともでき、他人の靴を履くことのできる人間になりたいと思いました。

    B 50冊/ C 集めているブックカバーと栞/ D 深夜/ E 京都、離島/ F 菅原孝標女
     

  • 京都大学大学院 徳岡柚月/いずみ委員

    A
    ①堀田きいち
    『君と僕。』
    (スクウェア・エニックス) 購入はこちら > 2022年にとうとう最終巻が発売されました。楽しくてかわいくて、でもあっという間に過ぎ去ってしまうから切なくて、でもやっぱり幸せな高校生たちの物語。私の青春時代を彩ってくれた大切な物語で、彼らの元を訪れると、いつでも胸がきゅっと、温かくなります。

    ②青崎有吾
    『11文字の檻』
    (創元推理文庫)購入はこちら > 様々な技巧を凝らしたミステリーや物語が8編含まれた豪華な一冊。中でもお気に入りは『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』のトリビュート作。親友との関係や将来への思いなど、1人の女子高生の気持ちを柔らかく描いた、心がぽかぽかする作品。

    ③ショーン・タン〈岸本佐知子=訳〉
    『ロスト・シング』
    (河出書房新社)購入はこちら > 子どもの頃は、今よりもっと世界をしっかり見れていた気がするのに、今は目の前のことに夢中で、呼吸も浅くなったよう。でもこの本を開くと、子どもの頃の景色を取り戻せそうな気がします。折に触れて読み返したい作品です。

    B 190冊/ C ブックカバー/ D お昼過ぎから夕方/ E 森、公園、海、どこか遠くの町/ F 坂口安吾
     
     

  • 名古屋大学法科大学院 光野康平/いずみ委員

    A
    ①ケイト・マン〈小川芳範=訳〉
    『ひれふせ、女たち:ミソジニーの論理』
    (慶應義塾大学出版会) 購入はこちら > ミソジニーを「男性中心社会の秩序を維持する執行機関」として捉え、その構造を鋭く分析した本作の力強さに圧倒されました。

    ②河野真太郎
    『新しい声を聞くぼくたち』
    (講談社)購入はこちら > 「新しい声」が届くようになったポストフェミニズム時代に「ぼくたち」男性は「新しい声」をどう聞いて、応答することができるか。ポップカルチャーを通じて楽しく、深く考えるきっかけをくれた一冊です。

    ③朝井リョウ
    『正欲』
    (新潮社)購入はこちら > 今年改めて読み返し、登場人物たちの刺激の強い独白に込められた著者の優しさに気づきました。「どんな人だって生きていていいのだと伝えたい」と本作について語っていた朝井さんの思いをようやく受け取れました。

    B 30冊/ C 背もたれのあるイスと机(机がないと嫌なタイプです)/ D 人、授業、映画等々の待ち時間/ E 温泉/ F 朝井リョウ
     
     

  • 千葉大学 古本拓輝/いずみ委員

    A
    ①立川浦々
    『公務員、中田忍の悪徳』
    (ガガガ文庫) 購入はこちら > 今年のブックオブ・ザ・イヤーをベスト1位で駆け抜けた作品。超絶堅物な主人公の元に異世界エルフが召喚されて……。己を捨ててきたクソ真面目公務員は徐々に生活のペースを崩されていく。生きる意味や幸せを問う異色のライトノベル!

    ②今井むつみ
    『ことばの発達の謎を解く』
    (ちくまプリマー新書) 購入はこちら > 赤ちゃんは母のお腹のなかですでに言語学習を進めている?! そんな衝撃から始まる著書を手掛けるのは言語心理学の権威。専門用語を用いず、赤ちゃんの言語習得の過程を興味深い実験結果とともに明快に示す。

    ③カネコナオヤ
    『スカート×アフタースクール』
    (ライブコミックス)
    乙女の心は漢にこそ宿る。男子校の主人公は女装の快感に目覚めてしまう。女装部設立に猛反対する教師にはある秘密があり??。抱腹絶倒のコメディとスポ根は正真正銘の青春劇。「好き」のために生きることへの葛藤や熱意は心を揺さぶる。

    B 80冊/ C めちゃくちゃ細い付箋(面白い部分に一行ごとに貼れます)/ D 休日のお昼にコーヒーをドリップしながら(とん、とんとサーバーに落ちる規則的なコーヒーの音と部屋いっぱいになる香りが私と本だけの世界へいざないます)/ E どこでもないどこか(旅の途中の電車や船の上など)/ F さくらももこ
     
     

  • 京都大学 齊藤ゆずか/いずみ委員

    A
    ①石原真衣
    『〈沈黙〉の自伝的民族誌』
    (北海道大学出版会) 購入はこちら > アイヌと和人、二つのルーツをもつ著者の葛藤、そして本の中で語られる「痛み」とどう向き合うか、今も考え続けている。この社会が誰かを「沈黙」させて成り立っているということを衝撃とともに自覚させてくれた本。

    ②上橋菜穂子
    『香君』
    (文藝春秋)購入はこちら > 待望の上橋さんの新作。生き物のこと、人間のこと、社会のこと、すべてを包み込む壮大な物語。誰かを「救いたい」という願いがこだまする中で、香りという声に耳をすませる少女の覚悟に、その美しさに息をのんだ。

    ③阿部智里
    『烏の緑羽』
    (文藝春秋) 購入はこちら > 激推しファンタジーの最新作。時間と空間を縦横無尽に駆けまわり、最後まで読者を驚かせ続ける。どの登場人物も深い背景とともに描かれ、誰かを信じるとは、かかわりあうとはどういうことかを問うてくる。

    B 46冊/ C しおり/ D 夕方、無限に時間があるように感じられる日の入り前/ E 移動中に読みたいので、移動に時間のかかるところ。電車旅に出かけたい/ F 石牟礼道子
     
     

  • 東京経済大学 内田充俊/読者スタッフ

    A
    ①千早茜
    『男ともだち』
    (文春文庫)購入はこちら > デートに誘う勇気がある人より、デートに誘われたい人の方が断然多い。雛のように口を開けて待っていても、楽しいことは降ってこないからだ。本書の主人公たちは、「楽しいことを掻っ攫いに行く」能動的な男女です。主人公の生き方に学ぶつもりで読み返したい一冊。

    ②吉本ばなな
    『ミトンとふびん』
    (新潮社) 購入はこちら > 誰かに掛ける温かい言葉は、誰よりも自分が言って欲しい言葉だ。誰かを温かい言葉で包み込もうとする人の中に満たされない寂しさが見え隠れする。本書は、そんな寂しさと人間らしい不器用な優しさが行間に溢れている本です。不器用で人間関係に悩むあなたに。

    ③大白小蟹
    『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』
    (リイド社)購入はこちら > これは、後悔を集めた短編集だ。後悔ない人はいない。「あんなにバイトに明け暮れずに、好きな本を好きなだけ読めばよかった。」「とりあえず行き先も決めずに電車に飛び乗れば良かった。」そんな、供養できない気持ちが供養されるような本です。

    B 365冊/ C コーヒー/ D テスト期間中!原稿を書いている今です!/ E 手に持った本の感想を語り合える友人との待ち合わせ場所。あるいは、手触りの良い猫がたくさんいるところ/ F 菊池寛
     
     

  • 静岡大学 鈴木大翔/読者スタッフ

    A
    ①三浦しをん
    『愛なき世界』
    (中公文庫) 購入はこちら > 自分自身が理学部に所属していることもあり、親近感があった。登場人物に悪い人がいないため、心が温まる。理系の雰囲気が味わえる作品だと思います。

    ②沢木耕太郎
    『天路の旅人』
    (新潮社) 購入はこちら > 好きな作家だから。著者の綿密な取材と文章力から、戦中戦後に密偵としてチベットを旅した男の人生が味わえる、旅好きにはたまらない本だったので選びました。

    ③V. E. フランクル〈池田香代子=訳〉
    『夜と霧 新版』
    (みすず書房) 購入はこちら > ホロコーストにより強制収容所に収容された心理学者である著者が、極限の環境から人間存在について考察した本です。今を生きているということについて考えさせられるとともに、戦争の悲惨さを感じられます。今だからこそ、全ての人に読んでほしい本ということで選びました。

    B 30冊/ C なし/ D 勉強しないといけないときにする読書が一番はかどるきがします/ E 本をもって寝台列車に乗ってみたい/ F 沢木耕太郎
     
     

  • 新潟大学 古沼花月/読者スタッフ

    A
    ①森見登美彦
    『夜は短し歩けよ乙女』
    (角川文庫)購入はこちら > 名作だとは聞いていましたが、なるほどこれは超名作です。現役大学生でこの本を読んで響かない人がいるならば連れてきてほしいです。「四畳半シリーズ」のアニメや映画も見て森見ワールドを満喫した1年でした。

    ②宮部みゆき
    『この世の春』
    (新潮文庫)購入はこちら > 宮部みゆきさんの時代小説が大好きなのですが、この本は上中下巻もあるのにあっという間に読み終わりました。殿が可哀そうで呻きながら読んでいましたが、サイコホラーと人情味がたまらなく面白かったです。

    ③下山健人、石ノ森章太郎、石森プロ
    『小説 仮面ライダージオウ』
    (講談社キャラクター文庫) 購入はこちら > パラレルワールドとタイムトラベルと時間操作を掛け合わせた異常なほど重厚なSF作品です。ドラマ本編を見た方は是非読んでほしいです。とあるキャラクターの一人称で物語が進むのですが、地の文の小ネタも凝っていて本当に傑作だと思います。 

    B 50冊/ C クッション/ D 昼間/ E 旅行先のホテル/ F 綾辻行人
     
     

  • 大阪公立大学大学院 福田望琴/読者スタッフ

    A
    ①カシワイ
    『ひとりの夜にあなたと話したい10のこと』

    (大和書房)購入はこちら > 絵と言葉で綴られた優しいお話たち。夜寝る前に読むと心が和らいでいき、いつもより深く眠れるような気がします。

    ②江國香織
    『旅ドロップ』
    (小学館文庫) 購入はこちら > 国内外の旅行でのときめき、わくわくした気持ちがたくさん収録されたエッセイ。旅先でこの本を読むと、より楽しい気持ちになれる気がします。

    ③草薙厚子
    『僕はパパを殺すことに決めた』
    (講談社) 購入はこちら > 図書館でたまたま手に取り、時間を忘れて読みふけった一冊。容疑者である少年の悲痛な叫びが聞こえてくるようでした。すべての事件には、報道では語り切れない背景があるのだと教えられた、とても印象深い本です。

    B 20冊/ C 布団/ D 夜/ E 海、川辺/ F エドワード・ゴーリー
     
     

  • 早稲田大学 力武麗子/読者スタッフ

    A
    ①住野よる
    『麦本三歩の好きなもの 第一集』
    (幻冬舎文庫) 購入はこちら > 高校生のころから読みたいと思っていてやっと読むことができた。主人公の日常に共感できたり発想に驚いたり自分も日常を楽しんでいこうと思える作品です。今年発売された第二集も読んでいます。

    ②石井玄
    『アフタートーク』
    (KADOKAWA) 購入はこちら > お仕事エッセイっておもしろいと思うきっかけとなった。ラジオ業界をのぞき見できて、ラジオを聴くのがより楽しくなりました。

    ③村上春樹
    『風の歌を聴け』
    (講談社文庫) 購入はこちら > 人におすすめされて読んでみたら村上春樹作品への苦手意識がなくなるきっかけとなった。これから他の作品も読んでみたいと思っています。

    B 12冊/ C ブックカバー/ D 夜/ E 旅、カフェ/ F 原田マハ
     
     

  • 北海道大学 沼崎麻子/読者スタッフ

    A
    ①松山淳、諸富祥彦
    『君が生きる意味』
    (ダイヤモンド社) 購入はこちら > 「それでも人生にイエスと言う」って誰の言葉だっけ? とふと思ったことがきっかけで手にした、V.E.フランクルの超初心者向け入門書。もっとフランクルの著書を読んでみたいと関心が広がる足掛かりになりました。

    ②松尾諭
    『拾われた男』
    (文春文庫) 購入はこちら > ほぼ実話の人気ドラマ原作。選択、出会い、失敗が思わぬ未来につながる過程に、小説もリアルな人生も伏線回収に満ちているということを実感させてくれた作品でした。私の人生の伏線回収については、また別のお話で。

    ③アンジェラ・ダックワース〈神崎朗子=訳〉
    『やり抜く力』
    (ダイヤモンド社) 購入はこちら > 学術研究をベースに、一流選手や研究者の持つ「やり抜く力」の特徴や伸ばし方を解説した本。私は院生生活で何度もこの「やり抜く力」の大切さを痛感しました。研究、部活、就活、その他……大きな目標を持つ方、必読です!

    B 60冊/ C にゃんこのブックカバー/ D 時間帯問わず現実逃避したいとき/ E 通学中に地下鉄で読みたいので「学校」/ F 灰谷健次郎
     
     

  • 千葉大学 三好一葉/読者スタッフ

    A
    ①金子文子
    『何が私をこうさせたか—獄中手記』
    (岩波文庫) 購入はこちら > 大正時代のアナキスト、金子文子の自伝。無戸籍者として苦難を重ねながら、自分らしく生きようともがき学ぶことを渇望したまっすぐな筆致に、背筋の伸びる思いがした。彼女の享年は今の私とそう変わらない。

    ②笹井宏之
    『えーえんとくちから』
    (ちくま文庫) 購入はこちら > 夭折の歌人のベスト歌集。三十一文字に込められた、あまりにも繊細で優しいまなざしに胸を打たれる。「もうそろそろ私が屋根であることに気づいて傘をたたんでほしい」

    ③井戸川射子
    『ここはとても速い川』
    (講談社文庫)購入はこちら > 養護施設で暮らす少年たちの日常を描いた物語。子どもの頃確かに感じていたのに、その時は言葉にできなかったような心のひりつきを、そっと形にして寄り添ってくれるような作品だった。

    B 101冊/ C 本屋で入手した、しおりとしても使える付箋。大変便利なのでおすすめ!/ D 0時を回ってからが本番(夜型)/ E 電車にガタゴト揺られて山の方へ行きたい。木曽とか/ F 氷室冴子
     
     

  • 千葉大学 高津咲希/読者スタッフ

    A
    ①カズオ・イシグロ〈土屋政雄=訳〉
    『わたしを離さないで』
    (ハヤカワepi文庫)購入はこちら > 普通の穏やかな学校生活、甘酸っぱい青春の物語……かと思いきや、主人公たちを待ち構える残酷な運命に衝撃を受けた。科学技術の発展がもたらすものとは、人間とは、について深く考えさせられる。

    ②川内有緒
    『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』

    (集英社インターナショナル) 購入はこちら > 著者の川内さんが全盲の美術鑑賞者の白鳥さんと美術館を巡り、様々な作品について会話を繰り広げるというノンフィクション作品。同じ作品を鑑賞しても人によって感じ方は様々。色んな気づきを与えてくれる作品だ。

    ③中村徹、アンブローズ・ビアス
    『悪魔の辞典』
    (遊泳舎) 購入はこちら > その名の通り、「辞典」であるが、普通の国語辞典とは一味違う視点でそれぞれの言葉を捉えている。言葉の面白さ、奥深さ、自由さを教えてくれる作品。挿絵にはユーモアがあり、装丁も素敵だ。

    B 40冊/ C 電子辞書、気に入った表現をメモするノート/ D 夜/ E 自然が豊かなところ/ F ヤマザキマリ
     
     

  • 名古屋大学 後藤万由子/読者スタッフ

    A
    ①瀧音能之
    『別冊太陽
      風土記』(平凡社) 購入はこちら > 中学時代、地方の古代史に魅せられたが、どう勉強すれば良いか分からず大学生になった。今年の夏、この本に出会い、風土記を勉強すれば良いのだ、と閃いた。都から離れた地方の古代人が見たであろう景色の写真に想像力を逞しくしている。

    ②稲田豊史
    『映画を早送りで観る人たち』
    (光文社新書) 購入はこちら > 私は今、古代史やピアノなど夢中になれるものがある。しかし、SNSで自分と同年代の人がそれらを極めているのを見ると気後れしてしまう。どうやら私も「オタクになりたい若者」の一人らしい。この本のお陰で呪いが解けた気がした。

    ③加藤周一
    『羊の歌』
    (岩波新書) 購入はこちら > この回顧録、4周目だがとにかく挑発的だ。淡々とした語り口調のため1周目は見逃していたが、嫌味っぽい言い回しや論理の飛躍がかなり見られる。時代背景やフランス文学など、背景知識が無いと本当には楽しめないのだと悔しい気持ちで本を閉じた。

    B 10冊/ C しおり(岩波新書についてくるものは特に広辞苑の面白い言葉を載せてくれているので読んでいて楽しい)、ブックカバー/ D 電車に乗っている朝や夕方/ E 遺跡/ F 加藤周一、瀧音能之、三浦佑之
     

 
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