日本私学小学校中学校高等学校保護者連合会 役員インタビュー

大学に求める事などについて

毎田:今度はだんだんと大学の話になっていくのですが、今大学の進学率は大体54、55%ぐらいで、高校生の約半分が大学に行く状況です。

中村:親は子供の社会人に向けての教育的のロマンの中で社会性だとか、道徳性、人間性を、しっかり貯金をして社会人として幸せになってほしいなという気持ちが親はあると思います。当然大学に求めることということだと思うのですが、それぞれの家庭によっても違うし、またお父さんお母さんの考えも微妙に違うと思うのです。大学生活を通じて社会経験として大変貴重なことだと思います。各部の専門的知識を高めて大学を卒業することが、社会人になるための教育の先行投資ではないかなと思います。
また一方で、引き出しの多い教育、教養をつける教育、そして将来の進路やライフスタイルを考えた資格の取得を出来るそういう大学になってほしいなと思っているし、また一方で大学も、専門学校もそうですけども入学したメリットを親と子に説明できるようにしないとだめだろうなと思いますね。

毎田:門傅会長はいかがでしょうか。

門傅:大学も我々の時は、いわゆる共通一次世代でしたがいろいろな意味では多様化していると思います。大学の数も増え、学部もいろいろ、入試の形態も大分変って何がどうなのだか分からなくなっているという、選択が増えたのはいいのですが、もちろん学費等々の時代の流れである程度高くならざるを得ないのは分かります。ただ、学生が多分非常によく勉強をしているところもあれば、そうでないところもあるでしょう。いろいろな意味で幅も広くなり、大学はまさに生き残りをかけてやっていていろいろ工夫されているので、求める学生が大学で言えば研究と教育の両輪というのは当然あるわけです。大学の先生もこれは大変だろうなというのが正直あるわけですよ。まさに昔、大学は出たけれどではないのだけども。
当然、大学からすれば高校に対してきちんと高校で勉強させて下さいよというのと、逆に会社からすると、ちゃんと大学で一定程度の資質は備えてくださいよというそれぞれの段階がみんなあるではないですか。かといってそのライセンスでやるわけにはいかないが、ただいろいろな個性がいっぱいあるので一律的に切るわけにはいかないのですが、そこの緊張感をそれぞれお互い持ってやらないと、これは永遠の課題だと思います。どの時代でも小学校からすれば、幼稚園でちゃんとしつけしてくれよみたいな、それは各段階で全部あるのでいずれ高大接続だって同じ話ですよね。仕組みは変っても競争は免れないわけでその中で磨かれていくのはいつの世も同じですから。 ただ正解はないわけですよね。
まさに18歳から受験、飛び級までは分からないですが。逆に、もし我々でも大学に入ろうと思ったら、大学院は高卒でも大学院に入れるではないですか。色々な18歳、19歳だけじゃなくていろいろな経験を持った方々がいろいろな方法で、大学大学院に行ける事、これは大変いいことだと思っています。そういう意味での大学としても非常に社会への開かれている面はどんどん進んでいると思います。

毎田:我々は大学社会の中で仕事をしているのですが、かなり以前から「2018年問題」という言葉がよく使われてきました。要は18歳人口がさらに減り始める年が今年2018年から、という意味です。このことはもともと人口構成上分かっていたことでもあるので、大学自身はおっしゃる通り生き残りをかけて、ウチの大学の特色はこれです、という取り組みをされています。そうはいっても実際、私学では4割ぐらいが定員割れを起こしていてます。 今の話をうかがっていると、大学側の努力が高校生の親御さんにちゃんと届いているのかどうかが、大学の悩みになっているのかなと思いました。

門傅:でもオープンキャンパスって昔はなかったですよね。今受験生だけではなくて親も行く時代でしょ。だからいろいろな意味では良いではないですか。入ってからあれって思うことが減ってくるのではないかと。我々のときには大学に入っても全然大学に来ない人とかいつの間にか退学した人とか普通にいましたからね。今そういったメンタル含めて、かなりフォローアップするようになっているとは聞いていますが。

毎田:大学によりますが、退学者をどれだけ出さないようにするか、も努力する一つのポイントになっていますね。

中村:男子は様々な進路を模索しながら、大学だけではなく専門学校等の選択も増えてきていますね。すると女子を狙うということで、今東京の私立の学校もいわゆる大学がこれから経営するためには共学をして男子校に今後入れようというそういう経営の的でやっている大学がけっこう多いです。ですからここ10年間で、共学になったというのが60校ぐらいあるわけですよ。それも男子系大学がみんな付属高校でそうやって大学の中に入れようという意識の中でやっているのですよね。大学も大変だなと思います本当に。