コロナ禍で迎えた3度目の春。全国的に制限が緩和され始めてはいますが、大学を取り巻く環境は、オンラインと対面のハイブリッドな授業や活動がまだまだ主流となっています。2022年度、日本女子大学に入学されたお子さまを持つ保護者の方に、コロナ禍での受験から大学進学までの過程、当時の心境、お子さまの様子、大学入学における準備などについて、お話を伺いました。
三浦 雅子さん(以下 三浦さん):
三浦雅子と申します。この4月に娘が日本女子大学に入学しました。娘は一人っ子ですので、高校を卒業した時点で私の子育てはひと段落ついたかなと、ほっとしております。私自身、25年ほどコンピューター会社に勤務しており、娘が生まれてからは時短勤務をしていましたが、この4月からはフルタイムで働き始めました。娘が巣立って自分の時間が確保できるようになったので、第二の人生の過ごし方を考えているところです。本日はよろしくお願いいたします。
小泉 昇さん(以下 小泉さん):
小泉と申します。うちには子どもが二人いますが、この度長女が日本女子大学に入学しました。長男は法政大学に通っており、大学生協にはとてもお世話になっています。娘の進路が決まった時点で、息子から「生協には入った方が良いよ」というアドバイスをしていたのが印象的でした。本日はよろしくお願いいたします。
三浦さん:
高校2年生から、予備校に通っておりました。家の中ですといろいろなことに目移りして集中できないということで、もっぱら予備校の自習室で勉強していましたね。自習室ではみんなカリカリと勉強しているので、勉強せざるを得ない環境に自分自身を追い込むという意味で自習室は良い環境だったようです。私としては、電車に乗るにしても、予備校にしても、コロナ感染が心配でしたけれども、予備校が感染対策をしっかりとされていて、ビニール手袋や除菌シートの支給などの配慮もしてくださったので、安心して利用させることができました。
小泉さん:
学校は対面授業でしたが予備校は途中からオンラインでした。学校から帰ってきて、ひと眠りして、予備校の授業をオンラインで受けて、その後課題をやるという生活をしていましたが、やはり家では集中しにくいということで、自習する時には公共の自習室を利用していましたね。
三浦 雅子さん
三浦さん:
娘は猪突猛進な性格で、勉強する時もまるで野獣のように、取り組むんです。塾に行って帰ってくるともう22時を過ぎていましたので、それからごはんを食べて、お風呂に入って、私としては、家ではゆっくり過ごして欲しいところですが、「時間がない」と言って、また勉強。いつも睡眠時間を削ってまで勉強していたので、そのうちに体を壊したりしないかとても心配でした。ウェブで検索して得た勉強方法をいろいろ実践していたりしたので、様々な情報が溢れている中で、逆に情報に翻弄されて、自分を見失ってしまっているように見える時もありました。私が言っても聞く耳を持たないので、予備校の先生にご相談して、娘にアドバイスしていただいたりもしました。それくらいに受験道まっしぐらという感じでしたので、体だけではなく精神的にも折れてしまわないかと心配でした。
小泉さん:
うちは正反対で、勉強しないことが心配の種でした。韓国ドラマ、部活、友達、彼氏…そういう“勉強以外”のことにいつも忙しくしていて、「いったいお前はいつ勉強しているんだ?」という感じで…。本当に、受験を舐めているのではないかと、いつも思いつつも、見守っていましたね。
三浦さん:
高校1年生の夏休みに、娘はあらかじめ調べていた何校かのオープンキャンパスに行きました。そのうちの数校は私も一緒に行きましたね。2年生の時はコロナ禍でオープンキャンパスもオンラインが多くなってきたので、結果として、早くに行っておいて良かったな、と思いました。
小泉さん:
うちは高校3年生になってから2校だけ行きました。両方とも女子大で、日本女子大学は私が、もう一校は妻が同行しました。私は実家が日本女子大学のそばにあり、周辺のことをよく知っていたものですから、娘のほうから「パパ、連れていってよ」とお願いされた形です。
三浦さん:
娘は模擬授業が非常に楽しかったらしく、よい刺激を受けたのが受験するきっかけになったようです。創立120周年ということで、キャンパスも増設されたりして、とても立派な学校だなと感心したのを憶えています。
小泉さん:
娘の希望で児童学科を中心に回っていたのですが、2年生、3年生の先輩方と直接お話させてもらった時に、「この大学なら自分とテイストが合う」と感じたようで、それが決め手になったみたいです。オープンキャンパスに訪れたことは、娘にとってはとても大きかったと思います。
三浦さん:
高校1年生の時、希望していた学部がありましたが、2年生の冬になると別の学部を希望するようになりました。行きたい大学が定まらないと目標を持って勉強できないのではないかと、親としては不安な時期がありました。
小泉さん:
女子大がベストな選択かどうか、ということを一番悩みましたね。息子は共学に行っていますし、女子だけの環境がどういうものかわからなかったので。ただ、娘の大おばが同じ日本女子大学出身で、とても良いよと聞いて、それからは安心できました。最終的には本人が決めたんですけども、結局共学でも女子大でも、本人が納得して、楽しく過ごせる環境であることが大事なのかと思いました。
三浦さん:
そうですね。中学受験も経験したのですが、その時は、女子校は嫌だ、女子だけという世界には浸りたくないという希望があり、中高は共学でした。ただ、大学生になると、周りの環境も変わってきたり、年齢的にも大人になってきたのか、民法改正で、もう娘は成人となりましたけれども、もはや抵抗感はなくなったようで、すんなりと女子大に行きたいとなりましたね。
三浦さん:
最初は心理学を勉強したいということで、その方向を目指していましたが、途中から方向転換したりして、娘自身、何をやりたいのか定まっていなかった印象がありました。大学では何を学びたいかが一番大事なことだと思いましたので、まずは自分自身、何を目指すのかを明確にしなさいね、というアドバイスをしました。あとは、やっぱり志望する大学には自分の足で行って、目で見て、雰囲気を感じ取ったりする。それも大事なんじゃないとは言いました。それぐらいでしょうかね。
小泉 昇さん
小泉さん:
本人にとっては、やはり同じ日本女子大学に行っていた大おばからの意見やアドバイスが大きかったと思いますね。あと娘にとってのいとこが二人、女子高、女子中を出て、女子大に行っていたんですね。女子だけというのもまんざら悪くないよ、という話も聞いて決めたところもあったみたいです。男子の目を気にしてどうのこうのというよりも、女子だけは女子だけなりに楽しいじゃない、女子同士のトークも楽しいじゃないというのは、本人も感じたようですね。娘は高校まで共学だったものですから、そこのギャップも魅力だったのかもしれません。
三浦さん:
娘はパンフレットを取り寄せていましたね。何冊か取り寄せると、図書券がいただけるというサービスがあるらしく、それでもうずいぶん送られてきましたけれども、その中から自分が行きたいような大学を選んで、そこからインターネットで調べて情報を得ていました。あとは、予備校と高校の進路指導室にも資料等が置いてありましたので、そこからも情報収集していたようです。
小泉さん:
うちの娘も図書券欲しさに、パンフレットはたくさん取り寄せていましたね。もう本当にたくさんのパンフレットが届きまして、いろいろ参考にしていたみたいです。あとは、息子がインターネットで調べて娘にアドバイスをしたりもしていて、それが良かったようです。
三浦さん:
私は娘からの情報を受けて、こういう大学がある、こういう学科もいいなと思っているということを聞くと、インターネットで調べるようにはしていました。あとは、書店に行って分厚い大学のパンフレットにも目を通しました。日本女子大学のパンフレットは隅々、くまなく3年度分取り寄せて読みましたね。でも最終的にはオープンキャンパスに参加させていただいたことが、決め手になったと思います。女子ばかりというのは、ちょっとどうなのかな、圧迫感があるのではないかと、娘も私も初めは思っていたんですけども、実際に足を運んで先生や先輩と話したりするうちに、イメージがまったく変わりました。
小泉さん:
私も決め手はオープンキャンパスでしたね。やはり娘としても、親としても、オープンキャンパスで大学の雰囲気を肌で感じられたのはよかったと思います。あとは、場所も大事なポイントでした。うちは府中なので、府中から通いやすい学校を探しました。うちの娘は方向音痴なものですから、それも考慮して京王線沿いがよいのではないか、都心に出るのにアクセスがいいのはどこだろう、と、通いやすさも含めて検討しましたね。横浜の女子大も候補にあったのですが、やはり通うとなると大変。日本女子大学がある目白だったら知っているところだし、帰りに池袋に行ったり、新大久保で韓国料理も食べられる、という本人の楽しみもあって決めたところもあります。
三浦さん:
そうですね。本人の希望する文化学科に入学できました。オープンキャンパスの説明会で、文化学科は非常に自由な学科だと大学生の先輩方、先生方が口をそろえておっしゃっていました。卒業論文も非常に選択の幅が広いそうです。娘自身が何をしたいのかがはっきり定まっていない中で、選択の幅が大きい、自由度があるというのが非常に魅力的に映ったようですし、とてもよかったと思います。
小泉さん:
もともと女子大を希望していましたし、オープンキャンパスに行った時から目指していた児童学科に入れたので本人の希望は叶ったと思います。児童学科という特性もあるかもしれませんが、先生や先輩がとにかく優しいということで、私も安心しております。