近年、大学の入試方式が多様化しています。一般入試や推薦に加え、AO入試や共通テスト利用入試、学校推薦に学力試験が組み合わされた入試など。大学によっても異なり、初めは困惑するかもしれませんが、うまく活用できると志望大学の合格の可能性が高まります。今回は、受験生の保護者と現役大学生にお集まりいただき、大学・学部選びや受験勉強、入試方式に関するお悩みや実情を伺いました。
〈参加者〉
- 大澤 智子さん(東京都立高等学校 保護者)
- 岡 早紀子さん(東京都立高等学校 保護者)
- 山形 則子さん(東京都立高等学校 保護者)
〈学生〉
- 細川 知幹さん(東洋大学 生命科学部 生命科学科3年生)
- 三宅 千枝里さん(東洋大学 文学部 国際文化コミュニケーション学科3年生)
- 清水 遥日さん(東洋大学 経済学部 総合政策学科2年生)
〈講演者〉
東洋大学の特徴と入試方式
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- 130年以上の歴史がある総合大学。
- 4キャンパス(白山、赤羽台、川越、朝霞)、14学部、49学科・専攻を有する。学生数は3万人以上。
- 2017年に開設した「情報連携学部」では、最先端のコンピュータ・サイエンスを基盤としながら、文・芸・理で連携し、組織や社会を変革できる人材育成を行なっている。
- 駅伝をはじめスポーツに力を入れている東洋大学では、2023年に「健康スポーツ科学科」を開設。学問として健康・スポーツを学び、アスリートの養成なども行っている。
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大きく分けると「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」がある。
一般選抜
- 一般選抜には「一般入試」と「大学入学共通テスト利用入試」がある。
- 「一般入試」は大学独自の学力試験(マークシート方式)を行い、その成績で合否判定を行う。試験日は複数あり、試験日が異なる入試を併願でき、大学入学共通テスト利用入試との併願も可能。前期は2月、後期は3月に実施。
- 「大学入学共通テスト利用入試」は個別学力試験を行わず、大学入学共通テストの成績のみで合否判定を行う。前期は1月、後期は2月以降に行う。
学校推薦型選抜
- 学校推薦型選抜(公募制)には「総合評価型」や「基礎学力テスト型」などがあり、公募制以外では「指定校推薦」などもある。
- 「総合評価型」(専願)は学校長の推薦を受けて受験する推薦入試。出願には全体の学習成績の状況などの条件があり、小論文や面接などの総合評価により合否判定を行う。試験日は11月~12月。
- 「基礎学力テスト型」(併願可能)を2025年度入試から実施。学校長からの推薦に加え、2教科2科目(英語と国語、もしくは英語と数学)のマークシート方式の試験を行う。英語は英検やGTECなどの外部試験のスコアの利用が可能。試験日は12月1日で、12月10日に結果発表。
総合型選抜
- 総合型選抜(公募制)には「AO型推薦入試」と「自己推薦入試」がある。
- 「AO型推薦入試」(専願)は勉学に対して明確な目的意識があり、各学部・学科が求める人材像(アドミッション・ポリシー)に合致している学生を募集する入試。小論文やプレゼンテーション、面接などを実施。試験日は10月~12月。
- 「自己推薦入試」(専願)は学校長からの推薦がなくても自分の意思で受験できる。書類選考や小論文、面接などを実施。試験日は10月~12月。
質問会
都市部の大学と地方の大学の違い
司会:ここからは、ご質問があれば鈴木さんに答えていただきたいと思います。
岡早紀子さん(以下、岡さん):
うちの子は地方の大学に興味を持っているのですが、私は住んでいる東京の大学に通うのも良いのではと考えています。東京の大学は地方の大学と比べてどんな違いやメリットがあるのでしょうか。
東洋大学生協 理事長 鈴木道也さん
鈴木道也さん(以下、鈴木さん):
東京の大学は数が多く、情報がたくさんあります。また、東京に本社機能を持つ会社が多いため、就職活動の点で有利だと考えられます。
もちろん地方の大学の良さもあります。私は地方大学出身ですが、地元とのつながりができますし、魅力的な研究を行っている大学が多数あります。
受験生の保護者座談会