Peace Now!

Peace Now! 2021 
企画局長座談会

Peace Now! 2021は、広島・長崎・沖縄の3地域で開催します。各地のPeace Now!を作る企画局長の3名に、Peace Now!へ想いや、平和について周りの大学生と一緒に考えたいことなどを語っていただきました。

interviewer

司会

林  優樹
全国学生委員/
Peace Now! Okinawa 2021 実行委員長

interviewee

参加者

梅田 叶夢
Peace Now! Hiroshima 2021 企画局長

interviewer

参加者

山口 由乃
Peace Now! Nagasaki 2021 企画局長

interviewee

参加者

亀川 千広
Peace Now! Okinawa 2021 企画局長

はじめに——自己紹介

本日の進行を務めます、全国学生委員会の林優樹です。福山市立大学を昨年卒業して、全国学生委員会では平和の分野を担当しております。
この企画局長座談会では、Peace Now! 3地域の内容を紹介したり、今年のPeace Now!を引っ張っている企画局長のみなさんの熱い思いを話したりしてほしいと思っています。全国の大学生協の組合員にPeace Now!への参加を呼び掛けて、平和への想いを深めるきっかけになるような座談会にできたらと思っていますので、よろしくお願いします。

Peace Now! Hiroshimaの企画局長を務めています、岡山大学3年の梅田叶夢です。今日は、みなさんに自分の想いを伝えられたらと思っています。よろしくお願いします。

Peace Now! Nagasakiの企画局長を務めています、福岡県立大学3年の山口由乃です。この座談会がPeace Now!に参加するきっかけになれば嬉しいなと思います。本日はよろしくお願いします。

Peace Now! Okinawaの企画局長を務めています、琉球大学2年の亀川千広です。今回の座談会でPeace Now! Okinawaに参加したいと思っていただけたらいいなと思っています。よろしくお願いします。

Peace Now!に関わるきっかけ

最初に、皆さんのPeace Now!との関わりについてお聞きしたいと思います。Peace Now!に参加した経験や、企画作りを担当してきた経験の中で、どんなことを学び・感じ・考えてきたのかをぜひ教えてください。

私は今大学3年生で、昨年2年生からPeace Now! Hiroshimaの実行委員を務めています。僕は広島県出身で、多分普通の人よりは小学校の頃から平和学習をしてきたと感じていますが、平和学習を“ただ”“受け身的に”していただけでなく、セミナーを作る側として次は多くの人にその平和を伝えていかなくてはいけないということで、伝え方には結構悩みました。
セミナーを作る中で大切だと感じたのが、多様な価値観を認め合うことです。参加者一人ひとりは、それぞれ独自の平和観があり、意見が違うと思います。セミナーを作る側の実行委員の中でも意見が違うことがあります。その一つひとつの意見をまとめて、より良いセミナーを作っていくことが大事になると思っています。今年は企画局長として、実行委員どうしの連携も大切にしていけたらと感じています。

私は長崎県出身で、高校まで他の地域の方よりも平和学習をしてきたと思います。しかし、大学に入ってからはそういう機会が減ったと感じていた時に、Peace Now! Okinawaの参加申し込みが回ってきたので参加しました。これが、私がPeace Now!に関わるきっかけです。
参加してみると、参加者が全国から集まっていて、自分が過ごしていた世界の小ささを実感することができました。様々な学部や出身の人と話して、その学部や出身の人ならではの視点からの多様な意見があることを知れたので、その次の年にPeace Now! Nagasakiの実行委員をしました。その時も「視野を広げていろいろな意見を取り入れてもらいたい」と思いながら企画を作っていました。

私はPeace Now! Okinawaの実行委員を昨年からしています。私は琉球大学に平和について学習したいと思って入学したところ、Peace Now! Okinawaを知って、自主的にそういう勉強ができる場が素敵だな、企画を作って他の人にも広めることができるのは平和を作っているということになるのではないか、と思って参加しました。企画作りを担当してきた中で学んだことは、沖縄戦については県外の人たちはあまり学校などで取り扱わないので知らないことが多く、沖縄戦の事実を知るだけでもすごく勉強になるということです。また、「かわいそう」という感情で紹介してはいけないということを先輩や一緒に学んでいる沖縄で育った人に聞いて、「ああ、そうだな」と思いました。なるべく客観的に伝えようと意識して活動しています。

ありがとうございます。3人とも素敵な想いを持っていて、今企画作りを頑張っていることが伝わってきました。ぜひ全国の多くの人と考えることができたら素敵だと思いました。

2021年のPeace Now!について

それでは次に、今年のPeace Now!についてお伺いしたいと思います。今年は、情勢の影響もあり対面からオンラインへの運営になりましたが、3地域ともオンラインでもその地域に来ているかのようなセミナーを作ろうと頑張っているところだと思います。各地域ではどんなふうに準備が進んでいるのか、どんなPeace Now!にしたいのかを教えてほしいです。また、みなさんは企画局長として、今年のPeace Now!でどんなことを大切にしているのかも教えていただけたらと思います。

Peace Now! Okinawaの様子

「戦中」と「戦後」に分かれて企画作りを進め、全体の実行委員会議で「もっとこうしたほうがいいんじゃないか」と話しあう感じで進めています。企画の内容としては、戦中のことや戦後の問題を自分の身近なところに引き付けて考えようという方針の企画が多いです。
企画局長としては、「自分ごととして考える」ということを大切にしたいと思っています。参加者自身がいろいろな視点で客観的に考えて自分で答えを出せるように、あくまで私たちからはその材料を提供するという感じにしたいと思っています。

1年生の時にPeace Now! Okinawaに行かれた山口さんは、今の話を聞いてどんなことを感じましたか?

そうですね、やっぱり「自分ごとにする」というのがすごくいいと思いました。あとは、原爆が落ちた日というのはその1日が明確で、ニュースでも流れること多いと思うのですが、沖縄は地上戦で、「この日にすごく何かがあった」というよりは、ずーっと大変で大変で、それで「この日に終わった」という感じかなと思っています。だからこそ、沖縄についての「この日」を認識している人というのは原爆以上に少ないのかなと思います。平和や地上戦というのは、今の自分たちからは身近に感じるのが難しいような事柄だと思うんですけど、それを身近に感じられるような学びを作っていきたいというのはすごく素敵だと思いましたし、「もう一回沖縄行きたいな」と思いました。

ありがとうございます!

Peace Now! Nagasakiの様子

昨年はギリギリ対面でできましたが、今年はオンラインということで私にとって初めての試みです。もちろん不安もありますが、Peace Now!はやっぱり五感で感じることがすごく大事だと思うので、五感を使うことをオンラインでもなるべく実践できたらいいなと思っています。
Peace Now!全体としては、3日間、2日間ですごく平和や戦争について考えると思いますが、その次の日、また夏休みの日常に戻って考えなくなることがすごくもったいないと思うので、その先までサポートしたいという思いがあります。平和とか社会について考えたり行動に移したりすることを、特別なことではなく日常にするようなPeace Now!にしたいと思います。あとは、学校で学ぶ知識だけのPeace Now!にせず、今まで学んできた人にとっても新たな発見を作れるようなPeace Now!にしたいと思っています。
企画としては、フィールドワークや被爆者講話はもちろん、戦争を客観的に見てみる、今まで「日本は被害者だ」という伝え方をされてきたかと思いますが、「加害者の面もあるよね」というような、今まで考えていなかったような視点からも考えられるようにしています。

今の山口さんの熱い想いを聞いて、梅田くんいかがでしょうか。

そうですね、熱かったですね。(笑) 確かにすごく共感する部分がたくさんありました。2、3日Peace Now!を頑張ってきて、その次の日どういう風に考えられるかは結構大事なことというか、自分たち実行委員の手腕の見せ所だなというふうに思います。参加者の人にPeace Now!で考えたことを自分たちの活動とか生活に引き継いでいってもらうためには、いかに私たちのPeace Now!に興味を持ってもらう、共感してもらうことができるかが大事なことだと思います。
戦争を客観的に考えてみるというお話もありましたが、ただ歴史の教科書に書かれている通りのことをやっただけでは「ああそうなんだ」で終わりだと思うので、そういった五感を使って実際にその場を見てみたりとか、歩くことはちょっと難しいかもしれないですが、自分の言葉で考えてみるということは、結構当たり前に言っているけれどなかなか難しいことだと思うので、とてもいいPeace Now!ができるんじゃないかなと思います。頑張ってください。

はい。

Peace Now! Hiroshimaの様子

過去グループ・現在グループ・未来グループの3つに分けて企画作りを進めています。大事にしたいことは、過去・現在・未来をそれぞれ別物として考えるのではなく、つながりを持って考えることです。過去に広島で何があったのかという、歴史の教科書で出るようなことももちろん知ってほしいですが、企画局長としては、過去・現在・未来のつながりの中にあるすべての人の想いを大切にしていきたいと感じています。例えば戦争のさなかに人々がどのような思いで生活されていたのか、戦後に人々がどのような思いで復興活動をされていたのか、そして今、戦争があったという過去を後世に伝えていく人々はどのような思いで活動をされているのか、という人々の想いに触れながら企画を進めていこうと考えています。
現地に行くことは叶いませんでしたが、「広島で学ぶ」ということを大切にしていきたいです。「広島を学ぶ」だと、インターネットで調べればいくらでも知識としては出てくると思います。それを超えた、「広島で学ぶ」こと、「広島で起きた過去で自分たちが何を考えていけるのか」ということを大切にしていきたいと思います。Peace Now! Hiroshimaで学んだことが、今の社会や今の私たち、そしてこれからの未来を考えるきっかけにすることができるようなセミナーにしていきたいと、鋭意頑張っています。

今の梅田くんの想いを聞いて、亀川さんいかがでしょうか。

過去・現在・未来とつなげて考えて、その人たちの想いに着目するという話でしたが、すごくいいなと思いました。原爆の日は8月6日とか切り取られて考えられることが多いという印象を持っていますが、生き残った人はそのあともずっと人生が続いていて、すごくつらい思いをされたり、後世に体験を繋いでいく葛藤などがあったりしたと思うので、そういうことに着目するのはすごく大切だと思いました。
「広島で学ぶ」という言葉も印象に残っていて、すごく大切なことだと思いました。

ありがとうございます。そうですね、1945年8月6日が広島では特別な日だと思いますが、それはその時代を生きていた人々の一部というか、その時代を生きていた人、そしてそのあと生きていた人は、その前の日も後の日も生きていらっしゃるわけですから、なかなかテレビとかでは触れられないその人々の想いというのを、私たちの手で伝えられたらいいなと考えています。

ありがとうございます。今年はオンライン開催ではあるけれども、すごく熱い想いがPeace Now!に乗っていると思ったので、「すごく楽しみだな」と僕自身も思いました。

企画局長が考える、「平和についてみんなと考えたいこと」

それでは、次の質問に入ろうと思います。平和についてはPeace Now!だけでなく、全国で年間を通じて、みんなで考えていきたいテーマだと思っております。Peace Now!の企画局長として頑張っているみなさんは、平和について、周りの人たちや全国の大学生の人と一緒に具体的にどんなことを考えてみたいと思いますか?まずは山口さん、どうですか?

「私にとっての平和」を一人ひとりが考える

私も活動してる中で「平和」とすごく言ってきましたし、「やっぱり平和って大事だよね」という共通認識はあると思うのですが、「平和って何なんだろう?」「私にとっての平和はこういうもの」というのを一度考えたいと思っています。「戦争がないから今は平和」、だけではないのかなと思います。そして、戦争をしてはいけないということは共通認識だと思うのですが、戦争をしないためにいち国民として何ができるかも考えていきたいし、もっと社会に目を向けて生活していきたいと思いますね。だから選挙とかも、友達と「行った?」みたいな話もするし、「大事だよね」という話をする機会が大学に入って増えて、みんなが関心のあることなので、そこから輪を広げて日常生活の中でも話を増やしていきたいと思っています。

そうですね、友達の間でも「選挙行った?」とか話すというのはとても大切なことだと思うので、日常にそういうことが溶け込めるようにするというのはいいなと思います。

大学生になったらバイトや遊ぶこともすごく大事なのはわかるのですが、そのもとには平和な社会が根底にあると思うので、毛嫌いせずに話せる人を増やしていけたらいいなと思います。

そうですね、そう思います。

日常生活で平和について考えると聞くと、すごく難しいイメージを持つ人もいると思いますが、今の自分たちの身近なことからも平和について考えられると僕も思っているので、「平和について考えるのって難しいことじゃない」というのをたくさんの人に伝えていけたらいいなと感じました。

そうですね、平和ってすごく真面目なイメージを持っている人も結構多いと思うのですが、もっと身近なものだと伝えていきたいし、一緒に実感していきたいと思います。

回数を重ねて、平和観を持てるように

次に梅田くんに聞いてみようと思います。

そうですね、今の山口さんの話にも結構かぶると思うのですが、いざ平和について考えると聞くとどうしても難しいイメージを持つ人はたくさんいると思います。平和について話す機会がないからこそ難しいイメージを持たれてしまっているのではないかと思うので、誰かが声をあげて、平和について考える場を作っていきたいと思っています。
平和観は急に考えられるものではないと思うので、回数を重ねてみんなと話すことで、自分自身の平和観が作られる、もしくは自分がもともと思っていた平和観に気付くということもあると思います。それをまた別の人に話すことで、平和の輪が広がっていくと思うので、そういった平和について考える積み重ねをしていくことで、たくさんの人に平和の大切さや良さを伝えていけたらいいなと感じています。

そうですね、回数重ねるというのは確かにそうだと思います。平和について話すことを日常にできるように、回数を重ねていきたいと思いました。別に平和という入り方でなくても、奨学金制度や就活の話など入りやすいとこから話していけたら、もっと身近に話しやすくなるのかなと思いました。

そうですね、私たちの今ある生活も平和の積み重ねによるものだと思うので、身近な部分から考えられたらと思います。

私も身近なところから平和について考えられたらいいなと思います。同じ学部や学科の友達にはそういうことを学んでる子が多いので話せますが、他の学科の人だとそういう話題にはならないので、そういう人たちとも平和について話せるようになれたらいいなと思いました。

そうですね、みんな平和になりたいというふうに考えていると思うので、いろいろな立場の人と考えられたらいいなと思います。

「こういうふうになるんじゃないか」を話してみたい

最後に亀川さんもお願いします。

はい。私はお二人とも似ていて、それぞれの平和観についても私も話し合いたいと思っています。自分の身近な社会問題とかと戦争がどのように繋がっているのか、今現在どういう問題が起こっていて、「こういうふうになるんじゃないか」ということも話してみたいなと思っています。

やっぱり、ただ平和について考えるだけでなく実際に「こうしたらどうだろう」といった案を出せるというのは、今の私たちの世代に求められていることかなと思うので、そういったことも積極的にできたらと思います。

確かに、「こうやったら良くなるんじゃないか」というのも話し合いたいですね。

学科の特徴があるのかもしれないですが、もともとその平和について考えたり、自分にとっての平和観を持っている人が多いという話だったので、すごくいい環境だと思いました。だからこそ深掘りをしやすいと思うので、梅田くんが言っていたように、「こうしたらこうなるんじゃないか」「平和のためにはこうして行ったらいい」というのを話し合いやすい環境にあるのかなと思い、いいなと思いました。いろいろなことを話してほしいです。

はい、ありがとうございます。いろいろ話したいと思います。

企画局長から、全国の組合員のみなさんへ

最後に、みなさんの平和の想いやPeace Now!への参加の呼びかけなど、全国の組合員のみなさんに向けてメッセージをお願いしたいと思います。

76年前に広島に原爆が落とされ、荒廃してしまって、「75年は草木も生えない町」と言われた広島は立派に復興を遂げました。おそらく当時広島にいた人は、75年後にこんなに復興しているとは想像できていなかったと思います。僕が言いたいことは、「できないことは無い」ということです。
平和について考えることは結構難しい、イメージが付きにくい、実際にどう行動していけばいいかわからない人もたくさんいると思いますが、ぜひこのPeace Now!という、みなさんと同じような想いを持っている人が集結する場で考えていくことができれば、難しいと考えている今の気持ちも何か変化があるのではないかと考えています。ぜひPeace Now! Hiroshimaに来て、みなさんと密の濃い学びをできることを楽しみにしています。

広島と同じように長崎にも原爆が落とされて、更地になった状態から観光都市といわれるような現在の長崎になるまでには、いろんな人の努力や助けがあったと思っています。今後社会に出て、助け合って生活していくことがたくさんあると思いますが、長崎のこの76年間の歩みを見たら、今後生活していくヒントになるのではないかと思います。
「平和について考えたいと思っているけれど何をしたらいいかわからない」とか、「平和をあんまり考えたことがなかったけれど大学に入ったら触れる機会が増えた」とか、すごく小さなきっかけでも、ここに来ることはすごく大きな一歩だと思うので、ぜひPeace Now!長崎でみなさんと一緒に今までの戦争や原爆、長崎の復興を知って、自分たちがこれから何をしたらいいかを一緒に考えていきたいなと思っています。

今年のPeace Now!はオンラインでするからこそ、たくさんディスカッションの時間を取り入れ、戦争の事実・戦後の問題の事実も掴みつつ、自分たちで考えるという機会も多く取るようにしているので、それぞれが自分なりの意見を持てるようにしています。「平和について考えたいけれど何したらいいかわからない」という人は、ぜひPeace Now! Okinawaに参加して、みんなで話し合うことで自分なりの考えを持ってほしいと思っています。ぜひ、Peace Now! Okinawaに参加してください、お願いします!

ありがとうございます!今このコロナ禍で結構大変な生活をされている方もいると思うのですが、今ある生活を守る、生活をもっとより良くするために、Peace Now!が考えるきっかけになればと思います。普段「現地に行くのはちょっと遠いな」という方もオンラインなら参加できると思いますので、ぜひ多くの組合員の方に参加してもらえるとすごく嬉しいです。いろいろな人と考えられるチャンスですので、誰かと対話をすることで未来へバトンをつないでいけるようなPeace Now! 2021を、各地の実行委員と参加者のみなさんと作っていきたいと思っております。
それでは、これで企画局長座談会を終わりたいと思います。梅田さん、山口さん、亀川さん、本日はありがとうございました。

(文責:藤井祥子/全国学生委員会)

「Peace Now! 2021 企画局長座談会」

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