学校法人立命館が2000年に大分県別府市に開学した立命館アジア太平洋大学(APU)。
109ヵ国・地域から集う2653人※1の国際学生※2は全学生の半数を占め、在籍する外国人学生比率は日本屈指となります。
様々な言語が飛び交う構内は、まさに世界を感じながら学べる“マルチカルチュラルキャンパス”です。
Naman Valecha(ナマン・ヴァレチャ)さん
立命館アジア太平洋大学 国際経営学部4年生
インド出身 2020年来日
ビジネスと自己啓発について勉強しており、現在はインターンシップなどを通して個人の可能性を引き出すセミナーを開催する活動をしています。
Naman Valecha(ナマン・ヴァレチャ)さん
立命館アジア太平洋大学 国際経営学部4年生
インド出身 2020年来日
Bharat Valecha(バラット・ヴァレチャ)さん
立命館大学 情報理工学部1年生
インド出身 2024年来日
IT技術やWEBデザインについて強い関心があり、自分の知識や技術を深め、さらに発展させていけるように勉強しています。
Bharat Valecha(バラット・ヴァレチャ)さん
立命館大学 情報理工学部1年生
インド出身 2024年来日
Dina Faoziah
(ディナ・ファオジア)さん
全国大学生協連 国際担当
インドネシア出身 2003年来日
村上 泰三 店長
立命館生協衣笠キャンパス 勤務
(前任地はAPU-COOP)
APUに入学するほとんどの国際学生は、日本の生活習慣やルールを学ぶために入学1年目をAPハウス(学生寮)で過ごします。各階には学生によるRA(レジデントアシスタント)が居住し、寮生を手助けします。インド出身のナマン・ヴァレチャさんも2020年の入寮時には日本語が心もとなく、在留カードや銀行口座開設、携帯電話の登録などの相談に乗ってもらいました。ナマンさんは後にRAの一員になり、後輩のサポートを担いました。
ナマンさんの弟、バラット・ヴァレチャさんが通うOIC(立命館大阪いばらきキャンパス)にも国際寮があり、RM(レジデントメンター)が大学や管理人と連携して寮生の支援や交流を推進しています。
「2003年の来日当時、住まい探しには連帯保証人が必要で困りました」と言うのはディナ・ファオジアさん。立命館大学では、連帯保証人が見つからない場合は保証委託会社を紹介するなど、留学生がスムーズに賃貸契約を結び安心して学生生活を送れるよう支援しています。
ヴァレチャさん兄弟はベジタリアンで、植物由来のもの以外は口にできません。インド料理店に行けば種類豊富な料理を選ぶことができますが、高価なのでめったに行けません。そうしたナマンさんたちの状況を知ったAPU-COOPが「ベジタリアンの方も食べられる料理を一緒に紹介しよう」と提案。生協食堂でベジタリアンカレーの提供に至りました。また、ベジタリアンの学生がバターを食べられないと知ると植物性のマーガリンに替えるなど、困りごとを一つ一つ解消していきました。
「APUカフェテリアでは、ベジタリアンハンバーグやソイミートなど徐々にメニューも増えています」と村上泰三店長。ナマンさんらも気軽に食堂を利用できるようになりました。「大学や大学生協が多様性を理解しながら様々な試みをするのは素晴らしいと思います」(ナマンさん)。
APUキャリア・オフィスでは留学生の就活から内定に至るまで、履歴書作成やインターンシップなど英語と日本語でサポートします。4年生のナマンさんは「日本はきれいで安全、人も優しくて住みやすい」と日本企業への就職を希望し、2度のインターンシップを経験しました。
バラットさんは「諸外国の学生と交流し、様々な文化に触れて視野が広がった。それを将来に生かせるよう、4年間で成長していきたい」と胸を膨らませます。
村上店長も「学生と共に歩む大学生協は、留学生の受け入れにおいてもつながり作りや交流の場作りなど、さらに活動を広げられると思う」と将来を展望しています。
「日本語は世界で最も難しい言語の一つ」と言うディナさんは、来日4年で日本語能力試験1級(現在のN1相当)に合格しました。「日本人はとても優しく、異文化を理解しようとしてくれるので、文化的な問題に直面することはあまりないと思う。教科書による日本語学習だけでなく、アルバイトやインターンシップなどで日本人との交流を広げて経験を積んでほしい」とエールを送りました。
※1 大学院生・科目等履修生等を含むと2978人(2024年5月1日時点・公式HPより)。
※2 国際学生とは、在留資格が「留学」である学生。国内学生には、在留資格が「留学」ではない在日外国人を含む。
京都大学生協留学生委員会(以下、委員会)は、来日した留学生が大学生活を楽しめるように、留学生同士や日本人学生との交流を促し、生活や勉学の情報を提供する催しを企画・運営しています。
日本人学生と留学生で構成する約30人のメンバーは、基本的に英語で活動します。
京都市左京区役所の一室で手続きする様子
来日したばかりで日本語もままならない留学生にとっては、住民登録をするだけでも一日仕事になってしまいます。委員会内でもこの件に支援を検討していたところ、区役所から大学に数十名ずつまとめて手続きを行う旨の提案があり、大学の留学生支援課から委員会に協力要請をいただきました。これを受けて委員会では、大学に協力するかたちで区役所へ留学生を引率し、会場での書類作成において通訳などのサポートを担うこととなりました。
「区役所の方で京大の留学生のために会場を用意してくださり、一斉に説明していただいたおかげで、全員スムーズに申請を出して1回でOKが出ました。職員さんも効率的に一括処理できたと思います」と、松島光佑さん。
新学期にあたり委員会ではキャンパスツアーを実施し、学内だけでなく付近のスーパーや100円ショップなども紹介して、新入留学生に大変喜ばれました。タイからの留学生ドム・ルンルアンさんは、留学生に向けたアルバイト情報の発信にも力を入れています。
同大学生協の國見伸行前専務理事は「委員会では、留学生が日本人学生と楽しんで活動する中でこれまでにない発想がどんどん生まれてきています。そのような場を提供できるのが大学生協の価値の一つです」と胸を張り、田中紘太郎さんも「京大には各国からの留学生が集まり、さながら世界の縮図のよう。海外で働くスキルを鍛えるためにも頑張りたいと思います」と活動に対する意欲を語りました。
左:松島光佑さん(法学部2年生)
中:田中紘太郎さん(農学部3年生)
右:Dom Roonguangドム・ルンルアンさん
(大学院アジア・アフリカ地域研究 研究科1年生)