哲学本ガイド 出版社おすすめ篇

特集「哲学を読もう」記事一覧

人生を導いてくれる哲学。今回は、出版社のみなさんや学生のみなさんのおすすめする哲学書を、たっぷりとご紹介します。今年はじっくり哲学と向き合ってみませんか。

ご協力いただいた出版社の皆さん

岩波書店 営業部 Nさん / 

河出書房新社 編集部 藤﨑寛之さん / 

講談社 群像編集部 Mさん / 

講談社 第五事業販売部 Hさん / 

講談社 文芸第一出版部 堀沢加奈さん / 

光文社古典新訳文庫 編集長 中町俊伸さん / 

筑摩書房 営業部 三澤宏幸さん / 

平凡社 営業1課 登尾純一さん

 
  • 入門

    内山節
    『哲学の冒険』
    平凡社/定価1,100円(税込)購入はこちら > 僕の少年時代にこんな本があればよかった、と思えるような本を書きたかった、と著者は語る。少年や青年たちが抱く、愛や性、仕事や幸福、そして生き方を哲学を通して考える。
  • 入門

    カント〈中山元=訳〉
    『永遠平和のために/
    啓蒙とは何か 他3編』

    光文社古典新訳文庫/定価770円(税込)購入はこちら > 何よりも必要なことは「知識」ではなく、「自分の頭で考える」ことが大切だと説く「啓蒙とは何か」。常備軍の廃止と国家の連合によるラディカルな平和論を展開した「永遠平和のために」。カントが示したこの鋭い問題提起は、若い読者に“刺さる”こと間違いなしです。
  • 入門

    山口尚
    『哲学トレーニングブック』
    平凡社/定価2,860円(税込)購入はこちら > 画期的「哲学読解」40講。私は「血で書いたような文章を好む。そして魂の叫びがまったく聞こえない文章はただちに放り出したくなる」。気鋭の哲学研究者による、実践的読書ノート&案内。
 
  • 入門

    ミル〈斉藤悦則=訳〉
    『自由論』
    光文社古典新訳文庫/定価1,166円(税込)購入はこちら > いまもっとも大きな関心を持たれているのが、思想・表現の自由に象徴される「個人の自由」と、それを制限しようとする「国家権力」の関係ではないでしょうか。市民社会における個人の自由について根源的に考察した本書は、多様性と寛容が求められる現代においてこそ必読の書だと思います。
  • 入門

    竹田青嗣
    『中学生からの哲学「超」入門』
    ちくまプリマー新書/定価902円(税込)購入はこちら > 自分とは何か。なぜ宗教は生まれたのか。なぜ人を殺してはいけないのか。何となく幸福じゃないと感じるのはなぜなのか。満たされない気持ちの正体は何なのか……。読めば聡明になる、悩みや疑問への哲学的考え方。

    筑摩書房 三澤さんからひとこと

    この社会には、明確な答えが出しにくい問題が多い。しかし、生きていく上で必ず何らかの答えを出して進む必要がある。物事を深く本質的に考えることができるようになるという意味において、哲学を身につけて損はない。
  • 入門

    飲茶
    『史上最強の哲学入門』
    河出文庫/定価814円(税込)購入はこちら > 哲学を「かじる」楽しさの1つは、哲学史上に登場する哲学者とその特徴を、見取り図として頭の中に描けるようになるということでしょう。哲学者たちのキャラを「得意技」ごと紹介する本書はそのための強力な武器となってくれます。格闘技世界大会さながらの哲学議論大会を堪能してください。
 
  • 入門

    岸見一郎
    『哲学人生問答』
    講談社/定価1,430円(税込)購入はこちら > 「よく生きる」とは。自立とは。哲学、アドラー心理学を研究している著者が、母校・洛南高校の生徒たちからの疑問に答えます。人間の価値は「生産性」や「経済性」で決まるわけではありません。では何を以て幸福とするのでしょうか? 大学受験で悔しい思いをした人にお薦めの一冊。

    講談社 Hさんからひとこと

    3年前まで大学生でした。じっくりと知を探究した時間は楽しかったです。諸子百家の思想を学んでいましたが、決して高尚なものに限らず、人付き合いや計画の立て方など、自分事として捉えられるものが多くありました。
  • 入門

    西研
    『哲学の練習問題』
    河出文庫/定価836円(税込)購入はこちら > 哲学することの醍醐味は、自分にとって切実な問題を自分の頭とことばで考え抜くこと。でも、それを素手で行なうのはそんなに簡単なことではなくて、ちょうどよい導き手やお手本が必要なことでしょう。本書はタイトルどおり、さまざまな問題を哲学的に考えるとはどういうことか、やってみせてくれます。平易なことばで。
  • 専門

    熊野純彦
    『カント
    美と倫理とのはざまで』

    講談社/定価2,530円(税込)購入はこちら > 生の目的とは? 世界が存在する意味とは? カントの批判哲学が最後に辿りついた第三の書『判断力批判』から、その世界像を読み解く鮮烈な論考。

    講談社 堀沢さんからひとこと

    好きな本、励まされる本、長くつきあえる本との出会いがたくさんありますように、お祈りしています!
 
  • 中級

    デカルト〈谷川多佳子=訳〉
    『方法序説』
    岩波文庫/定価572円(税込)購入はこちら > ルネサンス末期に天動説的世界観の崩壊を目撃した青年デカルトは、拠り所のない世界を手探りで彷徨い、ついにすべての人が真理を見出すための「方法」を探りあてた。本書は、近代の礎を築く学問の根本的な枠組みをなす不朽の名著であると同時に、一人の青年が悩みながら新たな世界を切り開いてゆく記録でもある。
  • 中級

    戸田山和久
    『哲学入門』
    ちくま新書/定価1,100円(税込)購入はこちら > 「ことばの意味とは何か」「私たちは自由意志をもつのか」「道徳は可能か」、そして「人生に意味はあるのか」……すべての哲学問題は、根底から問い直される必要がある! 科学が明らかにした世界像のただなかで人間とは何かを探究する、最もラディカルにして普遍的な入門書。他に類を見ない傑作です。
  • 中級

    カント〈宇都宮芳明=訳〉
    『永遠平和のために』
    岩波文庫/定価638円(税込)購入はこちら > カントは、国家を利害に動かされかつ道徳を自らに課す人格と同様に捉え、その傾向性を用いて戦争が絶対に生じない制度やシステムを考える。常備軍の全廃、内政干渉の禁止、諸国家の民主化、国際連合の創設、世界共和国など、現代においても現実的な示唆に富む、繰り返し立ち戻りたい平和論の古典。

    岩波書店 Nさんからひとこと

    自分が悩むようなことは、たいがい誰かが既に熟考してくれていて、2000年前の人だろうが地球の裏側の人だろうが、いつだって本を開けば教えてくれます。まず自分と同じことに悩んだ一冊を見つけましょう。
 
  • 中上級

    デジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ
    〈宇野邦一=訳〉

    『アンチ・オイディプス——
    資本主義と分裂症 上・下』

    河出文庫/定価(各)1,320円(税込)購入はこちら > せっかく哲学に関心を持ったなら、メジャーな哲学者の主著を覗いてみるとよいと思います。ただ、多くの書物が難解でしょうから、ちょっと気になる物言いや自分の琴線に触れるかっこいい一文を探すのも一興かと。優れた哲学者は概念・用語や文体ごと創造・発明しているものなので、あながち間違った読み方ではない気がします。

    河出書房新社 藤﨑さんからひとこと

    たいていの問いは過去の誰かも考えているもの。「自分ひとりじゃない」ということをひとりで過ごす時間の中で体感できるのが哲学書を読む(ひそやかな)愉しさだと思います。ぜひそういう時間を持ってみていただきたいです。
  • 中上級

    中沢新一
    『レンマ学』
    講談社/定価2,970円(税込)購入はこちら > レンマとは「直観によって全体をまるごと把握し表現する」知性のあり方のこと。大乗仏教から現代数学、精神分析まで様々な領域を精査した本書は、ロゴスとレンマとが結合した新しい「学」を探究しています。

    講談社 Mさんからひとこと

    講談社選書メチエの『カイエ・ソバージュ』シリーズ(全五冊)は、講義録がもとになっているのでここから読み始めるのも楽しいと思います。知の世界の広大さ、深さを体験したいすべての人にお勧めします。


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