読んで、笑って、気分転換♪

特集「笑い」記事一覧

コロナ禍が長く続き、気持ちが塞いだりして、「最近笑っていないな」と感じることはありませんか。そんなときにこそ本を読んで、頬の筋肉を緩めてみましょう。このコーナーでは、読んだら思わず笑ってしまうおすすめの本を、小説、エッセイ、コミックまでいろいろと取り揃えました。  
  • 安野モヨコ
    『監督不行届』
    祥伝社/定価880円(税込)購入はこちら > 2021年に大ヒットした映画『新世紀エヴァンゲリオン』を手掛ける庵野秀明氏の妻、安野モヨコ氏がコメディタッチで庵野夫婦の日常を描いた漫画作品。『エヴァンゲリオン』から連想されるシリアスな雰囲気とは打って変わり、庵野監督、通称カントクくんのかなり変わった(?)一面が見られます。

    (戸松)

  • 赤坂アカ・横槍メンゴ
    『推しの子 1』
    ヤングジャンプコミックス/定価693円(税込)購入はこちら > 突然だが、諸姉諸兄は「推し」という言葉をご存知だろうか。アイドルをはじめとするお気に入りの人や物を形容する言葉だ。用例としては「〇〇は俺の推し」などと使う。さて今回紹介するのは、アイドルオタクの医者が、アイドルの子供として生まれ変わるという漫画だ。冒頭で笑いすぎて目元に浮かんだ涙は、後半で悲しみの涙に変わった。

    (内田)

  • 師走ゆき
    『高嶺と花 全18巻』
    白泉社 花とゆめコミックス/
    定価(各)495円(税込)購入はこちら > ひょんなことからお見合いすることになった財閥の御曹司・高嶺と普通の女子高生・花。負けず嫌いな2人がお見合いを続けながら繰り広げる、コメディ要素強めのラブコメディです。登場人物のキレのある掛け合いには笑わずにはいられません! 主人公・花の思い切った行動にも勇気をもらえます。ぜひ読んでみてください!

    (力武)

 
  • さくらももこ
    『COJIーCOJI 新装再編版 1』
    集英社文庫RMC/定価660円(税込)購入はこちら > 笑いにも色々な種類がありますがこの作品の笑いはズバリ「シュール」。『ちびまる子ちゃん』や『もものかんづめ』などのエッセイで知られる彼女ですが、この作品は他作品に比べてブラックユーモア的要素が強いです。コジコジの言葉はシンプルですが、哲学的で、成長とともに忘れてしまった純粋な気持ちに気づかせてくれます。

    (福田)

  • 長谷川町子
    『サザエさんうちあけ話』
    朝日新聞出版/定価1,320円(税込)購入はこちら > 『サザエさん』の作者である長谷川町子さんの自伝的エッセイ漫画。波瀾万丈の人生ですが、さすがは町子さん! どんなに大変な出来事でも、読者が楽しめるように明るく描かれています。磯野家に負けず劣らず魅力的な長谷川家を覗いてみては? アニメよりもちょっぴり刺激的な漫画『サザエさん』もあわせてどうぞ!

    (川柳)

  • 橋本ナオキ
    『会社員 でぶどり』
    産業編集センター/定価1,210円(税込)購入はこちら > SNSで人気のコミック。ブラック企業からの転職に成功した主人公・でぶどりは、寝るのが大好きで働きたくないニワトリ。個性的で可愛い鳥社員らのお悩みや叫び、そして「○○にありがちなこと」コーナーに共感必至。いいこと言うなぁ……と、時に厳しく時に温かい鳥たちの言葉が心に染みたところで降臨するオチに腹筋崩壊!

    (沼崎)

 
  • 村田沙耶香
    『きれいなシワの作り方』
    文春文庫/定価759円(税込)購入はこちら > 『コンビニ人間』『殺人出産』等々の数多くの怪作を出してきた村田紗耶香さんのエッセイ。村田さんのほのぼのとした人柄がにじみ出ていて、読んでいる最中に何度もクスッとしてしまいました。どんなに残酷な描写があっても温かさを感じてしまう。そんな村田さんの小説作品の魅力の源が垣間見える一冊です。

    (光野)

  • 又吉直樹
    『第2図書係補佐』
    幻冬舎よしもと文庫/定価545円(税込)購入はこちら > 中学生の頃、電車で読んでうっかり大笑いして以来、読むたびに笑ってしまう一冊です。ふつうの書評かと思いきや、本の紹介に加えてそれにほぼ関係ない面白エッセイがたっぷり詰まっています。又吉さんの笑いはシュールでありつつも優しさがあふれているのが魅力です。本書を読んで、笑いながら癒されましょう。

    (岩田)

  • 橋本治
    『桃尻語訳 枕草子 上』
    河出文庫/定価924円(税込)購入はこちら > 平安時代、清少納言によって書かれた枕草子。この本はその現代語訳ですが、作者が前書きで述べる通り、かなり《過激な翻訳》になっています。「春って曙よ!・・・(一段)」「頃(シーズン)は——、正月。三月。…(二段)」、思わず吹き出してしまうほどいきいきと訳出された枕草子、古典を楽しむ上でもおすすめの一冊です。

    (千羽)

 
  • 小泉吉宏
    『まろ、ん?——大掴源氏物語』
    幻冬舎/定価1,430円(税込)購入はこちら > えっ? 光源氏が栗に!? 日本が世界に誇る文学作品『源氏物語』。しかし、長くて複雑、ドロドロの恋愛模様といったイメージから手を出せずにいる人も多いのでは? この本は、全54帖ある物語を1帖ずつ8コマの漫画にまとめ、楽しい解説までついています。栗やお豆の顔をした彼らを見れば、きっとクスッとしてしまうはず!

    (川柳)

  • ミラン・クンデラ〈千野栄一=訳〉
    『存在の耐えられない軽さ』
    集英社文庫/定価902円(税込)購入はこちら > 言わずとしれた名作なのだが、僕はついつい笑ってしまう。シリアスな話なのにどことなく浮ついた非現実的な雰囲気が漂うのは、ミシェル・ウェルベックの作品に似ているのかもしれない、と思った。現実に対するある種の諦めというのか、あのやや冷笑的で、しかし、そうなりきれない感じが堪らなかったりするんだ。

    (倉本)

  • L・M・モンゴメリー〈掛川恭子=訳〉
    完訳クラシック 赤毛のアン1 赤毛のアン』
    講談社文庫/定価880円(税込)購入はこちら > 日々の生活に疲れてしまって、最近楽しいことがないな……と思ったときにおすすめです。想像力豊かで、身のまわりにある幸せを見つけるのが得意。どんなことも前向きに楽しむアンは、アンの周りの人だけでなく、物語を読んでいる私たちも笑顔にしてくれます。心が軽くなって、前向きな気持ちになれる一冊です。

    (瀬野)

 
  • ジーン・ウェブスター〈岩本正恵=訳〉
    『あしながおじさん』
    新潮文庫/定価605円(税込)購入はこちら > 正体不明の紳士「あしながおじさん」によって、大学に通えるようになった孤児院出身のジュディ。学費の全額免除や生活費の保証と引き換えに、ジュディは毎日あしながおじさんにお手紙を送ることを義務づけられます。ジュディの手紙からはとても生き生きした日々が窺え、読んで笑顔になれます。幸せシンデレラストーリー。

    (岩田)

  • エラ・フランシス・サンダース〈前田まゆみ=訳〉
    『翻訳できない 世界のことば』
    創元社/定価1,760円(税込)購入はこちら > この本には、一言では訳せない世界各地のユニークなことばが集められています。例えばドイツ語で「Drachenfutter」、一応直訳すると「竜のえさ」。でもその意味は、夫が悪いふるまいを妻に許してもらうために贈るプレゼントのことだそう。表現の意味を知るとクスッと笑ってしまう、そんな魅力的なことばなどがたくさんの一冊です。

    (千羽)

  • 森見登美彦
    『恋文の技術』
    ポプラ文庫/定価682円(税込)購入はこちら > 初めて読んだ時の抱腹絶倒を今から味わえる人が正直羨ましい、それが『恋文の技術』。差出名が「一級ナメクジ退治士」「能登のプリマ」というだけでも、その突き抜けたくだらなさの片鱗が窺える。大学院生の守田一郎が無聊を慰め文通の腕を磨くべく送りまくった手紙の数々は、難しいことは考えずに笑いたいときの特効薬。

    (畠中)

 
  • 森見登美彦
    『夜は短し歩けよ乙女』
    角川文庫/定価616円(税込)購入はこちら > 世の中にはこんなに奇天烈な学生がいるのか! 黒髪の乙女に恋するあまり何度も「偶然の出会い」を演出する主人公は、一歩間違えればただのストーカーだ。しかし面白い。電車で読むときはマスク必須である。空想と現実が混然一体となったファンタジックな世界とゆかいな登場人物たちが、あなたを笑いの世界に誘ってくれる。

    (北岸)

  • 森見登美彦
    『四畳半神話大系』
    角川文庫/定価748円(税込)購入はこちら > 「大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう」。こんな書き出しから始まる本書の主人公は、実益ない日々に七転八倒している。しかし、これを読む我々にとって本書の読書経験は、実益の多い抱腹絶倒としたものとなることを約束しよう。

    (内田)

  • 奥田英朗
    『イン・ザ・プール』
    文春文庫/定価682円(税込)購入はこちら > 精神科医・伊良部のありえなさすぎる治療に不思議と救われていく患者たち。荒療治の数々に爆笑悶絶間違いなし! 楽しい一方で読んで心に何か引っかかったら、患者たちと似た苦悩の芽を自分の中に見出した証拠かも。救われるのはむしろ読者の方?! あなたも伊良部に「いらっしゃーい」されて、ストレスを笑いで吹き飛ばそう!

    (沼崎)

 
  • 大槻ケンヂ
    『ロッキン・ホース・バレリーナ』
    角川文庫/定価692円(税込)購入はこちら > 「十八歳で夏でバカだった」という強烈な一文から物語が始まります。確かに登場人物たちが行く先々で起こす騒動は、突拍子もなく、おバカで思わず笑ってしまうものばかり。ですが、ただ笑えるだけの話ではなく、彼らが全力で音楽と向き合う姿は、読む人それぞれにとっての青春を思い出させてくれます。爽やかで熱い小説です。

    (瀬野)

  • 田中康夫
    『なんとなく、クリスタル』
    河出文庫/定価836円(税込)購入はこちら > 70年代後半から80年代というのは僕からするとキラキラ輝いている時代だ。音楽も、ファッションも、ほとんどこの時代までに出尽くしてしまっているような気さえする。主人公らの「皮膚感覚」は、ほとんど半世紀経っても今の感覚に通ずると思うと「終わりなき日常」って感じで、不覚にも笑ってしまった。

    (倉本)

  • 瀬尾まいこ
    『戸村飯店 青春100連発』
    文春文庫/定価715円(税込)購入はこちら > 大阪の中華料理屋で生まれ育った、要領がいいけど故郷と波長が合わない兄ヘイスケと不器用だけど単純明快な弟コウスケが、兄の上京をきっかけに自分を見つめ直す。正反対に見える二人だが、兄は1ヶ月で退学、フリーターになってしまい、弟は実家も継がせてもらえず急遽大学受験勉強、とぶっ飛びDNAは共通している不思議さ。

    (木村)

 
  • 山本幸久
    『笑う招き猫』
    集英社文庫/定価607円(税込)購入はこちら > 売れない女性漫才師2人がうまくいかない日々にあがきながらも漫才に打ち込む日々を描いた青春小説です。笑いあり涙ありほろ苦さあり、これぞ青春。この本を初めて読んでから数年たちますが、今でも元気の出ない日には読み返すお守りのような存在の本です。

    (福田)

 

本コーナーのセレクト・コメント

●『読書のいずみ』読者スタッフ
  • 沼崎 麻子(北海道大学大学院)
  • 木村 真央(お茶の水女子大学大学院)
  • 川柳 琴美(お茶の水女子大学)
  • 力武 麗子(早稲田大学)
  • 内田 充俊(東京経済大学)
  • 瀬野日向子(名古屋大学大学院)
  • 光野 康平(金沢大学)
  • 高木 美沙(奈良女子大学)
  • 畠中 美雨(京都大学大学院)
  • 福田 望琴(大阪府立大学大学院)
  • 倉本 敬司(広島大学)
●『読書のいずみ』委員
  • 千羽 孝幸(愛媛大学)
  • 岩田 恵実(名古屋大学)
  • 戸松 立希(慶應義塾大学)
  • 北岸 靖子(奈良女子大学)
 
 


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